レトロウイルスによる遺伝子導入では、非常に高い効率で標的細胞に遺伝子を導入できます。単一ベクターを用いて、広範囲な分裂性宿主細胞にほぼ100%の効率で感染可能です。レトロウイルス発現系では目的遺伝子が宿主細胞のゲノム中に組み込まれるため、変動が少なく信頼性の高い持続的な発現がもたらされます。
主要なRetro-X遺伝子発現システム
・Retro-X Tet-On AdvancedおよびRetro-X Tet-Off Advanced Inducible Expression System
レトロウイルスによる遺伝子導入と最新のテトラサイクリン制御性遺伝子発現系を組み合わせたシステムです。
Retro-X Tet-On Advanced / Tet-Off Advancedシステムは非常に低い基底発現レベルと最高の発現誘導を実現します。これらの2種類のシステムは、Retro-X Universal Packaging Systemとともに使用します。
・Retroviral Packaging Cell Lines
本パッケージング細胞株あるいはRetro-X Universal Packaging Systemを用いることで、非常に広範囲の細胞に感染可能な組換えレトロウイルスを高いタイターで産生することができます。
・Retro-X Q Vectors
本ベクターは、高いウイルス力価と確実な発現レベルを実現します。
3’LTRが欠失している自己不活性化ベクターであり、宿主ゲノムに組み込まれる際に、5’LTRに存在するプロモーターが不活性化され、内部プロモーターであるCMV IEから挿入した目的遺伝子の転写が起こります。
IRESを介して薬剤耐性マーカーを同時に発現するため、遺伝子導入細胞内でプロモーターの干渉が起こらず、安定した発現が得られます。目的タンパク質のN末あるいはC末に蛍光タンパク質を融合して発現するタイプの自己不活性化ベクター(pRetroQ-)も用意しています。
・Living Colors Fluorescent Retroviral Vectors
蛍光タンパク質マーカーを目的タンパク質と同時に、あるいは融合タグとして発現する高力価レトロウイルスを作製するためのベクターです。細胞内での目的タンパク質の発現や局在化をモニターすることができます。
その他の製品については表1をご覧ください。