AAVpro® Purification Kit Maxi/Midi (All Serotypes)

AAVベクター抽出液の調製

AAVpro Purification Kit Maxi (All Serotypes)(製品コード 6666)

本キットでは、AAVベクター産生細胞からのベクター抽出に一般的に行われている凍結融解法や超音波破砕法は行わず、独自に開発したAAV Extraction Solution A plusおよびAAV Extraction Solution Bを使用する。この溶液を使用することで、宿主由来のタンパク質や核酸の混入を抑え、簡便にAAVベクターを抽出することができる。
  1. AAVベクター産生細胞を含む培養液に、0.5 M EDTA(pH8.0)を1/80容量添加し、よく混合する。
  2. 室温で10分間反応後、細胞を剥離させ、回収する。
  3. 1,700~2,000×g、4℃で10分間遠心後、上清を除去する。
  4. 再度、1,700~2,000×g、4℃で1分間遠心し、完全に上清を除去する。
    注 上清が残っていると以降の工程に影響が出ることがあるため、完全に上清を除去できたことを確認する。
  5. 細胞ペレットをタッピングもしくはボルテックスで十分にほぐす。
    注 細胞ペレットが十分にほぐれていない場合、抽出効率が低下する恐れがある。細胞の塊がないことを確認してから次の工程に進む。
  6. 10 mlのAAV Extraction Solution A plusを添加する。
  7. ボルテックスで15秒間懸濁する。
    注 細胞の塊がないことを確認し、細胞の塊がある場合は、なくなるまで懸濁する。
  8. 室温で5 分間静置後、さらに15秒間ボルテックスして懸濁する。
  9. 4,000~9,000×g、4℃で10分間遠心する。
    注 上記7.~9.の工程を繰り返すことで効率が向上することがある。
  10. 上清を新しい滅菌済み遠心チューブに、なるべく不純物の混入がないようピペットなどを用いて回収し、AAV Extraction Solution Bを上清の1/10量添加する。
    注1 この時点で-80℃で保存することができる。保存しない場合は速やかにAAVベクターの精製、濃縮の1.へ進む。-80℃で保存した場合は、
       37℃の恒温槽で速やかに溶解してから使用する。
       -80℃で保存する際は、凍結に耐性があり、その後の遠心操作に耐えうるチューブを使用する。
    注2 サンプルによってはAAV Extraction Solution Bを添加した際にピンク色に変わることがあるが、性能には問題ない。

  AAVpro® Purification Kit Maxi/Midi (All Serotypes)