製品説明
CHOgro Expression Systemは、浮遊培養CHO細胞を用いたタンパク質の一過性発現に最適化されたシステムである。
トランスフェクション試薬、浮遊CHO細胞培養用培地、培地添加剤を含むオールインワンであり、本システムの使用により条件検討不要で高いタンパク質生産を実現する。
浮遊CHO細胞の培養を高密度で行えるシステムであるため、低コストで効率良くタンパク質生産が可能である。
本製品に含まれるすべてのコンポーネントは動物由来成分を含んでいない。
※各コンポーネントは単品でもご購入いただけます。
- ■高密度で細胞培養が可能

図1. 浮遊CHO細胞培養における細胞密度と生存率の経過
浮遊CHO細胞(FreeStyle CHO-S cells)を、CHOgro Expression Medium (赤) またはFreeStyle CHO Expression Medium (青) いずれかの培地120 ml(125 mlフラスコ3個使用)で培養した。播種時の細胞密度は0.5×106 cells/mlとし、以降24時間ごとに細胞数と生存数を計測した。
CHOgro Expression Medium使用の場合は、高い生存率を維持したまま、より高密度での細胞培養が可能であった。
- ■高密度培養によりタンパク質生産量が高い

図2. 細胞密度とタンパク質生産量の関係(他社システムとの比較)
本システムに含まれるTransIT-PROまたは FreeStyle MAXを使用して、浮遊CHO細胞(FreeStyle CHO-S cells)にトランスフェクションを行い、Human IgG1を一過性に発現させた。
トランスフェクションにおける、試薬とDNAの割合は以下の通りで、方法は各試薬のプロトコールに従った。
TransIT-PRO(試薬:DNA=1:1) FreeStyle MAX (試薬:DNA=1.25:1.25)
細胞培養では、培地は本システムに含まれるCHOgro Expression Medium (赤) またはFreeStyle CHO Expression Medium (青)を使用し、6-well plates(2 ml/well)細胞を播種して行った。
その結果、トランスフェクション試薬・培地とも本システム使用の場合に最も高収量で目的タンパク質が得られた。
- ■トランスフェクション後に細胞が凝集しにくい

図3. トランスフェクション後6日目の培養フラスコの様子(他社システムとの比較)
浮遊CHO細胞(FreeStyle CHO-S cells)を、CHOgro Expression Medium またはFreeStyle CHO Expression Mediumいずれかの培地20 ml(125 mlフラスコ使用)にて培養した。TransIT-PROまたは FreeStyle MAXを使用して、浮遊CHO細胞(FreeStyle CHO-S cells)にトランスフェクションを行い、Human IgG1 を一過性に発現させた。
トランスフェクションにおける、試薬とDNAの割合は以下の通りで、方法は各試薬のプロトコールに従った。
TransIT-PRO(試薬:DNA=1:1) FreeStyle MAX (試薬:DNA=1.25:1.25)
写真はトランスフェクション後6日目の培養フラスコの底面の様子を示す。
■低温・長時間培養による力価の向上効果
図4.トランスフェクション後4、7、11日の各温度におけるヒトIgG発現量
ヒトIgG遺伝子をTransIT-PROを用いて一過性にトランスフェクションした(TransIT-PRO:DNA=1:1)。20 mlのCHOgro Expression Mediumに、FreeStyle CHO-Sの細胞密度が2×106 cells/mlとなるように調製し、1 mlあたり1 μgのプラスミドDNAをトランスフェクションした(Thomson社 125 ml振盪用フラスコ)。4、7、11日後の培養上清中のヒトIgG抗体発現量をELISAキット(ZeptoMetrix社)を用いて測定した。すべてのフラスコはトランスフェクション24時間後まで37℃で培養し、その後、低温条件は32℃に変更して培養した(Error bars=n3)。
■CHOgro Expression Systemは広範なスケールでの培養が可能
2.5ml
N/T 6-well
25 ml
125 ml
100 ml
250 ml
500 ml
1.6 L
2,500 ml
5 L
図5.各種培養スケールにおける力価
ヒトIgG遺伝子をTransIT-PROを用いて一過性にトランスフェクションした(TransIT-PRO:DNA=1:1、培養液1 mlあたり1 μgのプラスミドDNAを使用)。FreeStyle CHO-Sの細胞密度は2×106 cells/mlとなるようにCHOgro Expression Mediumをもちいて調製し、オービタルシェーカーにて振盪した(各種条件を上記に示す)。トランスフェクション24時間後にすべての培養を32℃へ移した。7日後の培養上清中のヒトIgG抗体発現量をELISAキット(ZeptoMetrix社)を用いて測定した。解析値は25 mlにて培養した値を100%として標準化した(Error bars=n3)。
Culture Volume |
2.5 ml |
25 ml |
100 ml |
500 ml |
2,500 ml |
Vessele |
non-tissue culture treated 6-well dish |
125 ml Thomson flask |
250 ml Thomson flask |
1.6 L Thomson flask |
5 L Thomson flask |
内容
CHOgro Expression System(製品コード MIR6260)
・CHOgro Expression Medium(製品コード MIR6200) | 1 L×2 |
・CHOgro Complex Formation Solution(製品コード MIR6210) | 100 ml |
・Poloxamer 188 Solution(製品コード MIR6230) | 100 ml |
・L-Glutamine(製品コード MIR6240) | 100 ml |
・TransIT-PRO Transfection Reagent(製品コード MIR5740) | 1 ml |
保存
CHOgro Expression Medium:4℃ ※遮光してください。
CHOgro Complex Formation Solution:4℃ ※遮光してください。
L-Glutamine Solution, 200 mM:-20℃ ※凍結融解の繰り返しは避けてください。
Poloxamer 188 Solution, 10%:室温
TransIT-PRO Transfection Reagent:-20℃
用途
浮遊CHO細胞培養によるタンパク質発現・大量生産
トランスフェクション試薬選択 オンラインツール
◆選択ガイド
◆検索ツール
“Reagent Agent”は、Mirus社が提供するトランスフェクション試薬の検索ツールです。
細胞と導入する核酸の種類から、推奨されるトランスフェクション試薬を検索することができます。
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