「完全長DNA導入法」「COS-TPC法」どちらも可能な組換えアデノウイルス作製キット

Adenovirus Dual Expression Kit (CAG/EF1α)

メーカー
略称
製品コード TaKaRa
Code
製品名 容量 価格(税別)
キャンペーン価格
特記事項 説明書
データシート
ベクター情報
参考
資料
TKR 6170 6170 Adenovirus Dual Expression Kit
  • アデノウイルスベクターによる遺伝子導入
  • 化学物質排出把握管理促進法(PRTR法)
  • 安全データシート(SDS)添付
  • ライセンス
  • バルクなど特別対応可能
1 Kit(5回用) ¥66,000
¥52,800
2017/07/03~
2017/08/31

説明書・データシート・ベクター情報
TKR 6174 6174 Adenovirus Dual Expression Kit (EF1α)
  • アデノウイルスベクターによる遺伝子導入
  • 化学物質排出把握管理促進法(PRTR法)
  • 安全データシート(SDS)添付
  • ライセンス
1 Kit(5回用) ¥71,000
¥56,800
2017/07/03~
2017/08/31

説明書・データシート・ベクター情報
TKR 6171 6171 Adenovirus genome DNA-TPC
  • アデノウイルスベクターによる遺伝子導入
  • バルクなど特別対応可能
50 μl(5回用) ¥66,000
¥52,800
2017/07/03~
2017/08/31

説明書・データシート・ベクター情報

※色文字での表示は、キャンペーン価格およびそのキャンペーン期間です。

製品説明

本製品は、組換えアデノウイルスを、「完全長DNA導入法2)」あるいは「COS-TPC法3)」により作製するためのキットである。
東京大学医科学研究所 斎藤博士らはCOS-TPC法で使用するコスミド4, 5)を改変して、E1およびE3遺伝子を欠失させたアデノウイルスゲノムの全長を含むデュアルコスミド6)を構築し、より簡便な組換えアデノウイルス作製方法である「完全長DNA導入法」を開発した7)。「完全長DNA導入法」では、293細胞に完全長のアデノウイルスを含むプラスミドのみの導入で、目的のアデノウイルスを作製できる。
本製品では完全長ウイルスゲノム両末端の外側に制限酵素BspT104 I認識サイトおよびPac I認識サイトをデザインしたデュアルコスミドを用いている。デュアルコスミドに目的遺伝子を挿入し、得られた組換えコスミドを制限酵素BspT104 IあるいはPac Iで処理して293細胞にtransfectionすることで、目的遺伝子の組換えアデノウイルスを取得することができる。組換えコスミドを切断できる制限酵素の種類が増えたことにより、インサート配列を切断しない制限酵素認識サイトを選択することが可能になったため、ほとんどの目的遺伝子について、組換えアデノウイルスを完全長DNA導入法にて作製することが可能になった。
目的遺伝子の配列または性質などにより組換えウイルスの作製が困難な場合には、作製した組換えコスミドをAdenovirus genome DNA-TPC7)(製品コード 6171)と共に293細胞にco-transfectionする方法、すなわち「COS-TPC法」に切替えることで、ウイルスを取得すること、あるいは作製効率を上げることができる。どちらの方法で作製しても、得られる組換えアデノウイルスの構造および性質はまったく同じである。

製品として、発現用プロモーターが異なる2種類のキットを用意している。Adenovirus Dual Expression Kit(製品コード 6170)にはCAGプロモーターを搭載したコスミドベクターが含まれており、Adenovirus Dual Expression Kit (EF1α)(製品コード 6174)にはヒトポリペプチド鎖伸長遺伝子プロモーター(EF1αプロモーター)を搭載したコスミドべクターが含まれている。CAGプロモーターはmammalで働く強力なプロモーターであり、広範囲の細胞種で高発現が期待できる。EF1αプロモーターは、動物個体への投与時に炎症が軽減され、目的遺伝子の長期発現を可能にする。マウスでは、約6ヵ月の持続発現が確認できている。

注: 本製品(製品コード 6170)は、Lot.No.AK501Aから製品名が変更になりました。製品内容や使用方法に変更はありません。
(旧製品名:Adenovirus Expression Vector Kit (Dual Version) Ver.2)

内容

Adenovirus Dual Expression Kit(製品コード 6170)または
Adenovirus Dual Expression Kit (EF1α)(製品コード 6174)
Cosmid Vector pAxcwit2 (0.3 μg/μl)*125 μl
Cosmid Vector pAxCAwtit2 (0.3 μg/μl)*2 またはCosmid Vector pAxEFwtit2 (0.3 μg/μl)*325 μl
制限酵素Smi I (10 U/μl)20 μl
10×H Buffer100 μl
制限酵素 BspT104 I (10 U/μl)30 μl
10×L Buffer100 μl
DNA Dissolution Buffer50 μl
Ligation Solution50 μl
10×TNE Buffer1 ml×2
Proteinase K (20 mg/ml)200 μl
10%SDS200 μl
Control Cosmid pAxCAiLacZitまたはControl Cosmid pAxEFiLacZit2*450 μl
*1 プロモーターなし
*2 CAGプロモーター搭載
*3 EF1αプロモーター搭載
*4 pAxCAwtit2またはpAxEFwtit2にβ-gal遺伝子を挿入したもの
注:製品コード 6170は製品名が変わりましたが、製品内容に変更はありません。

保存

Adenovirus Dual Expression KitおよびAdenovirus Dual Expression Kit (EF1α)
10%SDS:使用時に37℃で融解後、使用後は室温保存
その他:-20℃
Adenovirus genome DNA-TPC:-80℃
DNA-TPCは凍結融解によって効率が低下する可能性があります。
不要な凍結融解は避けてください。

操作手順の概要


  1. コスミドベクターに目的のインサートを挿入する。
    |
    ┌────────────────────────┐
    ●完全長DNA導入法●COS-TPC法
    1. インサートを組み込んだコスミドベクターを制限酵素BspT104 IまたはPac Iで消化し、293細胞にtransfectionする。
    2. 細胞内で組換えアデノウイルスが産生される。

    1. インサートを組み込んだコスミドベクターとDNA-TPCとを293細胞にco-transfectionする。
    2. 細胞内で相同組換えが起こり組換えアデノウイルスが産生される。
    └────────────────────────────┘
  2. 293細胞は、E1A、E1B遺伝子を発現しているために、非増殖型の組換えアデノウイルスが増殖する。どちらの方法でも作製されたウイルスの構造は全く同じであるので、性質も変わらない。
  3. 作製した組換えアデノウイルスを目的の細胞に感染させる。通常の細胞ではウイルスは増殖せず、目的のタンパク質を発現する。

原理


図1.組換えアデノウイルス作製の原理

―完全長DNA導入法―
制限消化処理した組換えコスミドを293細胞にtransfectionすることにより、組換えアデノウイルスを取得する方法である。本製品に含まれるデュアルコスミドは、E1、E3遺伝子を欠失させた完全長のアデノウイルスゲノムを持つコスミドベクターである。また、ウイルスゲノム両端のすぐ外側に、制限酵素BspT104 I (Csp45 I)およびPac Iサイトがデザインされている。デュアルコスミドにインサートを挿入した組換えコスミドを制限酵素BspT104 IまたはPac Iで消化し、293細胞にtransfectionするだけで組換えアデノウイルスを作製することができる。細胞内での相同組換えが必要ないため、親ウイルスの混入はなく、得られる組換えアデノウイルスのほとんどが目的ウイルスである。ただ、遺伝子の性質等の影響により組換えアデノウイルスの作製効率が低いことがある。

―COS-TPC法―
「COS-TPC法」は、組換えコスミド およびAdenovirus genome DNA-TPC(製品コード 6171)を293細胞にco-transfectionし、293細胞内でおこる相同組換えを利用することにより、組換えアデノウイルスを作製する方法である。Adenovirus genome DNA-TPCには、本来アデノウイルスゲノムDNAの両末端に結合している末端タンパク質(TP; Terminal Protein)が結合している。そのため、高効率に組換えアデノウイルスを作製することができ、ほぼ確実に目的ウイルスを得ることができる。

ほとんどの場合、「完全長DNA導入法」により組換えアデノウイルスを取得することができる。まずは、「完全長DNA導入法」での組換えアデノウイルス作製を試みられることをお勧めする。この方法で、ウイルス作製効率が低く組換えウイルスが得られにくい場合には、Adenovirus genome DNA-TPCを併用し、「COS-TPC法」により、効率よく組換えアデノウイルスを作製することができる。尚、挿入遺伝子配列内にBspT104 I認識配列(TTCGAA)およびPac I認識配列(TTAATTAA)が含まれている場合には、「完全長DNA導入法」は利用できないので、最初から「COS-TPC法」により組換えウイルス作製を行う。

アデノウイルスベクター

アデノウイルスベクターは、以下のような多くの利点をもっていることから、基礎から応用まで、有用性の高い発現ベクターとして用いられ、培養細胞はもとより、動物個体における発現ベクターとして、種々の機能解析に用いられている。
  1. 一過性に強力に遺伝子発現するため、狙ったステージでの目的遺伝子の研究に使用することができる。
  2. ヒトだけでなく、マウスやラットを含む広範囲の動物細胞に効率よく遺伝子導入できる。
    増殖細胞だけでなく静止期の細胞に、また、神経系を含む多くの分化あるいは未分化の細胞にも感染・発現することができる。
  3. 高力価のウイルスを得ることができる。
    108~109 pfu/ml程度のウイルス液を容易に得ることができ、さらに1011 pfu/ml程度まで濃縮することも可能である。
  4. 動物個体にも効率よく遺伝子導入することができる。特に肝臓、あるいは局所投与での遺伝子機能解析に有用である。
現在、最も汎用されているアデノウイルスベクターは、ヒトアデノウイルス5型由来のもので、E1およびE3遺伝子が欠失されている。E1遺伝子が欠失しているため、この組換えアデノウイルスは、E1遺伝子を持続的に発現している293 細胞1)(ヒト胎児腎細胞樹立株)では複製増殖することができるが、通常の細胞内では複製増殖することができないとされている。また、E3遺伝子は、in vitroでの増殖には必要ではなく、in vivoにおいて免疫監視機構との関連が知られている。
本製品で作製できる組換えアデノウイルスは、E1およびE3遺伝子が欠失しているヒトアデノウイルス5型由来の汎用型である。E1遺伝子が欠失しているため通常の細胞では増殖できず、293細胞でのみ増殖可能である。また約7 kbまでの外来遺伝子を導入することができる。

コスミドベクターの構造

図2-1
*a:Sal Iは、他に (5,189), (7,236), (9,283), (11,661), (29,260), (36,165), (36,544)にサイトが存在する。
*b:Nru Iは、他に (3,779), (4,868), (5,826), (6,915), (7,873), (8,962), (9,664), (24,133), (28,416), (34,579), (34,660), (38,273), (39,692)にサイトが存在する。
*c:Cla I の ( ) で囲まれたサイトは、damメチル化の影響により酵素による切断は起きない。

塩基配列番号の表記について
Smi I (Swa I) 、Bsp T104 IおよびPac Iは切断位置番号、その他の制限酵素は認識サイトの5’末端の位置番号で記載している。
図2-1 コスミドベクターpAxcwit2の構造
pAxcwitは基本ベクターであり、プロモーター配列は含まれていない。
Smi IまたはCla Iサイトに、約7 kbpまでの発現ユニット(任意のプロモーター+目的遺伝子+ポリA シグナル)を挿入できる。


図2-2
*e:Sal Iは、他に(7,506), (9,553), (11,600), (13,978), (31,577), (38,482), (38,861)にサイトが存在する。
*f:Nru Iは、、他に(6,096), (7,185), (8,143), (9,232), (10,190), (11,279), (11,981), (26,450), (30,733), (36,896), (36,977), (40,590), (42,009)にサイトが存在する。
*h:Cla Iの ( )で囲まれたサイトは、damメチル化の影響により酵素による切断は起きない。
*a:Xba Iは、他に(14,22 4), (19,730), (37,734)にサイトが存在する。
*b:PshB IIは、、他に(25), (2,801), (3,660), (14,256), (14,781), (17,121), (17,469), (18,147), (18,471), (28,221), (28,836)にサイトが存在する。
*c:Xho Iは、他に(23,527), (38,029), (38,624), (40,069), (42,535)にサイトが存在する。
*d:Bgl IIは、他に(15,813), (16,085), (17,710), (19,382), (20,189), (23,133), (25,284), (26,552), (31,730), (37, 912), (39,409)にサイトが存在する。
*g:Spe Iは、他に(18), (21,241)にサイトが存在する。

*1:Cytomegalovirus enhancer + chicken β-actin promotor + rabbit β-globin 3'非翻訳領域の一部
*2:rabbit β-globin polyA

塩基配列番号の表記について
Smi I(Swa I)およびBsp T104 Iは切断位置番号、その他の制限酵素は認識サイトの5’末端の位置番号で記載している。
図2-2 コスミドベクターpAxCAwtit2の構造
pAxCAwtit2 はmammalで働く強力なCAGプロモーター(cytomegalovirus enhancer、chicken β-actin promoter、rabbit β-globin polyAシグナル)が含まれている。
Smi IまたはCla Iサイトに、約5 kbpまでの目的遺伝子を挿入できる。本コスミドベクターは製品コード 6170に含まれる。EF1αプロモーターを搭載したpAxEFwtit2(製品コード 6174に含まれる)の構造は、取扱説明書をご覧ください。


本製品には、東京大学医科学研究所 斎藤博士らによって開発・改良された2種類のデュアルコスミドが含まれている(図2-1、2-2)。共にE1およびE3遺伝子を欠失したアデノウイルスゲノムの全長が挿入されているため、目的遺伝子を挿入した組換えコスミドのみをもちいる「完全長DNA導入法」によっても、Adenovirus genome DNA-TPCと組換えコスミドを併用する「COS-TPC法」によっても、組換えアデノウイルスを作製することができる。いずれの方法ででも作製された組換えアデノウイルスの構造は全く同じであり、作製されたウイルスの性質は変わらない。

各ベクターのDNAシーケンスデータ

カスタムサービス

本製品を使用したアデノウイルス作製受託サービスを行っております。
A. 組換えコスミドの作製
B. 組換えアデノウイルスの作製
C. 精製組換えアデノウイルスの調製

詳しくは、組換えアデノウイルス作製受託をご参照ください。

注意

  • 本製品の使用には遺伝子工学と細胞培養に関する基本的な技術が必要です。
  • 本製品は、293細胞中で哺乳動物に感染性を有する組換えアデノウイルスを作製するキットです。本製品の使用には文部科学省の定める省令(「研究開発等に係る遺伝子組換え生物等の第二種使用等に当たって執るべき拡散防止措置等を定める省令」平成16年文部科学省・環境省令第1号)にあるP2レベル以上の施設が必要です。
  • 本キットで作製した組換えウイルスは293細胞以外では増殖できませんが、万一皮膚や気道などに付着した場合、効率よく細胞内に入り込んで目的遺伝子を発現します。吸入や付着を防ぐため、必ず、安全キャビネットを使用してください。
  • 本製品の使用はすべて研究用に限定されています。臨床目的での使用および生体外診断に使用することはできません。
  • 本製品ご利用の際は省令および組織内の組換えDNA安全委員会の指示に従い、安全には十分ご注意下さい。
  • 本製品の使用によって生じたいかなる事故、損害についても、弊社では責任を負いかねますので、ご了承の上ご使用下さい。
  • 本製品を工業的に使用される場合は、個別にライセンス契約の締結が必要です。

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注意事項
  • 弊社の取扱い製品はすべて研究用として販売しております。ヒト、動物への医療、臨床診断用には使用しないようご注意ください。また、食品、化粧品、家庭用品等として使用しないでください。
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