In situ Apoptosis Detection Kit

Standard Protocol
In situ Apoptosis Detection Kit)

In situ Apoptosis Detection Kit(製品コード MK500)

  1. 試料
    ・細胞:接着細胞(チャンバースライドでの培養)
        浮遊細胞(スライドガラス上でのサイトスピン、スメアーでの細胞固定・マイクロチューブ収集)
    ・組織切片:凍結切片・パラフィン包埋切片
  2. ラベリング反応液の調製
    (1) 1サンプルにつきLabeling Safe Buffer 45 μlにTdT Enzyme 5 μlを入れ調製する。 Labeling Safe Bufferのチューブには2回の陰性コントロール分(50 μl×2)のBufferも入っている。
    (2) 調製した液は均一になるように静かによく混合する。 反応混合液は使用時に用時調製し、使用まで氷で保存する。(長時間放置した場合、混合液中の酵素が失活する恐れがあるので使用前に用時調製し、保存しない。)
      注意:抗体液はそのまま使用する。
  3. その他必要な試薬および器具
    ・蒸留水
    ・洗浄バッファー(PBSまたはTBS)
      Phosphate Buffered Salts(製品コード T900)
      Tris Buffered Saline (TBS) Tablets, pH7.6(製品コード T9141) など
    ・発色基質(DAB) (SIGMA社、DAKO社)
    ・H2O2
    ・対比染色液(メチルグリーン)
    ・マイクロピペット
    ・マイクロチューブ
    ・湿潤箱
    ・37℃インキュベーター
    ・カバースリップ
    ・カバーガラス
    ・剥離防止処理済みスライドガラス(シランコート:Matsunami、DAKO社)
    ・蛍光顕微鏡または光学顕微鏡

    『パラフィン包埋切片』での検出を行う場合
    ・コプリンジャー(スライド染色バット)
    ・キシレン
    ・エタノール(100%, 90%, 80%)
    ・カバースリップ
    ・Proteinase K(製品コード 9034)
    ・3%H2O2(内因性パーオキシダーゼブロッキング)
    ・マウントメディウム(封入剤)

    『凍結切片』での検出を行う場合
    ・剥離防止処理済みスライドガラス(ポリ-L-リジン, シランコート)
    ・固定液(10%中性ホルマリン緩衝液、アセトン、4%パラホルムアルデヒド等)
    ・0.3%H2O2含メタノール(内因性パーオキシダーゼブロッキング)

    『細胞』での検出を行う場合
    ・剥離防止処理済みスライドガラス(シランコート)
    ・固定液(4%パラホルムアルデヒド、10%中性ホルマリン緩衝液等)
    ・0.3%H2O2含メタノール(内因性パーオキシダーゼブロッキング)
    ・遠心機(サイトスピン)
  4. 操作手順
    (培養細胞の場合)
    1. 細胞を採取後PBSで洗浄し、シランコートスライドグラス上で風乾させて、新しく調製した4%パラホルムアルデヒド/PBS(pH7.4)で室温15~30分固定する。
    2. 固定後PBSで洗浄し、0.3%H2O2を含むメタノールで内因性ペルオキシダーゼのブロッキング*1 を室温15~30分する。ブロッキング後PBSで洗浄する。

      注意: フローサイトメトリーでの検出に使用したい場合は、ここまでの操作をコニカルチューブまたはマイクロチューブ中で行う。細胞は70%エタノール中で冷凍保存すると1~2ヵ月使用可能である。
      *1 フローサイトメトリーでの検出および蛍光顕微鏡での観察のみの場合は、この操作を省く。

    3. 酵素反応液の浸透を良くするため、Permeabilisation Buffer 100 μlで氷上2~5分反応後PBSで洗浄する。
    4. 予め調製後氷冷しておいた反応調製液50 μl (TdT Enzyme 5 μl + Labeling Safe Buffer 45 μl) をスライド上にのせ湿潤箱中で 37℃ 60~90分反応 [乾燥を防ぐためカバースリップを利用するとよい]させた後、PBSで洗浄して反応を停止させる。
      注意:チューブ中で反応をする場合は細胞が沈殿するので15分に1回程度軽く撹拌する。

      以上の操作後、蛍光顕微鏡での観察、フローサイトメトリーでの検出を行う。さらに光学顕微鏡による観察を行う場合は以下の操作を行う。

    5. Anti-FITC HRP Conjugateを37℃30分反応させPBSで洗浄する。
      DABで室温10~15分発色させた後蒸留水で反応停止する。
      注意:チューブ中で反応をする場合は抗体が均一に細胞へ反応するよう時々軽く撹拌する。
    6. 3%メチルグリーン染色後、マウントして光学顕微鏡により観察する。


    (凍結組織切片の場合)
    1. 新鮮な組織を直ちにO.C.T. compound中で凍結し、クリオスタットで薄切後シランコートスライドガラスに切片を張り付ける。新しく調製した4%パラホルムアルデヒド/PBS (pH7.4)またはアセトンで室温15~30分固定する。PBSで20~30分洗浄する。
    2. 固定後 PBSで洗浄し、0.3%H2O2を含むメタノールで内因性ペルオキシダーゼのブロッキング*1 を室温15~30分する。ブロッキング後 PBSで洗浄する。
    3. 酵素反応液の浸透を良くするため、Permeabilisation Buffer 100 μlで氷上2~5分反応後PBSで洗浄する。
    4. 予め調製後氷冷しておいた反応調製液50 μl(TdT Enzyme 5 μl + Labeling Safe Buffer 45 μl)をスライド上にのせ湿潤箱中で 37℃ 60~90分反応[乾燥を防ぐためカバースリップを利用するとよい]させた後、PBSで5分3回洗浄して反応を停止する。

      以上の操作で蛍光顕微鏡での観察が可能である。さらに光学顕微鏡による観察を行う場合は以下の操作を行う。

    5. 70 μlのAnti-FITC HRP Conjugateを37℃30分反応[抗体を均一に組織上へのせる。また、乾燥を防ぐためにカバースリップを用いるとよい]させPBSで5分3回洗浄する。
    6. DABで室温10~15分発色させた後蒸留水で反応停止する。
    7. 3%メチルグリーン染色した後、脱水・透徹・封入後光学顕微鏡で観察する。

    (パラフィン包埋組織切片の場合)
    1. 脱パラフィン(5. 脱パラフィン操作に関してを参照)後、蒸留水で洗浄する。
      Proteinase K処理(10~20 μg/ml,15分)*2の後、PBSで洗浄する。
      *2 Proteinase K(製品コード 9034)を使用する場合は1/2,000~1/1,000倍希釈して使用する。
    2. 3%H2O2 5分で内因性ペルオキシダーゼのブロッキング*1 をした(発色する時のみ必要)後、PBSで洗浄する。
    3. 予め調製後氷冷しておいた反応調製液50 μl (TdT Enzyme 5 μl + Labeling Safe Buffer 45μl) をスライド上にのせ湿潤箱中で37℃60~90分反応[乾燥を防ぐためカバースリップを利用するとよい]させた後、PBSで5分3回洗浄して反応を停止する。

      以上の操作で蛍光顕微鏡での観察が可能である。さらに光学顕微鏡による観察を行う場合は以下の操作を行う。

    4. 70 μlのAnti-FITC HRP Conjugateを37℃30分反応[抗体を均一に組織上へのせる.また、乾燥を防ぐためにカバースリップを用いるとよい]させPBSで5分3回洗浄する。
    5. DABで室温10~15分発色させた後、蒸留水で反応停止する。
    6. 3%メチルグリーン染色した後、脱水・透徹・封入後光学顕微鏡で観察する。
  5. 脱パラフィン操作に関して
      ↓ キシレン I  5分
      ↓ キシレン II  5分
      ↓ キシレン III  5分
      ↓ 100%エタノール 5分
      ↓ 100%エタノール 5分
      ↓ 90%エタノール 5分
      ↓ 80%エタノール 5分
      ↓ 流水洗 2分
     水洗後、蒸留水に浸す。
  6. 実験に関する注意
    1. スライドガラスは剥離防止のためシランコーティングしてあるものを使用する方がよい。
    2. 湿潤箱は予め37℃でインキュベートしておく。
    3. カバースリップまたはパラフィルムを反応時に使用することにより、大きな組織切片でも毛細管現象で反応液が均一に広がるためムラができない。またインキュベートによる蒸発を防ぐことができる。
    4. PBSで洗浄した後、反応液をのせる場合余分な水分をろ紙またはペーパータオルで除去しておく。
    5. PBSでの洗浄は、(細胞の場合)直接細胞にPBSをかけると剥がれてしまうので十分気をつけて濯ぐ。(組織切片の場合)5分3回を目安に行う。

    操作フローチャート
    細  胞 凍結切片 パラフィン切片
    接着細胞
    サイトスピン
    スメアー
    シランコーティング

    シランコーティング

    脱パラフィン
    固   定
    4%パラホルムアルデヒド/PBS (pH7.4) 酵素処理
    室温 15~30分  Proteinase K処理
    室温 15分
    内因性ペルオキシダーゼブロッキング(光学顕微鏡で観察する時のみ必要)
    細胞・凍結切片 0.3%H2O2 室温 15~30分
    パラフィン切片 3%H2O2 室温 5分
    洗   浄
    浸 透 化
    Permeabilisation Buffer
    氷上 2~5分
    洗   浄
    ラベリング反応
    37℃ 60~90分
    洗   浄
    蛍光顕微鏡での観察
    フローサイトメトリー
    光学顕微鏡での観察
    抗 体 反 応
    Anti-FITC HRP Conjugate 37℃ 30分
    洗   浄
    発   色
    DAB発色基質 室温10~15分
    反 応 停 止
    蒸留水
    対 比 染 色
    メチルグリーン
    脱 水・透 徹・封 入
    (組織切片)
    光学顕微鏡での観察

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