SMART法を用いたシングルセルRNA-seqライブラリー構築と、ICELL8システムの細胞分離と細胞選択能力を組み合わせることで、最大8種類のサンプルからのシングルセルの遺伝子差発現解析のためのIlluminaシーケンスライブラリーの調製が可能です。
細胞サンプルの染色および希釈後、ICELL8システムを用いて細胞をICELL8 3' DE Chipに分注します。ICELL8 3' DE Chipは4センチ四方に5,184個のナノウェルを搭載しており、各ナノウェルにウェル標識バーコードを付加したoligo dT primerを含んでいます。細胞の分注後、付属の専用ソフトウエアCellSelect Softwareを使用し、イメージングにて生存しているシングルセルを含むウェルを選択します。解析を行う細胞を選択後、対象となるウェルにRT-PCR試薬を分注し、一回のランでcDNA合成および増幅の両方をチップ内で行います。RT-PCR後、cDNA産物をプール、精製し、transposaseに基づく方法でmRNA 3'末端のcDNAを濃縮した後、イルミナインデックス配列を組み込んだPCR増幅を行いシーケンス用ライブラリーの調製を行います。
作製されたライブラリー由来のシーケンスデータは、ナノウェル特異的バーコード配列を用いて個々の細胞にトレースされ、mRNA 3'末端カウンティングによる遺伝子差発現分析を行うことが可能です。1,200~1,500個の細胞から高品質で3'末端に焦点を絞ったシーケンスデータを取得することにより、シングルセルの効率的で低コストなハイスループットな遺伝子差発現分析を行うことが可能です。
3' DE発現解析にUMIを使用する場合とUMIを使用しない場合で必要試薬が異なります。詳細は表1をご覧ください。
表1. 3' DE発現解析にUMIを使用する場合とUMIを使用しない場合の製品選択について
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UMIを使用しない場合 |
UMIを使用する場合 |
製品名 |
ICELL8 Chip and Reagent 3' DE Kit |
必要試薬をまとめたキット製品はご用意していません。以下試薬を個別にご購入ください。 |
製品コード |
640164、640165、640166 |
- |
構成品 |
・ICELL8 3' DE Chip(640143) |
・ICELL8 3' DE Chip(640143) |
・ICELL8 Collection Kit(640048) |
・ICELL8 Collection Kit(640048) |
・ICELL8 Loading Kit(640109) |
・ICELL8 Loading Kit(640109) |
・ICELL8 3' DE Reagent Kit(640167)(逆転写酵素を含む) |
・ICELL8 3' DE for UMI Reagent Kit(640005)(逆転写試薬は含まれません) |
プロトコール |
1 Step RT-PCR |
2 Step RT-PCR |
細胞溶解 |
凍結融解 (-80℃, 30 min)とTriton |
凍結融解 (-80℃, 30 min) |
なお、血球系サンプルにはICELL8 Chip and Reagent 3' DE Kitのご使用をお勧めします。
MSND 384-well Source Plate and Sealsは細胞懸濁液の分注に用いるソースプレートとシールのセットです。表1の必要試薬に加えてご購入ください。
細胞調製の条件検討で分注テストを行う際には、各ウェルにpreprinted oligo(dT)プライマーが付加されていない
Blank Chipをご利用ください。