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MLH1遺伝子上流領域のヌクレオソーム存在位置の解析と発現抑制の解析

EpiScope Nucleosome Preparation Kit(製品コード 5333)
2種類のヒト由来細胞株を用いてMLH1遺伝子上流域のヌクレオソーム局在化と同遺伝子の発現を解析することで、遺伝子上流域におけるヌクレオソームの局在化が遺伝子発現に及ぼす影響を解析した。
[方法]
HeLa細胞およびSW48細胞から、EpiScope Nucleosome Preparation Kitを用いてヌクレオソームを調製後、NucleoSpin Gel and PCR Clean-upを用いてDNAを回収した(50 μlで溶出;ヌクレオソームDNA)。次に、得られたヌクレオソームDNAを鋳型に、TB Green Premix Ex Taq GC (Perfect Real Time)とThermal Cycler Dice Real Time System II を使用してリアルタイムPCRを行い、MLH1上流領域のヌクレオソーム存在位置を解析した。解析に用いたリアルタイムPCR用プライマーは、MLH1遺伝子上流域をTiling状(図1、領域a~f)に検出するように設計した。

図1. MLH1遺伝子上流域のゲノムマップ

また、HeLaおよびSW48細胞におけるMLH1遺伝子のmRNA発現量は、NucleoSpin RNAを用いて抽出・精製したtotal RNAから、PrimeScript RT reagent Kit (Perfect Real Time) (製品コード RR037A)によりcDNAを合成後、TB Green Premix Ex Taq II (Perfect Real Time) (製品コード RR820Aの旧バージョン)によるリアルタイムPCRで解析した。また、発現解析に利用したリアルタイムPCR用プライマーは、Perfect Real Timeサポートシステムにより設計・合成したものを利用した。
[結果]
EpiScope Nucleosome Preparation Kitで調製したヌクレオソームDNA中に含まれるゲノムDNA領域a~fの相対量を、超音波処理により断片化した精製ゲノムDNA中の各値をコントロール(Relative Quantity=1)として表した(図2.)。各ゲノムDNA量は、キットに添付のLINE-1 qPCR Primerにより得られた値で補正した。この結果、ヌクレオソームDNA中に含まれるゲノムDNA領域a~fの相対量は、SW48細胞では高く、HeLa細胞では低くなった。
これらの結果から、SW48細胞ではMLH1遺伝子上流領域にヌクレオソームが密集し(ヘテロクロマチン)、一方、HeLa細胞ではこの領域にヌクレオソームは散在的に存在している(ユークロマチン)ことが示唆された。


図2. ヌクレオソーム存在位置の解析結果

一方、SW48細胞におけるMLH1遺伝子mRNA発現量を、HeLa細胞におけるmRNA発現量の相対値として表したところ(図3)、HeLa細胞でMLH1遺伝子mRNA発現量が高く、SW48細胞で低いことが確認された。
以上の結果より、MLH1遺伝子mRNA発現は、MLH1遺伝子上流領域におけるヌクレオソーム局在化が一因となり調節されていることが示唆された。


図3. MLH1 mRNA発現解析
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