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pPTR I DNA

Pyrithiamine耐性形質転換システムの汎用性についての検討

pPTR I(製品コード 3621)およびpPTR II(製品コード 3622)は、A. oryzae由来pyrithiamine(PT)耐性遺伝子ptrA1)を選択マーカーとしてもつ、麹菌A. oryzaeを始めとするAspergillus属真菌形質転換用のベクターである。チアミン不含PT含有培地で形質転換体を選択することができる。PT感受性(表1)でプロトプラスト調製が比較的容易な糸状菌A. kawachii、A. terreus、A. fumigatus、Trichoderma reeseiにおいても、本システムで形質転換体が取得できることが確認できたので2)、以下に示す。

表1 各糸状菌のPTに対するMIC

Strains

PT conc.(μg/ml)

0

0.05

0.1

0.5

1

10

A. oryzae

RIB128

A. niger

IAM2561

±

A. kawachii

IFO4308

±

A. shirousamii

RIB2502

A. sojae

RIB1045

±

A. tamarii

IAM2561

A. flavus

IFO30537

A. parasiticus

IAM13888

A. nidulans

A89

A. terreus

IFO30537

A. fumigatus

TIMM2726

Monasccus anka

RIB5202

±

Trichoderma reesei

IFO31326

Penicillium citrinum

IFO7784

Fusarium solani

IFO9425


+:生育; ±:わずかに菌糸の伸長あり; -:生育せず
最少培地で培養した各菌株から分生子を回収し、それをPT(0~10 μg/ml)添加最少培地に線接種した。
30℃で7日間培養した後、各菌株の生育を観察した。

実験1:pPTR IおよびIIによる形質転換効率

【方法】
pPTR I(染色体組込み型)およびII(自律複製型)をプロトプラスト-PEG法3)によりA. kawachii、A. terreus、A. fumigatus、Trichoderma reeseiに導入した。
選択培地として、0.1 μg/ml PTを含むCzapeck-Dox(CD)最少培地を用いた(T. reeseiのみtop agarに0.02% Casamino acidを添加)。
30℃で7~10日間培養した後、選択培地上に出現したコロニー数を計数した。 【結果】
各菌株における形質転換効率を表2に示す。

表2 各菌株の形質転換効率(コロニー数/μgプラスミドDNA)

菌株

プラスミド

pPTR I

pPTR II

A. nidulans

A89

76

1878

A. oryzae

RIB128

6.6

344

A. kawachii

IFO4308

0.8

65

A. terreus

IFO30537

0.8

100

A. fumigatus

TIMM2726

0.6

42

Trichoderma reesei

IFO31326

8

490

実験2: pPTR IIベクターを用いたGUS(β-グルクロニダーゼ)レポーター遺伝子の導入および発現

【方法】
A. oryzae glaA promoter-E. coli uidA(GUS遺伝子をコードする)-A. oryzae amyB terminatorからなるキメラ遺伝子4)をpPTR IIに挿入してpPTR II-GUSを作製し、これを用いて(A)A. kawachii、(B)A. fumigatusを形質転換した。
選択培地として、0.1 μg/ml PT、0.8 M NaClを含むCD最少培地を用いた。
生成した形質転換体を採取し、0.1 μg/ml PT、1%デキストリン、50 μg/ml X-gluc、0.3% Triton Xを含むCD最少培地(発現培地)に移し、5~15日間培養後、GUSタンパク発現による青色呈色の有無を観察した。 【結果】
A. kawachii、A. fumigatusの両方で形質転換体が得られ、発現培地上でGUS発現由来の青色呈色が確認された(図1)。

 

プラスミド(-)

選択培地

発現培地

(A)

(B)


図1 形質転換体の選択とGUSタンパク発現
(A)A. kawachii;(B)A. fumigatus

【参考文献】
 1)Kubodera, T.et al.(2000)Biosci. Biotechnol. Biochem.,64(7), 1416-1421.
 2)Kubodera, T.et al.Biosci. Biotechnol. Biochem.(submitted)
 3)BIO VIEW(2000)33, p22-23.
 4)Hata, Y.et al.(1992)Curr. Genet.,22(2), 85-91.

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