核酸抽出

植物からのゲノムDNA精製プロトコール(NucleoSpin® Plant II)

NucleoSpin® Plant II(製品コード 740770.10, 740770.50, 740770.250)

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試薬の準備
  Buffer PW2*1、RNaseA*2溶液が添付の英文説明書に従って調製、希釈されていることを確認する。
Buffer PL1, Buffer PL2に沈殿が生じていないことを確認する*3
1.サンプルの準備
湿重量100 mg(乾燥試料であれば20 mg)までの植物組織を用意する。液体窒素を加え、凍結しながら乳鉢で粉状にする、またはホモジナイザー処理などで細分化を行う。
2. サンプルの溶解
2a. Buffer PL1を使用する場合
破砕したサンプルをマイクロチューブに移し、 Buffer PL1*3を400 μlを加えて、vortexで充分に混合する*5
RNaseA溶液*2 10 μlを加えて混合し、65℃で10分間保温する。
2b. Buffer PL2を使用する場合
破砕したサンプルをマイクロチューブに移し、Buffer PL2*3を300 μlを加えて、vortexで充分に混合する*6
RNaseA溶液*2 10 μlを加えて混合し、65℃で10分間保温する。
Buffer PL3を75 μl加えて混合し、氷上で5分間静置してSDSを沈殿させる。
3. 溶解液のろ過
NucleoSpin Filter(青紫色リング)をCollection Tube(2 ml)にセットする。
2のサンプル溶解液をカラムに加えて、11,000×g、2分間遠心する。
ろ液に沈殿が見られる場合、上清を別のマイクロチューブに移す(各自で用意)。
あるいは、サンプル溶解液を11,000×g、5分間遠心して上清を回収し、NucleoSpin Filterに添加し上記のようにろ過してもよい。
4. Bufferの添加
3のろ液にBuffer PC 450 μlを添加し、ピペッティングやvortexで充分に混合する。
5. カラムへの吸着
NucleoSpin Plant II Column(緑色リング)を新しいCollection Tube(2 ml)にセットする。
4の溶液700 μlをカラムに加えて、11,000×g、1分間遠心する。
ろ液を捨てた後、同じCollection Tubeにカラムをセットする。
4の溶液が700 μlより多い場合は、この作業を繰り返す。
6. メンブレンの洗浄
1回目の洗浄
Buffer PW1、400 μlをカラムに添加し、11,000×gで1分間遠心する。
ろ液を捨てた後、同じCollection Tubeにカラムをセットする。

  2回目の洗浄
Buffer PW2*1、700 μlをカラムに添加し、11,000×gで1分間遠心する。
ろ液を捨てた後、再び同じCollection Tubeにカラムをセットする。
3回目の洗浄
Buffer PW2*1、200 μlをカラムに添加し、11,000×gで2分間遠心してカラムを乾燥させる。
7. DNAの溶出
カラムをマイクロチューブ(1.5 ml:各自で用意)にセットする。
65℃に温めたBuffer PE 50 μl*7を添加し、65℃で5分間インキュベートする。
11,000×gで1分間遠心し、DNAを溶出させる。
さらに65℃に温めたBuffer PE 50 μl*7を添加し、この作業を繰り返す。
*1Buffer PW2の調製法
Wash Buffer PW2(concentrate)に、4倍量のエタノール(96~100%)を添加する。
*2RNase溶液の調製法(740770.10(10回用)の場合)
RNase A(凍結乾燥品)のチューブに150 μlのH2Oを添加して完全に溶解させる。
RNase A溶液は4℃で3ヵ月安定である。それより長期の保管(1年以内)を行う場合、少量に分注し-20℃で保管する。
*3 Buffer PL1, Buffer PL2は使用前に沈殿が生じていないことを確認する。沈殿が確認された場合は30~40℃で数分間温めて撹拌し、沈殿を完全に溶解した後使用する。
*4サンプルの溶解
サンプルに応じてBuffer PL1(CTAB法)、またはBuffer PL2(SDS法)を用いる方法を選択する。Lysis Bufferの選択については英文説明書を参照。
*5 サンプルが吸水して懸濁が難しい場合はBuffer PL1の添加量を増やしてもいい。その場合、加えたBuffer量に応じてRNase AとBuffer PCの量も増やす必要がある。
*6 サンプルが吸水して懸濁が難しい場合はBuffer PL2の添加量を増やしてもいい。その場合、加えたBuffer量に応じてRNase A、Buffer PL3、Buffer PCの量も増やす必要がある。
*7 DNAの収量や濃度を上げたい場合は、溶出液量を変更することも可能である(英文説明書参照)。
Elution Buffer PEにはEDTAは含まれていない。保存中にDNAの分解を防ぐためにEDTAを添加する場合は、あらかじめ、Elution Buffer PEに終濃度1 mMのEDTAを添加しておく。


<注意>
使用時には、詳細は必ず添付の英文説明書をご確認ください。

*1 は、製品コード 740770.10(10回用)の場合の調製法です。
製品コード 740770.50(50回用)、740770.250(250回用)の場合の調製法は英文説明書をご参照ください。