in vitro Transcription T7 Kit (for siRNA Synthesis)

in vitro Transcription T7 Kit

Q1 RNAの合成量が少ない。
A1
(1) 使用した鋳型DNA中にRNaseやEDTAなどが混入していた。
→鋳型RNAをProteinase Kで処理するとよいでしょう。
100 μg Proteinase Kと0.5%SDSを鋳型溶液に加え、37℃、30分間処理した後、フェノール/クロロホルム処理、エタノール沈殿を行います。80%エタノールでの洗浄を必ず行ってください。
(2) 鋳型DNA中にNaClが含まれていた。
→高濃度 (>30 mM) のNaClはRNA polymeraseの活性を低下させます。脱塩操作 (スピンカラムを使用する、あるいは再度エタノール沈澱を行い、80%エタノールでの洗浄を2回くり返す) を行いNaClを除いて下さい。
(3) 鋳型DNA量が少なかった。
→反応に使用した鋳型DNAが少なすぎる場合があります。調製した鋳型DNAは、吸光度(OD260)を測定するだけでなく、電気泳動を行い、十分量使用していることを確認して下さい。
(4) 反応時間が短かった。
→1~2時間反応を行うことで十分量のtranscript RNAが得られることを確認していますが、用いる鋳型DNAによっては、まれに長い反応時間を必要とする可能性があります。4時間くらいまで反応時間を伸ばしてみてください。
Q2 複数の反応産物が見られる、または目的のサイズの反応産物が得られていない。
A2
(1) 鋳型とするプラスミドの切断に3' 突出の制限酵素を使用した。
→プラスミドDNAを鋳型とする場合、直線化する際には5' 突出あるいは平滑末端を形成する制限酵素を用いてください。3' 突出を形成する制限酵素を使用すると、長いtranscript RNAが合成されてしまいます(文献3参照)。3' 突出を形成する制限酵素は使用しないで下さい。他の制限酵素が使用できない場合は平滑末端処理を行って下さい。
(2) プラスミドを直線化するための制限酵素反応で切れ残りがあった。
→直線化したサンプルを電気泳動により確認します。切れ残りがある場合は、もう一度制限酵素処理を行って下さい。
(3) 電気泳動時にRNAが二次構造を形成した。
in vitro transcription反応で合成されたRNAを通常の非変性ゲルを用いて電気泳動を行うと、RNAが二次構造を取るために、予想されるサイズよりも大きなサイズのバンドと予想されるサイズの二本のバンドが認められることがあります。変性ゲルを用いて泳動を行って下さい。あるいは、例えば [64%ホルムアミド、26 mM MOPS, pH7.2、6.45 mM酢酸ナトリウム、0.6 mM EDTA] からなるバッファーと混合し、65℃、15分処理を行った後に泳動を行うことにより、RNAの二次構造に由来するバンドは消失、もしくは軽減されます。

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