本製品は、核初期化因子(
OCT3/4、
KLF4、
SOX2、
L-MYC、
LIN28)とp53機能阻害因子(mouse p53DD:ドミナントネガティブ変異を導入したマウスp53)、エピソームの複製にかかわるEpstein-Barr Virus(EBV)由来の
EBNA-1をコードする核酸とOriPなどを搭載した複数のエピソーマルベクターの混合物である。染色体外で安定的に自立複製し、かつ短時間で速やかに細胞から脱落する早期自己消失型ベクターであり、従来のレトロウイルスベクターやレンチウイルスベクターを用いたiPS細胞誘導における染色体への挿入リスクや、ウイルスベクター使用による作業者に対する安全性の問題を克服している。
本製品をヒト末梢血単核球やヒト線維芽細胞に遺伝子導入することにより、高効率にヒトiPS細胞を誘導することが出来る。
搭載遺伝子
遺伝子名 | GenBank Accession No. |
OCT3/4 | NM_002701 |
KLF4 | NM_004235 |
SOX2 | NM_003106 |
L-MYC | NM_001033081 |
LIN28 | NM_024674 |
mouse p53DD | NM_011640 |
器具・装置
・CO2インキュベーター | ・クリーンベンチ | ・恒温水槽 |
・細胞観察用顕微鏡 | ・超低温フリーザー(-80℃) |
・電動ピペッター | ・プラスチックピペット |
・ピペットマン | ・フィルター付滅菌済みチップ |
・細胞培養用容器(6 well tissue culture plate、100 mm tissue culture plate) |
・Nucleofector II Device(Lonza社) |
・DynaMag-2 Magnet(Life Technologies) |
試薬類
各プロトコール共通試薬
・0.1%ゼラチン水溶液
・Feeder細胞(マイトマイシンC 処理を行ったMEF、SNL細胞、STO細胞など)
・DMEM(Dulbecco's modified eagle medium)
・FBS(Fetal Bovine Serum)
・Penicillin/Streptomycin
・0.25% Trypsin/1 mM EDTA solution
・ヒトiPS細胞用培地
霊長類ES/iPS細胞用培地 Primate ES Cell Medium(Repro CELL、Cat. RCHEMD001)など
・Basic Fibroblast Growth Factor(bFGF)
[ヒト末梢血単核球(PBMC:Peripheral Blood Mononuclear Cells)からのiPS細胞樹立の場合]
幹細胞/前駆細胞を標的としたiPS細胞樹立の場合
・StemSpan H3000(STEMCELL Technologies 社、Cat. ST-09800)
・PBS(Phosphate Buffered Saline)
・BSA(Bovine Serum Albumin)
・IL-3(Interleukin 3)
・IL-6(Interleukin 6)
・Fit3 ligand(Fms-related tyrosine kinase 3 ligand)
・SCF(Stem Cell Factor)
・TPO(Thrombopoietin)
・Human CD34+ Cell Nucleofector Kit(Lonza社、Cat. VAPA-1003)
T細胞を標的としたiPS細胞樹立の場合
・X-VIVO 15(Lonza社、Cat. 04-418Q)
・IL-2(Interleukin 2)
・Dynabeads Human T-Activator CD3/CD28(Life Technologies、Cat. DB11131)
・Human T cell Nucleofector Kit(Lonza社、Cat. VAPA-1002)
[ヒト線維芽細胞(Fibroblasts)からのiPS細胞樹立の場合]
注意: ヒト細胞を使用するので、施設での取扱いルールに従い、作業者の安全を考慮した上で実験を行ってください。