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PrimeSTAR® HS DNA Polymerase

PCR反応阻害物質(SDS、腐植酸)の存在下における他酵素との活性の比較

SDSや腐植酸のコンタミネーションが疑われるDNAサンプルを鋳型としてPCRを行う際にも、PrimeSTAR HS DNA Polymeraseは非常に有効である。

(1)SDS存在下での酵素活性

SDSを含むサンプルを鋳型としてPCRを実施することがある。PrimeSTAR HS DNA PolymeraseはSDSによるPCR反応の阻害を受けにくい傾向があるので、このような系にも安心して使用することができる。
PCR酵素として、PrimeSTAR HS DNA PolymeraseおよびTaq DNA Polymerase(rTaq)を用いて、SDSをPCR反応液中に加え、PCR反応の阻害を検討した。反応系はE. coli ゲノムDNAを鋳型として、1.5 kbpを増幅するモデル反応系である。
rTaqでは、反応系のSDS終濃度が0.005%の場合、完全に反応が阻害された。一方、PrimeSTAR HS DNA Polymeraseでは、反応系のSDS終濃度が0.01%の場合でも増幅が可能であった。



 図 SDS存在下でのPCR

 レーンM:λ-Hind III digest
     1:鋳型およびSDSの添加なし
     2:SDS終濃度0.01%
     3:SDS終濃度0.005%
     4:SDS終濃度0.002%
     5:SDS終濃度0.001%
     6:SDSの添加なし
(2)腐植酸存在下での酵素活性

最近の研究では、土壌などの環境サンプルから直接DNAを抽出して解析する手法がさかんに行われている。このようなDNAサンプルからPCRを行う場合、腐植酸のコンタミネーションに注意しなければならない。腐植酸は、腐植土のアルカリ可溶、酸不溶画分であり、土壌のほか海底堆積物などに含まれる赤褐色ないし黒褐色の有機物画分である。腐植酸は、微量でも強くPCR反応を阻害する。PrimeSTAR HS DNA Polymeraseは腐植酸の存在下でも酵素活性を示すので、検出可能なサンプルの範囲が広がる。粗抽出した腐植酸液(土壌抽出液)*を希釈したものをPCR反応液中に加え、PCR酵素として、PrimeSTAR HS DNA PolymeraseおよびrTaqを用いて、PCR反応の阻害を検討した。反応系はE. coli ゲノムDNAを鋳型として、1.5 kbpを増幅するモデル反応系である。
rTaqでは腐植酸0.01 μl相当を添加した場合でも、強く反応が阻害された。一方、PrimeSTAR HS DNA Polymeraseでは、0.01 μl相当を添加した場合には無添加の場合と同様に増幅が可能であった。このようにSDSや腐植酸のコンタミネーションが疑われるDNAサンプルを鋳型としてPCRを行う際にも、PrimeSTAR HS DNA Polymeraseは非常に有効である。


*:腐植酸は標準となる試薬がないので、土壌よりアルカリで溶出し、酸で沈殿させたものをアルカリに再度溶解したものを腐植酸液とした。この原液はA280=10、A700=0である。

 図 腐植酸存在下でのPCR

 レーンM:λ-Hind III digest
     1:鋳型および腐植酸液 添加なし
     2:腐植酸液0.1 μl相当を添加
     3:腐植酸液0.01 μl相当を添加
     4:腐植酸液0.001 μl相当を添加
     5:腐植酸液0.0001 μl相当を添加
     6:腐植酸液 添加なし
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