より効率的に分泌発現実験が可能

ブレビバチルス分泌発現システム(BIC法)

  • BIC法(Brevibacillus In vivo Cloning法)を採用した高効率分泌発現システム
  • PCR断片をベクターDNAと混合し、形質転換するだけで、発現プラスミドが構築可能
  • 4種類の分泌シグナル配列を組み込んだ発現ベクターpBIC1~pBIC4により最適な分泌発現プラスミドをスクリーニング可能
メーカー
略称
製品コード TaKaRa
Code
製品名 容量 価格(税別) 特記事項 説明書
データシート
ベクター情報
参考
資料
HIG HB300 HB300 BIC System
  • 遺伝子組換
  • ライセンス
1 Kit ¥100,000
説明書・データシート・ベクター情報
HIG HB310 HB310 pBIC DNA Set
  • ライセンス
1 Set ¥80,000
説明書・データシート・ベクター情報
HIG HB116 HB116 Brevibacillus Competent Cells
  • 遺伝子組換
  • ライセンス
100 μl×10 ¥30,000
説明書・データシート・ベクター情報

製品説明

Brevibacillus(ブレビバチルス、Bacillus brevis)発現システムは高効率分泌発現を特長とするタンパク質生産能に優れたシステムである。本菌はグラム陽性の細菌で、タンパク質を大量に分泌生産する特長を有している1、2)。この特長を生かし、これまでに多数の異種タンパク質生産に成功してきた。本システムには以下に示すような特長があり、特に分泌タンパク質の生産において能力を発揮する。
  • 大量のタンパク質を菌体外に分泌生産する。
  • 遺伝子操作、培養生産など、取り扱いがとても簡単
  • プロテアーゼ活性をほとんど示さない。
  • 活性型のタンパク質を生産する。
  • 安全な宿主(GILSP自動化リストに掲載)
本システムによるタンパク質生産実績の一部を表1に示した。酵素、抗原、サイトカインなどの高発現を達成しており、これらには全て活性があることを確認している。また、バクテリア、古細菌、真核生物由来のタンパク質生産実績もあり、遺伝子の由来にかかわらず、高い実績を有している。特に、真核生物由来の分泌タンパク質は通常分子内にS-S結合を介した構造を有しており、原核生物の発現系では一般に生産が難しいとされている。本宿主においては、分泌生産という特長から、S-S結合を有するタンパク質でも効率的に生産できることが確認されている。

また、本宿主は形質転換効率が高いため、クローニングを簡単に行うことができる。本システムで採用しているBIC法(Brevibacillus In vivo Cloning法)は、非常に簡便な手法であり、PCR断片をベクターDNAと混合して形質転換するだけで発現プラスミドが構築できる。
培養生産も簡単である。目的タンパク質の培養生産には性質の異なる2種類の培地を選択することができる。分泌発現の場合、プラスミドを導入した発現用宿主を培地に植菌し振とう培養するだけで、培養上清に目的タンパク質が分泌される。遠心分離により菌体を除去することで清澄なタンパク質溶液を得られ、後の精製工程も簡便に行うことができる。
BIC法の実験操作動画はこちら

表1. B. choshinensis  宿主―ベクター系による異種タンパク質の発現例
タンパク質起源発現量(g/L)文献
Enzymes
α - アミラーゼB. licheniformis3.7
SphingomyelinaseB. cereus3.0
キシラナーゼB. halodurans0.2
CGTaseB. macerans5.0
キトサナーゼB. circulans1.4
超耐熱性プロテアーゼA. pernix0.1
超耐熱性ヌクレアーゼP. horikoshii0.7
PDIヒト1.04)
抗原
表層抗原E. rhusiopathiae0.9
表層抗原T. pallidum0.8
抗体
VHH(抗NDOM)ラマ3.0
scFv(抗fluorescein)マウス0.2
Fab(抗erbB)マウス0.4
サイトカイン
EGFヒト7.0
NGFマウス0.2
IFN-γニワトリ0.56)
TNF-αウシ0.4
GM-CSFウシ0.2
GHヒラメ0.2

BIC法の原理

目的タンパク質をコードする遺伝子の両端に、pBIC1 DNAなどの直鎖状発現ベクターの両末端と相同な15塩基対の配列を付加したDNAをベクターと混合してコンピテントセルに導入すると、菌体内で相同配列同士で組換え反応が起こり、発現プラスミドが形成される。なお、組換え反応は、直鎖状ベクターの末端より上流位置でも起こるので、同一ベクターを用いて、分泌シグナルより上流位置またはHis・Tag配列より上流位置と相同な15塩基対の配列を付加したPCR産物と直鎖状ベクターを混合することにより、分泌シグナルを含まない菌体内発現用プラスミドまたはHis・Tag配列を除いた直接分泌発現用プラスミドの構築も可能である。

図1. BIC法の原理

発現ベクターについて

<発現様式>

ブレビバチルスを用いて目的タンパク質を発現させる場合、タンパク質の性質に応じて、分泌発現と菌体内発現を選択する必要がある。目的タンパク質が分泌性である場合には特に本システムは有効で、分泌発現を選択することを推奨する。この場合、目的遺伝子は分泌シグナル配列の下流に連結させることになる。一方、一般的に細胞内にあって細胞内で機能するタンパク質を効率的に生産させる場合は菌体内発現を選択する。大腸菌で不溶化してしまうタンパク質でもブレビバチルスを用いることで可溶性高生産に成功した例がある。

<pBIC DNAのベクターマップ>


図2. pBlC DNAのマップ
pBIC DNAを用いて、以下の3通りの発現用プラスミドが構築できる。
(1)分泌発現(His・Tag 融合発現)
N末端にAD+6×His+DDDDK(Enterokinase の認識配列)を付けた形で分泌させる(Ni-chelate カラムによる目的タンパク質の精製が可能*1)。遺伝子を導入する際は、Enterokinase認識配列を用いた相同組換え・遺伝子導入を行う。
(2)分泌発現(直接分泌発現)
分泌シグナルの下流に目的遺伝子を導入する。遺伝子を導入する際は、分泌シグナル切断部位から上流15 bpを用いた相同組換え・遺伝子導入を行う。
(3)菌体内発現
翻訳開始点ATGの下流に遺伝子を導入する。ATGから上流15 bpを用いた相同組換え・遺伝子導入を行う。
*12SY培地で培養したサンプルを直接Ni-chelateカラムにアプライするとNiが担体から脱落する場合がありますのでご注意ください。
この場合はサンプルを透析後、カラムにアプライすると問題なく精製できる。なお、Ni Sepharose Fast Flow(GE ヘルスケア)を用いた場合は、サンプルの透析なしでも精製が可能である。

<分泌シグナル>

分泌シグナルはタンパク質の分泌効率に大きな影響を及ぼす要素である。どのようなタンパク質でも最大効率で分泌できる万能な分泌シグナルは見出されていないため、目的タンパク質に適した分泌シグナルを選ぶ必要がある。本システムには、B. choshinensisにおいて極めて高い分泌性を示すタンパク質に由来する4種類の分泌シグナル配列を組み込んだ発現ベクターpBIC1~pBIC4を含んでいる。目的タンパク質遺伝子をこれらのベクターに組み込んで生産性を比較することにより、最適な分泌発現プラスミドをスクリーニングすることが可能である。
実験例はこちら

内容

Brevibacillus Expression System - BIC System -(製品コード HB300)
  • pBIC DNA Set(製品コード HB310)
    直鎖状発現ベクターDNA
     ・pBIC1 DNA 5 μg(100 ng/μl)
     ・pBIC2 DNA 5 μg(100 ng/μl)
     ・pBIC3 DNA 5 μg(100 ng/μl)
     ・pBIC4 DNA 5 μg(100 ng/μl)
    コントロール(インサートDNA)
      BLA 1 μg(80 ng/μl)
  • コンピテントセル
    Brevibacillus Competent Cells(製品コード HB116)
      ・Brevibacillus Competent Cells(100 μl×10)
      ・MT medium(1 ml×10)
      ・Solution A(1 ml)
      ・Solution B(1 ml×2)

保存

・pBlC DNA Set:-20℃
・コンピテントセル
   Brevibacillus Competent Cells:-80℃
  その他のコンポーネント:-80℃

DNAシーケンスデータ

実験例:pBICベクターDNAを用いたヒトPDI(protein disulfide isomerase)の分泌発現

 

BIC法 実験操作動画

本動画は、ヒゲタ醤油株式会社により作成されたものです。

参考文献

 

使用上の注意

本製品のうち、Brevibacillus choshinensis HPD31-SP3には、Saccharomyces cerevisiae由来2 μmプラスミドDNAの部分配列が含まれます(製品コード HB300、HB200、HB116)。これらは、「遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律」で規定する遺伝子組換え生物等に該当します。また、「研究開発等に係る遺伝子組換え生物等の第二種使用等に当たって執るべき拡散防止措置を定める省令」(平成16年文科省・環境省令第1号)における実験分類ではクラス1に分類されます。ご使用の際は、上記の省令および貴組織内の安全委員会の指示に従い拡散防止措置を行ってください。

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ライセンス同意書

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