細胞・培地

PromoCell社 ヒト上皮細胞 Q&A

全表示/全非表示

上皮細胞増殖培地

Q1 BPEとは何か?それぞれの培地に含まれるBPEの濃度は?
A1 BPE(ウシ下垂体抽出液)はin vitro培養条件で上皮細胞の増殖を刺激します。製品はタンパク質濃度を7.5 mg/ml(BPE-15)または13 mg/ml(BPE-26)に標準化したものがあります。正常ヒトケラチノサイト(NHEK)はBPE-15 2 ml/500 mlが適しており、タンパク質終濃度15 mg/500 ml培地となります。他の上皮細胞や上皮細胞以外の細胞にはさらに高い濃度が必要で、BPE-26(2 ml/500 ml)、タンパク質終濃度26 mg/500 ml培地が適しています。なお、BPEの製造にはBSE-freeに分類されているニュージーランド産のウシ脳組織を使用しています。

腎臓上皮細胞

Q2 ヒト腎上皮細胞HREpC(製品コード C-12665)とヒト腎皮質上皮細胞HRCEpC(製品コード C-12660)の違いは?
A2 ヒト腎上皮細胞(HREpC)には腎皮質と腎髄質から単離した数種類の由来の異なる腎上皮細胞が含まれています。一方、ヒト腎皮質上皮細胞(HRCEpC)は、腎皮質のみから単離しています。
Q3 PromoCell社の腎臓細胞(HREpC、HRCEpC)はどのように確認しているか?
A3 上皮細胞としての形態観察とpan-cytokeratin抗体によるサイトケラチンの発現確認を行っています。
Q4 腎皮質上皮細胞HRCEpC(製品コード C-12660)の採取場所は? 近位尿細管か?遠位尿細管か?
A4 ヒト腎皮質上皮細胞(HRCEpC)はヒト腎臓の腎皮質から単離しています。腎皮質は腎臓の外側の部分にあります。腎小体、近位および遠位の曲尿細管、皮質集合尿細管を含んでいます。

気管上皮細胞

Q5 PromoCell社の気管上皮細胞の正確な採取箇所は?
A5 ヒト鼻腔上皮細胞(HNEpC)は鼻中隔か咽頭扁桃腺から単離しています。ヒト気管上皮細胞(HTEpC)は気管表面上皮由来、ヒト気管支上皮細胞(HBEpC)は気管支表面上皮由来、ヒト小気道上皮細胞(HSAEpC)は気道遠位部の1 mmの細気管支(細気管支と肺胞で構成されている)由来です。
Q6 気管支上皮細胞(HBEpC)(製品コードC-12640)調製のための気管支組織はどこから入手しているか? ドナーの喫煙歴を知る事はできるか?
A6 気管支組織は法医学機関や胸部外科手術によって入手しています。一部のロットについてはドナーの喫煙歴の情報があります。情報が必要な場合は購入前にお尋ねください。
Q7 ヒト鼻腔上皮細胞(製品コード C-12620)はコーティングフラスコ上で培養する必要があるか?
A7 いいえ。コーティングフラスコは必要ありません。しかしながら、実験目的によってはコラーゲンコートディッシュが使用される場合もあります。
Q8 ヒト鼻腔上皮細胞(HNEpC)の継代にはどの継代用試薬キットDetachKitを使うのか?
A8 ヒト鼻腔上皮細胞の継代には標準的なDetachKit(製品コード C-41200)が使用できます。トリプシン/EDTA濃度が低いDetachKit 2(製品コード C-41202)を使用されている場合もありますが、PromoCell社のテストではDetachKit(製品コードC-41200)を使用して全く問題はありませんでした。
Q9 気管支上皮細胞(HBEpC)と鼻腔上皮細胞(HNEpC)は気液界面で生育分化させることができるか?
A9 PromoCell社では通常の組織培養用ディッシュで単層培養しています。無血清のAirway Epithelial Cell Growth Medium(気道上皮細胞増殖培地)(製品コード C-21160、C-21060)は細胞増殖を助け、分化を抑制します。
一般に気道上皮細胞は特別なインサート上で培養しコンフルエントに達すると気液界面で分化させることが可能です。頂端膜側から培地を除くことにより上側の表面は空気に曝されます。最適条件を作るために、気道増殖培地の成長因子の濃度を至適化する必要があります。
Q10 ヒト鼻腔上皮細胞(HNEpC)は鼻粘膜上皮に見られる繊毛や粘液産生などの表現型を示すか?
A10 ヒト鼻腔上皮細胞(HNEpC)を単離した直後は顕微鏡下で繊毛や粘液産生を観察することができますが、一旦プレートに接着すると短時間のうちに繊毛活性が失われます。単層培養すると細胞は増殖します。繊毛性の粘液産生は気液界面での生育分化で観察することができますが、そのためには、培養条件を至適化する必要があります。