NucleoBond® Xtra Midi/Maxi

NucleoBond Xtra Midi/Maxi (トランスフェクショングレードのプラスミドDNA精製)

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Q1 プラスミドDNAが得られない、または収量が少ない。
A1 
プラスミドが増幅していなかった。
  • カラムにローディングする前の清澄化されたライセート中のプラスミド含量をアガロース電気泳動でチェックしてください。(詳細は、英文説明書の8.1 Troubleshootingを参照。)
  • 新鮮なプレートからコロニーを拾って植菌してください。プレートおよび液体培地には適切な選択抗生物質を加えてください。
  • 本キットでの精製を行う前に、NucleoSpin Plasmid EasyPure(製品コード 740727.10)NucleoSpin Plasmid(製品コード 740588.10)またはNucleoSpin Plasmid QuickPure(製品コード 740615.10:終売)を用いておおよそのプラスミド含量を推定してください。
細胞溶解が不十分であった。
  • 用いた培養液量の量が多すぎです。培養液のOD600を測定し、適切な量の培養液と細胞溶解バッファーを使用してください。(英文説明書の4.4-4.6を参照。)清澄化されたライセート中のプラスミド含量をアガロース電気泳動でチェックしてください。
  • Buffer LYSを使用する前に、SDSが沈殿していないことをチェックしてください(特に20℃以下で保存していた場合)。必要であれば、ボトルを30~40℃で数分間インキュベートし、SDSが溶けるまでよく混合してください。
サンプル中にSDSあるいは他の沈殿物が存在する。
  • NucleoBond Xtra Column に挿入されたNucleoBond Xtra Column Filterにクルードなライセートをローディングすることにより、SDSの沈殿は完全に除去されます。清澄化されたライセートを長時間放置しておくと、新たな沈殿が生成するおそれがあります。沈殿が認められるようであれば、NucleoBond Xtra Column にローディングする直前に、ライセートを再びろ過あるいは遠心することをお勧めします。
サンプル/ライセートの粘度が高すぎる。
  • 用いた培養液量の量が多すぎます。培養液のOD600を測定し、適切な量の培養液と細胞溶解バッファーを使用してください。(英文説明書の4.4-4.6を参照。)
  • 中和後に必ず液を十分に混合し、SDSと染色体DNAを完全に沈殿させてください。そうしないと、ろ過効率と流速が低下し、SDSによってDNAのカラムへの結合が妨げられます。
バッファーのpHあるいは塩濃度が高すぎる。
  • 洗浄画分のプラスミド含量をアガロース電気泳動でチェックしてください(詳細は、英文説明書の8.1 Troubleshootingを参照)。
  • すべてのバッファーは密栓して保存してください。Buffer EQU(pH 6.5)、WASH(pH 7.0)およびELU(pH 9.0)のpHをチェックし、pHが適切でない場合はHClまたはNaOHでpHを調整してください。
Q2 ろ過中にNucleoBond Xtra Column Filterが目詰まりする。
A2 
用いた培養液の量が多すぎた。
  • 用いた培養液量の量が多すぎます。培養液のOD600を測定し、適切な量の培養液と細胞溶解バッファーを使用してください。(英文説明書の4.4-4.6を参照。)
ローディングする前に、沈殿が懸濁されていなかった。
  • ローディングする直前に、クルードなライセートを含むチューブを3回以上反転させて十分に混合してください。
沈殿ステップが不十分であった。
  • 中和後に必ず液を十分に混合し、SDSと染色体DNAを完全に沈殿させてください。
Q3 NucleoBond Xtra Columnが目詰まりする。または流速が非常に遅い。
A3 
サンプルの粘度が高すぎる。
  • 細胞溶解バッファーの量に対して推奨されている量よりも多い細胞培養液からライセートを調製しないでください。細胞溶解が不十分ですと、カラムが目詰まりするだけではなく、収量もかなり低下します。推奨培養液量については英文説明書の4.4と4.5を、より多量の培養液を用いる場合の細胞溶解バッファーの量の調整については英文説明書の4.6を参照してください。
  • 中和後に必ず液を十分に混合し、SDSと染色体DNAを完全に沈殿させてください。
ライセートが完全に清澄化されていなかった。
  • 必ず、NucleoBond Xtra Column Filterを用いてライセートを清澄化してください。
  • ライセートを保存中に沈殿が生じることがあります。カラムにローディングする前にライセートを再び清澄化してください。
Q4 プラスミドDNAにゲノムDNAが混入している。
A4 
細胞溶解処理が強すぎた。
  • Buffer LYSで5分以上溶解しないようにしてください。
ライセートを激しく混合しすぎた。あるいは細胞溶解後にボルテックスした。
  • チューブを3回だけ反転させて混合してください。LYSの添加後は、ボルテックスしないでください。
  • 容易に混合できるように、より大きなチューブを用いるか、細胞量を減らしてください。
Q5 プラスミドDNAにRNAが混入している。
A5 
RNase A処理が不十分であった。
  • RNase AをBuffer RESに加えていなかった、あるいは保存が適切でなかった可能性があります。Buffer RESを用いて新たにRNase Aを調製してください。
洗浄バッファーのpHあるいは塩濃度が低すぎる。
  • 洗浄画分のRNA含量をアガロース電気泳動でチェックしてください。すべてのバッファーは密栓して保存してください。Buffer EQU(pH 6.5)およびWASH(pH 6.5)のpHをチェックし、pHが適切でない場合はHClまたはNaOHでpHを調整してください。
Buffer WASHを用いる洗浄ステップが不十分であった。
  • Buffer WASHを用いた洗浄ステップを2回または3回行ってください。Buffer WASHは別途購入できます。(Buffer WASH 1000 ml 製品コード 740375.1000)
Q6 純度が低い(A260/A280 <1.8)。
A6 
2回目の洗浄ステップの前に、NucleoBond Xtra Column Filterを除いていなかった。
  • 洗浄が不十分で、タンパク質が除去できていない可能性があります。Buffer WASHを用いる2回目の洗浄ステップを行う前に、必ずNucleoBond Xtra Column Filterを取り除いてください。
1回目の洗浄ステップで、Buffer EQUではなくBuffer WASHを用いていた。
  • SDSの持ち込みを避けるために、1回目の洗浄は必ずBuffer EQU 5 mlでフィルターとカラムを洗浄してください。洗浄の際は、カラムの縁に沿ってバッファーを注ぎ、フィルターに残っている溶液を確実に洗浄してください。
DNAが少量しかカラムにローディングされていなかった。
  • DNA量が少なく、DNA結合容量が余り過ぎていると、さらによく洗浄する必要があります。Buffer WASHを用いる洗浄ステップを2回行ってください。
  • Buffer LYSで5分以上溶解しないようにしてください。
Q7 イソプロパノール沈殿を行っても核酸の沈殿が認められない。
A7 
ペレットが失われた。
  • 沈殿を注意して取り扱ってください。上清は注意深くデカンテーションしてください。沈殿後に回収されるはずのプラスミドDNAの量を計算するために、イソプロパノール沈殿前のBuffer ELU(溶出液)中のプラスミドDNAの収量を確認しておいてください。
プラスミドDNAがチューブの壁に広がって付着している。
  • 適量のDNA溶解バッファーを加え、30分以上チューブを回転させてDNAを溶かしてください。
核酸が沈殿しなかった。
  • 沈殿操作に用いる溶媒の種類と量をチェックしてください。必ず0.7容量以上のイソプロパノールを用い、十分に混合してください。
  • 遠心の時間を延ばしてください、またはさらに高速で遠心してください。(好ましくは15,000×gで30分間)
Q8 イソプロパノール沈殿が透明ではなく、不透明あるいは白色である。
A8 
塩が共沈している。
  • イソプロパノールの純度をチェックし、室温(20~25℃)で沈殿操作を行ってください。遠心は4℃で行ってください。カラムから溶出中の液にイソプロパノールを加えないでください。最終的な溶出液にイソプロパノールを加え、直ちに混合するようにしてください。
Q9 イソプロパノール沈殿がバッファーに溶けない。
A9 
ペレットが乾燥しすぎていた。
  • 高温でより長い時間(例えば、37℃で2時間、あるいは室温で一晩)、可能であれば一定の速度で撹拌して(3Dシェーカーなど)溶かしてみてください。
塩が共沈しているか、エタノールが残っている。
  • 70%エタノールで沈殿を再び洗浄してください。あるいはDNA溶解バッファーの量を増やしてください。
Q10 NucleoBond Finalizerを用いた後に、プラスミドが得られない、または収量が少ない。
A10 
Columnからの溶出液にプラスミドDNAがすでに含まれていないか、わずかしか含まれていない。
  • 「Q1. プラスミドDNAが得られない、あるいは収量が少ない」を参照してください。
Dead volumeが多すぎる。
  • 高濃度のプラスミドDNAを得たい場合は、少量の溶出バッファーで溶出を行うべきですが、少量の溶出液がシリンジ内およびNucleoBond Finalizerに残り、ロスの原因になります。2回目の溶出ステップでこれらのロスを最小限にするために、シリンジからNucleoBond Finalizerに最後の一滴まで移すようにしてください(例えば、シリンジとNucleoBond Finalizerを実験台上でタッピングする)。次に、シリンジに空気を入れて押し込み、NucleoBond Finalizerから最後の一滴まで押し出してください。このステップを数回行ってください。最良の結果を得るには、この操作を数回練習することをお勧めします。容認できるdead volumeは、NucleoBond Finalizerの場合で30 μl以下、NucleoBond Finalizer Largeの場合で60 μl以下です。
溶出液の量が少なすぎる。
  • Dead volumeがNucleoBond Finalizerの場合で30 μl、NucleoBond Finalizer Largeの場合で60 μlありますので、溶出液の量はそれぞれ200 μl(NucleoBond Finalizerの場合)、400 μl(NucleoBond Finalizer Largeの場合)以上で行ってください。また、液が少なすぎると、膜全体を十分に湿らせることができませんので、収量が激減すると思われます。
2回目の溶出を忘れた。
  • 最良の結果を得るには、1回目の溶出液を用いてもう一度溶出操作を行うことが重要です。しかし、3回目の溶出を行っても、さらに収量が上がることはありません。
プラスミドのサイズ
  • 沈殿効率はプラスミドのサイズとほとんど無関係ですが、プラスミドのサイズが大きいほど、NucleoBond Finalizerからの溶出が困難になります。コスミドなど大きなプラスミドの場合で収量が低い時は、NucleoBond Finalizer、シリンジおよび溶出バッファーを70℃に加温することをお勧めします。
Q11 Finalizerを用いた後のDNA濃度が低い。
A11 
全体的に収量が低い。
  • 「Q1. プラスミドDNAが得られない、あるいは収量が少ない」を参照し、溶出バッファーの量を減らしてください。英文説明書 4.12の表4と表5を参照して、予想されるDNA濃度を推定してください。
2回目の溶出ステップで、新しい溶出バッファーを用いた。
  • 2回目の溶出ステップは最良の収量を得るのに重要ですが、高濃度のDNAを得るには、最初の溶出ステップの溶出液を2回目の溶出ステップで用いてください。
Q12 精製したプラスミドが、その後の反応でうまく機能しない。
A12 
プラスミドDNAにゲノムDNAまたはRNAが混入している。
  • 「Q4. プラスミドDNAにゲノムDNAが混入している」および「Q5. プラスミドDNAにRNAが混入している」を参照してください。
プラスミドDNAにイソプロパノール・エタノールがわずかに残っている。
  • プラスミドDNAを溶かす前に、プラスミドDNAが完全に乾燥していなかった可能性があります。1/10容量の3 M酢酸ナトリウム(pH 5.0)と0.7容量のイソプロパノールを加えてDNAを再び沈殿させてください。プロトコールのイソプロパノール沈殿から再度同様に行い、DNA沈殿は完全に乾燥させてください。
DNAが分解している。
  • すべての器具(ピペット、遠心チューブなど)が清潔で、ヌクレアーゼフリーであることを確認してください。
  • 細胞サンプルをBuffer LYSで5分以上溶解しないでください。
DNAが不可逆的に変性している。
  • プラスミドをアガロース電気泳動で確認してください。変性したプラスミドのバンドは、スーパーコイル状のプラスミドよりもゲル上で速く泳動されます。Buffer LYSの添加後は、細胞サンプルを5分以上溶解しないでください。


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