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SmartChip™ Real-Time PCR System

動物および血液サンプルを用いたジェノタイピング

ジェノタイピングは、集団内における個々の遺伝的な違いを同定する技術である。最も一般的な遺伝的変異(約300塩基に1回の頻度で発生)は、一塩基の変異がゲノムのコード領域および非コード領域で見られる一塩基多型(SNP)で、集団内に1%以上の頻度で見られる変異がSNPとして分類される。特にコード領域にSNPが観察されると、表現型に影響を与える可能性がある。たとえば善玉コレステロールと一般的に言われるHDLコレステロールを多く産生するというようにSNPが有利な変異となる時もあれば、2型糖尿病のような疾患に対する感受性を高めてしまい有害となりうるSNP変異も見られる。SNPは毛質(直毛、くせ毛)から特定の薬物治療に対する応答までの様々な形質に影響を及ぼす。SNPは、ヘルスケア分野、臨床分野、農業分野および研究分野で重要となる様々な形質を決定づける非常に有用な情報となる。

SNPジェノタイピングは、マイクロアレイまたは全ゲノムシーケンスを用いて行うことができるが、これらの方法は多くのSNPを検出でき、有用なSNPを発見できる一方で、費用と時間がかかる技術となる。ほとんどのSNPジェノタイピング実験では、数個のSNPに対象を絞り、多数のサンプルをスクリーニングする。SNPジェノタイピングが有用であると証明されている研究領域の1つが、輸血に適合する血液を見つけることである。赤血球の表面抗原を検出するのは抗体ベースの方法を用いるABO式血液型ならびにRh因子が良く知られている。しかし、抗体ベースの技術では、Kell、Kidd、MNS、Dombrock、Colton、およびYt式血液型を含むいくつかの抗原に対する特異的抗体による試薬がなく、血液型を判定することができない。さらに以前に輸血を受けたことのある患者は、患者自身およびドナー由来の赤血球を有しているため、抗体を用いた方法では判別することができない可能性がある。
血液型の判別にDNAを用いる方法は、抗体を用いる方法の限界を克服する方法になると考えられる。血液型物質(抗原)に対応するSNPを検出できるプライマー/プローブを使用することにより、研究者は多様な血液型をロバストかつ正確に判別することができる。患者赤血球とドナー赤血球が混在する血液の場合、一般的なリアルタイムPCR反応では相対的に数の少ないドナー由来赤血球の型は、患者由来赤血球に邪魔され、検出することは困難だが、様々な血液型物質を見ることができれば、より多くの細胞情報をスクリーニングすることができ、その結果、ドナー細胞の増減を分析するといった応用が可能となる。現在、ハイスループットリアルタイムPCR技術の進歩により、様々な血液型を研究対象とし、1日あたり数千サンプルを解析するような大規模な実験系を設計・実施することができるようになった。

SmartChip Real Time PCR Systemは、この様な迅速かつ高感度に血液サンプルのSNPジェノタイピング解析を実施している研究者に利用されている。本システムにより、1日に最大10,000サンプルを処理することができ、さらに分注パターンの柔軟性により、必要に応じてSNPターゲット(血液型)を追加することも可能である。
ジェノタイピングのもう一つの重要な分野は、実験動物、農作物および家畜の遺伝子型をトラッキングすることである。動物や農作物の品種改良は数百年から数千年にわたって行われてきたが、近年の分子生物学および遺伝学の発展により、望ましい形質とSNPが関連付けられることで、品種改良の分野は急速に発展している。また、多くのモデル生物が研究に利用されているが、これらのモデル生物は幅広い多様性および変異を有しており、その変異を検出することは近交系を正確に管理するために不可欠となる。微量かつハイスループットリアルタイムPCRにより、さまざまなサンプルのSNPジェノタイピングのコストを大幅に減らすことが可能となった。この様な分野でのSNPジェノタイピングでは、農作物および動物種に併せて、SNP数およびサンプル数を自由に選べることが鍵となる。

SmartChip Real-Time PCR Systemは、高い精度と一致度を誇るロバストなプラットフォームであり、また一種類の5,184ウェルチップで様々なサンプル数とSNP数の組み合わせが可能なので、柔軟でハイスループットなSNPジェノタイピング解析を可能にする。SmartChipシステムは、例えばマウスの近交系を管理するサービスといったように様々な生物種においてSNPジェノタイピングに利用されている。
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