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Capturem™ Trypsin、Capturem™ Pepsin

ユーザー様実施例:Capturem Trypsinを用いた目的タンパク質の迅速消化と標的ペプチドの解析

データご提供:名古屋大学大学院 生命農学研究科 分化情報制御研究室 森 仁志教授

名古屋大学大学院 生命農学研究科 分化情報制御研究室 森 仁志教授から、Capturem Trypsin(製品コード 635722)を用いた実施例をご提供いただきました。また、森教授のご研究内容や植物タンパク質に関するお話を伺いしましたのでご一読ください。

<先生のご研究内容>

森教授の研究室は、植物ホルモン生合成に関する酵素や、ホルモン処理によって誘導されるタンパク質の制御機構等について研究されています。植物由来タンパク質の解析に適する特異抗体は市販されていないため、自前で特異抗体を調製するしか方法はなかったが、LC/MS装置を用いて検出、定量解析ができるようになりました。その解析のために、目的タンパク質を含む様々な組織の複雑な抽出タンパク質をTrypsinなどのプロテアーゼで消化する必要がでてきました。植物由来サンプルには核酸を初め、多糖類が多く含まれTrypsin消化処理をする前に、SDSや尿素、phenolなどの変性剤を用いてタンパク質を調製することが効率的なタンパク質消化に重要のようです。

<実施例>

  • 実験の背景
    今回、先生からご提供いただいたデータは、Capturam Trypsinを用いたタンパク質の消化効率の評価試験です。Capturem Trypsinの取扱説明書には、使用するタンパク質の推奨使用量の上限を80 μg(抗体の場合は20 μg)に設定していますが、先生の研究室では、組織から抽出した数100 μg程度の混合タンパク質から目的のタンパク質の検出や発現量の変動、定量などの解析に使用しています。その目的のためにCapturam Trypsinの上限が80 μgでは物足りないとのことで本実施例では、100~1,000 μgのタンパク質を使って性能評価をしています。
  • 実験プロトコール
    下図は、市販のBSAとmyoglobinを使ったトリプシン消化実験の操作手順です。目的タンパク質を可溶化するために8M尿素を使用しています。プロトコールには記載していませんが、尿素に加え、市販のタンパク質可溶化剤(MおよびRと記載)についてもCapturem Trypsinの性能評価を実施しています。
    実験プロトコール
  • 実験結果
    下表より、8M尿素で可溶化した目的タンパク質(100~1,000 μg)をCapturem Trypsinで処理することにより、標的ペプチドを高効率に検出できました。また、市販の可溶化促進剤を用いた実験においても、Capturem Trypsinで髙い検出効率を示しました。
    Capturem Trypsinカラムに
    にアプライしたタンパク質量
    BSA(μg)myoglobin(μg)
    1002005001,0001002005001,000
    タンパク質可溶化剤ConditionCapturem Trypsin消化後の標的ペプチドの回収率(%)
    8M UreaConfidence 10%<100100100100100100100100
    Confidence 50%<87.183.586.693.510010096.1100
    Confidence 95%<85.48182.787.710090.996.192.2
    可溶化促進剤MConfidence 10%<99.8   100   
    Confidence 50%<83.5   90.2   
    Confidence 95%<82.2   90.2   
    可溶化促進剤RConfidence 10%<99.5   100   
    Confidence 50%<90.9   96.1   
    Confidence 95%<87   96.1   
  • 先生からのコメント
    タカラバイオのCapturem Trypsinを使う前は、他Trypsin試薬により50℃、1時間の反応で目的タンパク質を消化、標的ペプチドを解析していた。Capturem Trypsinのことを初めて知ったのは、タカラバイオから定期的に受信する会員メールだった。「Trypsin消化が遠心2分で完了!」の宣伝文句には半信半疑だったが、実際に使用して、確かに2分でトリプシン消化できることに大変驚いた。今後も、“迅速さ”と“簡便さ”を兼ね備えたCapturem Trypsinを使用する予定である。また、Capturem Trypsinを使う場合は、市販の可溶化促進剤も有効であったが、処理する時間を考えると8M尿素で可溶化した方が簡便であった。
    なお、本実施例には詳しくは記載していないが、ペプシン消化用のCapturem Pepsin(製品コード 635728)についても、BSAとmyogloblinを使った評価をした(各100 μg)。こちらも標的ペプチドの回収率が>95%の信頼度でそれぞれ69.3%と70.5%であり、非常に満足の行く結果を得ている。
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