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-20℃
反応
タンパク質およびペプチドのアルギニン残基のカルボキシル基側のペプチド結合を特異的に切断する。
特長
マウス顎下腺由来で、Levyらの報告1)におけるisozyme Dに相当する。精製酵素をさらにTPCK、TLCKにより処理している。
活性の定義
Bz-DL-Arg-p-nitroanilide(BAPA)を基質として、37℃、pH8.0において、1分間に1 μmolのp-nitroanilineを生成する酵素活性を1 Uとする。
比活性
0.8 U/mg protein(代表サンプル分析値)
品質管理データ
形状
50% グリセロールを含む5 mMリン酸緩衝液(pH7.2)溶液
添付Buffer
Arg-EP 5×Buffer 1 ml
【組成:5×】
250 mM リン酸ナトリウム(pH8.0)
使用上の注意
タンパク質をサンプルとする場合、CM化など化学的手法での変性が必要である。
一般的性質
分子量: |
25,000(SDS-PAGE;非還元条件下) |
|
21,300(ゲルろ過法) |
等電点: |
5.65 |
ミカエリス定数: |
Km=2.9×10-4 M(DL-BAPA) |
至適pH: |
8.0~9.0 |
pH安定領域: |
4.0~11.0(37℃、5 hr) |
至適温度: |
50℃ |
熱安定領域: |
55℃以下(pH7.0、15 min) |
阻害剤: |
PMSF、DFP |
変性剤への耐性: |
尿素 2 M以下
グアニジン塩酸塩 0.1 M以下
SDS 0.05%以下 |
用途
タンパク質およびペプチドの一次構造解析
基質特異性
合成基質に対する基質特異性データを下表に示す。本酵素はリシンアニリド、リシンエステルをわずかながら加水分解する。kcat/Km値はBLPAがBAPAの約1/500、TLMEがTAMEの約1/200である。
N-Acetyl-
L-Tyr-OEt、Glt-
L-Phe-pNAは加水分解されない。
基質 |
Km(mM) |
kcat(s-1) |
kcat/Km |
Benzoyl-DL-Arg-pNA |
0.29 |
147 |
500 |
Benzoyl-DL-Lys-pNA |
3.57 |
4.17 |
1.17 |
Tos-L-Arg-OMe |
0.24 |
12500 |
52100 |
Tos-L-Lys-OMe |
1.19 |
301 |
253 |
Benzoyl-Arg-OEt |
0.13 |
21700 |
173000 |
N-Acetyl-L-Tyr-OEt |
- |
* |
- |
Glt-L-Phe-pNA |
- |
* |
- |
* 加水分解されない
活性測定条件
原理
Bz-DL-Arg-p-Nitroanilide(BAPA)を基質として、反応により生成したp-nitroanilineを、410 nmの吸光度で測定する。
使用する試薬
A:基質溶液
BAPA 20 mgをDMSO 1 mlに溶解し、50 mMトリス塩酸緩衝液(pH8.0)で50 mlとする。
B:酵素溶液(0.05~0.1 mg/ml)
C:30%酢酸溶液
操作手順
1.A液2.5 mlにH2O 0.4 ml、B液0.1 mlを加え、37℃で30分間反応する。
ブランクテストは、B液の代わりにH2O 0.1 mlを用いる。
2.C液0.5 ml添加により反応を停止し、410 nmの吸光度を測定する。
計算式
活性(U/ml)=[ΔA410×Rv]/[E×Rt×Ev]
Rv:反応液量(3.5 ml)
E:分子吸光係数(8.8/mM pNA)
Rt:反応時間(30 min)
Ev:酵素液量(0.1 ml)