QuickPrimer (Real Time)シリーズ

判定方法

QuickPrimer (Real Time)シリーズ(製品コード MR101、MR103~107、MR111~113、MR203~205、MR208)

陽性の場合には、増幅曲線の蛍光シグナルの上昇を認める。しかし、インターカレーター法による検出は、非特異的な増幅においても蛍光シグナルが増加するので、陽性コントロールDNA(10倍希釈液)と同じ融解曲線の波形パターンを示すこと、および同じTm値であることを確認する。

Thermal Cycler Dice Real Time Systemシリーズをご使用の場合、解析にはQuickPrimer結果判定用エクセルシートが利用できます。本シートにThermal Cycler Dice Real Time Systemにより得られたTm値をトランスポートすると、判定基準Tm値に一致するかどうかを自動表示することができます。
:本製品ページからダウンロードしてご利用いただけます。

【注意】

  • 本製品の反応試薬系には、サンプル内にPCR阻害物質が混在するかどうかを調べるためのインターナルコントロールが含まれておりません。精製度が低いDNAサンプルを反応させる場合には、PCR反応が正常に行われず、偽陰性となる場合があるのでご注意ください。
    特に目的遺伝子が検出されるであろうと予測されるサンプルを反応させても、増幅曲線が得られない場合には注意が必要です。
  • 熱抽出サンプルのような粗精製DNAで反応を行う場合、増幅曲線から得られたCt値が35より小さく、融解曲線分析の波形も陽性コントロールDNA(10倍希釈液)と同じパターンを示しているものの、Tm値が陽性コントロールDNA(10倍希釈液)のTm値±1.5℃の範囲(判定基準Tm値)に含まれない場合があります。このような場合には、サンプルに由来する物質がTm値に影響を及ぼしている可能性があります。別途、陽性コントロールDNA(10倍希釈液)3 μl+サンプル 3 μlを添加して反応を行い、得られたTm値がサンプルのみの反応で得られたTm値と一致するかどうかを確認してください。一致した場合、Tm値が判定基準Tm値外の値であってもサンプルは陽性である可能性がありますので、別途電気泳動法や他の微生物検出方法の結果と照らし合わせた上で、最終的な判定を行ってください。
  • サンプル中に含まれる目的遺伝子量が少ない場合には、検出限界以下となり陰性と判定されます。検出感度については各製品データシートをご参照ください。

【判定基準】

サンプルの反応で増幅曲線より得られたCt値が35より小さく、融解曲線の波形が陽性コントロールDNA(10倍希釈液)の波形と同じパターンを示し、かつ得られたTm値が陽性コントロールDNA(10倍希釈液)より得られたTm値±1.5℃の範囲(判定基準Tm値)に含まれる時、陽性と判定します。(各プライマーを使用した時の標準的な波形パターンは、それぞれのデータシートをご参照ください。)
(1)陽性コントロールDNA(10倍希釈液)の反応で得られた融解曲線波形が、データシート記載のパターンと一致しているかを確認する。さらに陰性コントロールでCt 値の数値表示がないか、もしくはCt値の数値表示があっても、陽性コントロールDNA(10倍希釈液)より得られたTm値±1.5℃の範囲(判定基準Tm値)に含まれないことを確認する。
陽性コントロールDNA および陰性コントロールの反応により、上記以外の結果が得られた場合は、検出試薬系に問題がある、またはコンタミネーションの疑いがある等の理由により反応がうまく行われておりませんので、再反応を実施してください。
(2)サンプルのCt 値の数値が35より小さい値であることを確認する。
Ct 値が15サイクルよりさらに小さな値を示す場合は、鋳型量が多すぎることが考えられます。鋳型量が多すぎる場合は、Ct値、Tm値が判定基準Tm値内に入らず偽陰性になることがありますのでご注意ください。そのような場合には、サンプルを10倍~10,000倍程度に希釈して再反応してください。
(3)サンプルの融解曲線が、陽性コントロールDNAの波形と同じパターンを示すことを確認する。
(4)サンプルのTm値が、判定基準Tm値に含まれているかを照らし合わせる。
プライマーの種類により、サンプル中に含まれる鋳型が低濃度の場合に、Tm#1の値が判定基準Tm値外であっても、Tm#2として得られたTm値が判定基準Tm値内に含まれ、結果として陽性と判定できることがあります。Tm#1、Tm#2の両方の値を用いて確認してください。

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