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Protocols

TaKaRa One Step RNA PCR Kit (AMV)

逆転写反応におけるプライマーの選択、
  RNAサンプルの調製、
  操作上の注意 について

(1)逆転写反応におけるプライマーの選択について

逆転写反応に用いるプライマーの選択は、実験の種々の要素を考慮してRandom 9 mers、Oligo dT-Adaptor Primer、特異的下流PCRプライマーの3種類から選ぶ。ヘアピン構造のない短いmRNAの場合、3種類のどれを選んでも問題はないが、一般的には以下の選択基準を参考にするとよい。

Random 9 mers 長いRNAの逆転写反応の場合、またはヘアピン構造を持つRNAの逆転写反応の場合に適している。また、rRNA、mRNA、tRNA等全てのRNAの逆転写反応に使用可能である。
Oligo dT-Adaptor Primer polyA tailを持つmRNA の逆転写反応にのみ用いることが可能である。(注:原核生物のRNA、真核生物のrRNA やtRNA、ある種の真核生物のmRNA はpolyA tail を持っていない。)弊社独自の設計により、効率よくcDNA合成が行えるよう工夫されている。逆転写反応後、Adaptor領域に相補的なM13 Primer M4 を利用した3’-RACE法が行える。
特異的下流プライマー
(PCR時のアンチセンスプライマー)
鋳型と相補的なシーケンスを持つオリゴヌクレオチドを合成する必要があるので、あらかじめターゲットのシーケンスがわかっている場合に限られる。
(2)RNAサンプルの調製

本キットはRNAからcDNA合成、増幅を行うキットであり、cDNA合成を成功させるためには純度の高いRNAサンプルを得ることが大切である。そのため、細胞内に含まれるRNaseの作用を抑えること、また使用する器具や溶液等外部からのRNaseの混入を避けることが大切である。
RNA調製にあたっては、実験者の汗や唾液に含まれるRNaseを防ぐため作業中は不必要に話さず、清潔なディスポーザブルグローブを着用し、RNA調製専用の実験台を設ける等の細心の注意を払う必要がある。

■ 器具

実験器具に関しては、可能な限りディスポーザブルのプラスチック製品を使用すること。一般のガラス器具は以下の処理を行ってから使用する必要がある。
RNA実験に用いる器具(プラスチックおよびガラス)は、他の器具と区別してRNA専用として用いることを勧める。

  1. ガラス器具を0.1%ジエチルピロカーボネート(DEPC)溶液で、37℃、12時間処理する。
  2. 残っているDEPCを除去するために、オートクレーブ(120℃、30分)する。

■ RNAサンプルの調製法

BcaBEST RNA PCR Kitで1回の反応に用いるRNAサンプル量は、total RNAとして約500 ngが最適である。
培養細胞や組織サンプルからの高純度total RNAの調製には、スピンカラムタイプのNucleoSpin RNA(製品コード 740955.10/.50/.250)やAGPC法の簡便化試薬であるRNAiso Plus(製品コード 9108/9109)が便利である。
total RNAからのmRNAの調製には、Oligotex-dT30Super>(製品コード W9021A/B)または、Oligotex-dT30Super> mRNA Purification Kit (From Total RNA)(製品コード 9086)を用いると、迅速かつ効率的にmRNAを回収することができる。
(3)操作上の注意
  • キットの内容物は室温~37℃で完全に溶解した後、ピペッティングあるいはチューブを上下することによりよく撹拌する。vortexの使用はなるべく避ける。Buffer類、TaKaRa Ex Taq HSを撹拌する場合は、泡立ちあるいは酵素の失活を防ぐために特に注意深く、ゆっくりとピペッティングする。
    また、各内容物は使用するまで氷上で保存する。
  • 反応液は、反応開始前にピペッティングにより軽く撹拌する。この際、vortexは絶対に使用してはいけない。
  • 逆転写反応およびPCRの際に調製する反応液は、Master mix(RNase Free dH2O、バッファー、dNTP Mixture、MgCl2等の混合液)を数回~10回分ぐらいまとめて調製すると便利である。Master mixを作ることにより、ピペッティングによるロスや、試薬の分注、撹拌回数が少なくなり、正確な試薬の分注を行うことができる。その結果、実験間のデータのばらつきも防ぐことができる。
  • AMV RTase、RNase Inhibitor、TaKaRa Ex Taq HS等の酵素類およびBuffer類の撹拌は泡立てないように緩やかに行うこと。また、ピペッティングの前に試薬を軽く遠心して、チューブの底に落としておく。
    酵素類は、50%グリセロール溶液で粘度が高いので、注意深くゆっくりとピペッティングをすること。
  • 酵素類は使用直前まで-20℃で保存し、使用後は直ちに-20℃に保存する。
  • Positive Control RNAは、分解を防ぐためにできる限り凍結、融解は避けなければならない。少量ずつ分注後保存することを勧める。また、可能であれば-70~-80℃での保存を勧める。
  • 試薬の分注を行うときは必ず新しいディスポーザブルチップを用い、サンプル間のコンタミネーションを極力防止しなければならない。
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