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DNA SMART™ ChIP-Seq Kit

DNA SMART ChIP-Seq Kitと従来型ライブラリー調製キット(アダプターライゲーション法)の比較

本データは、東京大学大学院 新領域創成科学研究科(鈴木研究室)関 真秀様からご提供いただきました。

【背景】
クロマチン免疫沈降(ChIP:Chromatin Immunoprecipitation)は転写因子や修飾ヒストンなどに対する抗体で、目的因子が結合するDNAを精製する手法である。使用する抗体の力価や目的因子の発現量によっては、ChIP後のDNA収量が少ない場合があり、安定的に実験を行うには、107細胞程度必要になる。そのため、微量ChIP DNAからシーケンス用ライブラリーを調製する技術は非常に重要である。

従来型ライブラリー調製キットは各反応ごとに精製工程が入りサンプルロスが多くなる。また、ライゲーション効率の限界により、微量ChIP DNAからの増幅が困難である。
一方、DNA SMART ChIP-Seq Kitは1本鎖ChIP DNAからもライブラリー調製可能で、PCRによるアダプター付加のため、効率良くアダプターを付加することができる。1チューブでの反応(PCR増幅まで)のため、サンプルロスが少なく、微量ChIP DNAからライブラリー調製が可能である。

≪DNA SMART ChIP-Seq Kit ワークフロー≫
DNA SMART ChIP-Seq Kit ワークフロー
【実験条件】
細胞:マウスES細胞(2i+LIF)1×107細胞
抗体:H3K4me3 転写活性化のクロマチンマーカー

ライブラリー調製に用いたChIP DNA量とPCRサイクル数
ChIP DNA量 2 ng 1 ng 0.5 ng 0.25 ng 0.1 ng 0.05 ng
DNA SMART ChIP-Seq Kit
13
14
15
16
17
18
従来型ライブラリー調製キット
18
18
18
18
18
18
従来型ライブラリー調製キットではPCR前のサイズセレクションを省略

シーケンス条件:HiSeq2500、36 bpシングルリード
マッピング:ELAND(イルミナ)

【ライブラリーの評価】
 1.従来型ライブラリー調製キット
従来型ライブラリー調製キット

 2.DNA SMART ChIP-Seq Kit
DNA SMART ChIP-Seq Kit

従来型ライブラリー調製キットではライゲーション効率の問題のためか、ChIP DNA 0.1 ngからはライブラリーが増幅されなかったが、DNA SMART ChIP-Seq Kitでは0.1 ng、0.05 ng(データ示さず)からでもライブラリー調製が可能であった。

【マッピング結果】
  ChIP DNA量 総タグ数 マップしたタグ数 Duplicateを除いたタグ数 マップ率 duplicate率
従来型ライブラリー調製キット
2 ng
55,782,532
37,636,338
21,871,422
39%
42%
1 ng
39,327,069
27,868,198
17,375,927
44%
38%
0.5 ng
43,413,374
30,107,821
15,687,718
36%
48%
0.25 ng
39,131,869
27,661,853
8,315,608
21%
70%
2 ng(Input)
17,428,658
6,858,376
5,310,678
30%
23%
DNA SMART ChIP-Seq Kit
2 ng
7,009,579
5,909,563
4,775,122
68%
19%
1 ng
9,925,528
7,822,507
5,473,749
55%
30%
0.5 ng
6,587,626
5,119,110
3,556,167
54%
31%
0.25 ng
14,238,610
12,287,900
5,155,865
36%
58%
0.1 ng
10,599,087
9,154,739
2,835,101
27%
69%
0.05 ng
12,613,519
10,829,136
1,664,087
13%
85%
2 ng(Input)
14,022,479
8,702,505
8,310,708
59%
5%
従来型ライブラリー調製キットのマップ率はクラスター密度が悪いため通常よりもマップ率が低め
従来型ライブラリー調製キット(2 ng ChIP DNA)を用いた場合、経験上60~80%のマップ率になり、DNA SMART ChIP-Seq Kit(2 ng ChIP DNA)を用いた場合も同程度のマップ率となった。また、DNA SMART ChIP-Seq Kitの方が全体的にduplicateの割合が少なかった。


【従来型ライブラリー調製キットとの検出ピーク数の比較とその重複率】
ChIP DNA量 従来型キット DNA SMART ChIP-Seq Kit
2 ng
2 ng
1 ng
0.5 ng
0.25 ng
0.1 ng
0.05 ng
検出ピーク数
14,508
18,534
15,943
15,711
15,695
15,569
15,669
重複ピーク数
-
12,067
12,464
12,280
11,647
11,699
11,985
重複率
-
83%
86%
85%
80%
81%
83%
※)重複ピーク数:1塩基以上オーバーラップ
従来型ライブラリー調製キット(2 ng ChIP DNA)で検出されたピークの80%以上がDNA SMART ChIP-Seq Kitで検出できた。検出ピーク数はDNA SMART ChIP-Seq Kitの方が多く、より微量ChIP DNAからでも解析可能であることが示された。
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