Control Test Kit (Viable Bacteria Selection)

操作

操作の流れ

1.サンプルの調製
Viable Bacteria Selection Kit for PCRシリーズによるEMA処理を行い、NucleoSpin Tissue XS等を用いてDNAを抽出する。
2.qPCR/PCR装置のセッティング
3.反応液の調製と反応開始
反応液を調製する
 ↓
反応液を反応チューブに分注し、滅菌精製水(陰性コントロール)、または検体サンプル、またはPositive Controlを添加する
 ↓
反応チューブをqPCR/PCR装置にセットし反応を開始する
 ↓
4.検出
【リアルタイムPCR】
画面上にリアルタイムで増幅曲線が表示される
 ↓
反応終了
 ↓
判定
【エンドポイントPCR】
反応終了
 ↓
アガロースゲル電気泳動で確認
 ↓
判定

1.サンプルの調製(エリア2で実施)

検体の懸濁液を用意し、Viable Bacteria Selection Kit for PCRシリーズによるEMA処理を行った後、NucleoSpin Tissue XS等によるDNA抽出を行う(操作方法の詳細は各製品の取扱説明書を参照)。

2.反応液の調製(リアルタイムPCR、エンドポイントPCR で共通)

コントロール反応について
本キットでは、Viable Bacteria Selection Kit for PCRシリーズの試薬コンポーネントに添加されているプラスミドDNAをqPCR/PCRで増幅するが、Viable Bacteria Selection Kit for PCRシリーズによるEMA処理が正しく行われると増幅産物が検出されない。 PCR反応自体の成否を確認するために、必ずPositive Controlを用いた陽性コントロール反応を同時に行う。また、コンタミネーションの有無を確認するためにサンプルのかわりに滅菌精製水を加える陰性コントロール反応も同時に行うことを推奨する。

(1)下記に示す反応液を氷上で調製する。
鋳型(検体サンプル等)以外のコンポーネントを必要本数+α分調製し、反応チューブに20 μlずつ分注後、軽くふたをする。必要本数として、サンプル数+ 2本(Positive Control、陰性コントロールとして滅菌精製水を加えるもの)を準備する。

 液量(1反応)最終濃度
2×Cycleave Reaction Mixture12.5 μl
Primer/Probe Mix(5×conc.)5 μl
検体サンプルor Positive Control or 滅菌精製水(5 μl)* 
dH2O2.5 μl 
total25 μl 
* 検体サンプル等の鋳型は、この段階では加えない
(2)陰性コントロールとして、サンプルの代わりに滅菌精製水を加えたものを1本調製し、しっかりふたをする。
(3)サンプル(鋳型)の添加
(1)で分注した残りのチューブについて、サンプルまたはPositive Controlを調製液に添加し、しっかりふたをする。
【注意】リアルタイムPCRでは蛍光測定を行うため、チューブに汚れがつかないように注意する。蓋を閉めるときは手袋を着用する。
(4)0.2 mlチューブ用の卓上遠心機で軽く遠心を行い、qPCR/PCR装置にセットする。
【注意】 反応液調製後、なるべく1時間以内に反応を開始する。

3.qPCR/PCR反応と結果の解析

リアルタイムPCR

(1) 以下の条件でリアルタイムPCRを行う。
  1. Thermal Cycler Dice Real Time System の場合

    初期変性(Hold)
      Cycle:1
      95℃、10秒
    3 step PCR
      Cycle:45
      95℃、5秒
      55℃、10秒
      72℃、20秒(検出)
    Thermal Cycler Dice Real Time System のPCR条件

  2. Applied Biosystems 7500 Fast Real-Time PCR Systemの場合

    初期変性(Hold)
      Cycle:1
      95℃ 10秒
    3 step PCR
      Cycle:45
      95℃ 5秒
      55℃ 10秒
      72℃ 25秒(検出)
    Applied Biosystems 7500 Fast Real-Time PCR SystemのPCR条件

(2) 結果を解析する。
陰性コントロール反応および陽性コントロール反応での増幅曲線を確認する。
陰性コントロールにおいて蛍光シグナル変化の無いベースラインが得られ、閾値を超えていないことを確認する。陽性コントロールにおいて増幅曲線が描かれ、閾値を超えていることを確認する。
検体サンプルのベースラインや増幅曲線が正常に描かれていることを確認する。

◆判定結果について
  • 陰性コントロールの反応で、増幅曲線、Primary Curve の設定で増幅曲線が得られた場合:
    コンタミネーションの疑いがあるため、反応液の調製場所および使用する機器を除染したうえで再反応を行う。
  • 陽性コントロール反応で、増幅曲線、Primary Curve の設定で増幅曲線が得られなかった場合:
    何らかの原因でPCR、またはサイクリングプローブ検出が正常に行われていない。再反応を行う。
  • 陰性コントロール反応、陽性コントロール反応で適切な結果が得られ、検体サンプルを鋳型とした反応で増幅産物が検出されなかった場合:
    Viable Bacteria Selection Kit for PCRシリーズによるEMA処理操作が阻害を受けることなく正しく行われたことがわかる。EMA処理を行った検体サンプルでの生菌由来DNA検出を実施する。
  • 陰性コントロール反応、陽性コントロール反応で適切な結果が得られたが、検体サンプルを鋳型とした反応で増幅産物が検出された場合:
    検体に由来する成分がEMA処理操作を阻害した可能性が高い。検体からの夾雑物の除去あるいは検体の希釈などを検討する。
プラスミドDNAと細菌では、EMA処理の作用が異なる場合があります。各菌種に対するEMA処理の効果については、予め死菌を用いた条件検討により確認してください。


エンドポイントPCR

反応終了後アガロースゲル電気泳動を行い、目的サイズ(162 bp)のバンドを検出することで判定を行う。

(1) 以下の条件でPCR増幅を行う。
95℃、10秒
95℃、5秒
45サイクル
55℃、10秒
72℃、20秒
(2) PCR 反応液 5 μlをアガロースゲル電気泳動に供す。
目的の増幅産物は162 bpであるため、3% PrimeGel Agarose PCR-Sieveや2% Agarose L03の使用を推奨する。
(3) エチジウムブロマイド等でゲルを染色し、検出を行う。
(4) 陽性コントロールでバンドが検出され、陰性コントロールではバンドが検出されないことを確認し、検体サンプルでのEMA処理の成否判定を行う。
アガロースゲル電気泳動による確認
図2.アガロースゲル電気泳動による確認
1:EMA処理ありサンプル
2:EMA処理なしサンプル
M:φX174/Hae III digest
2% Agarose L03
Apply volume:5 μl


◆結果判定について
  • 陰性コントロールの反応で、目的サイズ(162 bp)のバンドが検出された場合:
    コンタミネーションの疑いがあるため、反応液の調製場所および使用する機器を除染したうえで再反応を行う。
  • 陽性コントロール反応で、目的サイズ(162 bp)のバンドが検出されなかった場合:
    何らかの原因でPCR 増幅が正常に行われていない。再反応を行う。
  • 陰性コントロール反応、陽性コントロール反応で適切な結果が得られ、検体サンプルを鋳型とした反応で増幅産物が検出されな買った場合:
    Viable Bacteria Selection Kit for PCRシリーズによるEMA処理操作が阻害を受けることなく正しく行われたことがわかる。EMA処理を行った検体サンプルでの生菌由来DNA検出を実施する。
  • 陰性コントロール反応、陽性コントロール反応で適切な結果が得られたが、検体サンプルを鋳型とした反応で増幅産物が検出された場合:
    検体に由来する成分がEMA処理操作を阻害した可能性が高い。検体からの夾雑物の除去あるいは検体の希釈などを検討する。
プラスミドDNAと細菌では、EMA処理の作用が異なる場合があります。各菌種に対するEMA処理の効果については、予め死菌を用いた条件検討により確認してください。

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