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Application

Anhydrotrypsin Agarose

Application2:Bacteriophage T4 tail sheath protein(アミノ酸残基数658:C末端Glu)のC末端ペプチドフラグメントの単離

Bacteriophage T4 tail sheath protein(全アミノ酸配列は塩基配列から推定された4))をtrypsin消化し、その消化フラグメント混合物からC末端ペプチドフラグメントをAnhydrotrypsin Agarose注1)を使って単離した。

方法
(1)Bacteriophage T4 tail sheath protein(0.73 mg、10 nmol)を加熱処理して単量体とした後、trypsin消化した(消化条件:1/150(w/w)TPCK(tosyl-L-phenylalanine chloromethylketone)-s-trypsin、pH8.1、37℃、6 hr)。
(2)1 mM DFPを添加した消化物溶液をpH5.0に調整後、開始Bufferで平衡化したAnhydrotrypsin Agaroseカラム(ベッド体積4.7 ml、0.86φ×8.1 cm)にかけ、その非吸着画分を集めた。
(3)非吸着画分に含まれるペプチドを逆相系HPLCによって精製した。
結果
Trypsin消化物全体はHPLCで極めて多くのペプチドピークを与えるが、非吸着画分は主に2つのペプチドピーク(IsおよびIIs)のみを与えることが分る(図5)。
両ペプチドのアミノ酸組成分析およびアミノ酸配列分析の結果、IIsが本来のC末端ペプチド(No. 633-658)に相当し、IsはLycをC末端に有するペプチド(No.11-31)に相当することが判明した。C末端ペプチドの回収率は6%であった注2)。IsはAnhydrotrysin Agaroseカラムで非吸着画分を再クロマトすることにより除くことも可能であることから、弱いながらも吸着体に親和性を示していたこともわかった。

注1)使用したAnhydrotrypsin Agaroseは、Streptomyces giseus trypsin のanhydro誘導体をagarose gelに固定化したものであるが、その特性はbovine pancreatic trypsin由来のものとほぼ同じである2)

注2)C末端にArg、LysまたはAECysをもたないペプチド中でAnhydrotrypin Agaroseに吸着性を示すものは、これまでtrypsin inhibitor以外に見つかっていない。
回収率が低かったのは、比較的長鎖(26残基)であり、しかも疎水性に富んだアミノ酸を多く含んでいたため、逆相系HPLC用カラムに強く吸着して定量的に溶出されなかったためと考えられる。また採用したtrypsin消化条件におけるこのペプチドの生成率が低かったことも、原因の一つになっている可能性がある。

表2 Anhydrotrypsin Agaroseによる、タンパク質のtrypsin消化フラグメント混合物からのC末端フラグメント単離例

アミノ酸
残基数

C末端

C末端ペプチド

収率

Bacteriophage T4 tail tube protein

163

Glu

No.113-163

約5%

Streptomyces

subtilisin inhibitor(SSI)

113

Phe

No.96-113

72%



図5 (i)Bacteriophage T4 tail sheath protein のtrypsin消化物全体および(ii)Anhydrotrypsin Agaroseによるアフィニティークロマトグラフィーの非吸着画分に含まれるペプチドの逆相系HPLC2)

カラム:Nucleosil 5C18、 0.4φ×25cm
溶媒:(A)0.1%トリフルオロ酢酸、8%アセトニトリル
(B)0.1%トリフルオロ酢酸、65%アセトニトリル
溶出:(A)→(B)の直線濃度勾配溶出,60 min
流速:1 ml/min
検出:A210

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