Pyrobest™ DNA Polymerase

TaKaRa Ex TaqTaKaRa LA TaqPyrobest DNA Polymeraseについて

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Q1 Pyrobest DNA Polymeraseの正確性(Fidelity)はTaq Polymeraseよりどれくらい上がっていますか?
A1 Clineらの方法、Kunkelらの方法などを用いての検討では、 Taq Polymerase (TaKaRa Taq)と比較して約10倍正確性が上昇しています。
Q2 Pyrobest DNA Polymeraseで増幅可能な鎖長はどれくらい?
A2 弊社でのデータではヒトゲノムの約6 kbの増幅とλDNAの約12 kbの増幅に成功しています。
25~30 merのプライマーを用いて、シャトルPCR(2ステップPCR)で増幅することで、良い結果が得られることが多いです。
Q3 Pyrobestを用いて増幅したPCR産物の末端の形状はどうなっていますか?
A3 多くは平滑末端になっています。PCR産物はそのまま平滑末端のベクターにサブクローニングするか、あるいはリン酸化して脱リン酸化した平滑末端のベクターにサブクローニングすることをお勧めします。
TaKaRa Ex Taq、TaKaRa LA Taq
Q4 TaKaRa Ex TaqTaKaRa LA Taqの違いは?
A4 TaKaRa Ex TaqはタカラバイオのスタンダードPCR酵素で、反応性・増幅効率・感度が非常に高く、ゲノムDNAを鋳型にした場合でも20 kb程度まで増幅が可能です。TaKaRa LA Taqは、長鎖増幅用に最適化されたPCR酵素です。λDNAが鋳型の場合、40 kbを超える増幅も可能であり、ゲノムDNAを鋳型にした場合でも、30 kbの増幅が行えることを確認しています。
Q5 TaKaRa Ex TaqTaKaRa LA Taqの正確性(Fidelity)は?
A5 これらの酵素は3'→5'exonuclease活性を持つため、通常のTaKaRa Taqより正確性が高いと考えられます。Kunkel法を用いた検討では、TaKaRa Taqと比較して、TaKaRa Ex Taqで約3倍、TaKaRa LA Taqで約5倍、Fidelityが高いという実験結果が得られています。
しかしながら、PCRでの正確性は増幅するターゲットやPCR条件によっても大きく変動します。特に増幅効率が良いTaKaRa Ex TaqTaKaRa LA Taqで正確性を求める反応を行う場合には、使用する鋳型量をスメアしない範囲で増やし、サイクル数を抑えた(22~25サイクル)反応系を組むことをお勧めします。
Q6 TaKaRa LA Taq with GC Bufferのバッファーの使い分けは?
A6 GC Buffer IとIIは組成を公表していませんが、GC Buffer IよりもIIの方がDNAの変性効果が強いバッファーです。したがって、まず最初にGC Buffer Iをお試しいただくことをお勧めしています。 GC Buffer Iで増幅できない場合にIIをお試しください。
Q7 LA Taq with GC BufferはLong PCRができるのですか?
A7 LA TaqはLong PCR用の酵素であるのでもちろん可能です。GC含量50%の鋳型の場合、GC Buffer Iを用いてヒトゲノムの17.5 kbの増幅とλDNAの35 kbの増幅が可能です。また、GC含量の高い(GC 約70%)鋳型に対しては、少なくとも約2 kbの増幅を確認しています。
Q8 LA Taq with GC Bufferを使ってGC含量の高い鋳型に挑戦したい。何か注意点は?
A8 通常のPCRを行うときよりもプライマーのTm値の高いものをお勧めします。したがって、長さは25~30 merのものをご使用ください。プライマーの3'末端の配列が大切で、GCが高くならないようにし、また、上流・下流プライマーの配列が3'末端で相補しないように設計してください。
Q9 LA Taq with GC Bufferで、GC richなテンプレートを用いた場合に増幅できるサイズは?
A9 高GC含量(約70%)の鋳型の場合で2 kbの増幅を確認しています(GC Buffer I使用)。数百bpの短鎖の増幅も、もちろん可能です。
Q10 LA Taq with GC Bufferに添付されているGC Bufferで、GC richでないテンプレートの増幅もできるか?
A10 GC Buffer Iを用いた、GC含量約50%のテンプレートの増幅実験で、ヒトゲノムの17.5 kbの増幅と、λDNAの35 kbの増幅を確認していますので、GC richでないテンプレートの増幅も可能です。ただし、GC Bufferは、通常のLA PCR Bufferよりも高い変性効果を持っているため、GC含量の少ないテンプレートに用いた場合は、増幅効率が下がる場合があります(特にGC Buffer IIを用いた場合)。GC含量が50%前後のテンプレートの増幅には、通常のLA Taqに添付されているLA PCR Buffer IIの使用をお勧めします。
Q11 PCRで、イノシン(dITP)が含まれているプライマーは使用できるか?
A11 3'→5'exonuclease活性をもつTaqTaKaRa Ex Taq、TaKaRa LA Taq、TaKaRa Z-Taq、Pyrobest DNA Polymerase)を用いた場合、イノシンが含まれたプライマーを使用すると、反応性が著しく低下します。プライマーにイノシンが含まれている場合は、TaKaRa Taq(製品コード R001A/B/C)をご使用ください。

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