NucleoSpin RNA Plusは、迅速に効率良くゲノムDNAを除去できるNucleoSpin gDNA Removal Columnを採用した新世代のtotal RNA精製キットである。このキットではDNaseによる酵素処理の代わりに、NucleoSpin gDNA Removal Columnによる混入DNA除去を行うため、各種細胞、組織から20分という短時間でDNAを除去されたtotal RNAが精製できる。
試料とする細胞や組織を2-MEやTCEPの添加不要な新規Lysis Bufferを用いて溶解し、NucleoSpin gDNA Removal Columnによりライセートの清澄化とゲノムDNAの除去を行い、NucleoSpin RNA Plus Columnによりtotal RNAの精製を行う。
原理 |
シリカメンブレン法(2カラム) |
形状 |
ミニスピンカラム |
サンプル量 |
培養細胞: ~1×107 cells
バクテリア: ~109 cells
酵母: ~108 cells
動物組織: ~30 mg |
精製サイズ |
>200 bases |
回収量 |
40~60 μg(HeLa細胞、5×106 cells)
80~100 μg(マウス肝臓、20 mg)
40~70 μg(マウス腎臓、20 mg)
30~60 μg(マウス脾臓、5 mg) |
A260/280 |
1.9~2.1 |
A260/230 |
1.8~2.5 |
標準的RIN* |
>9 |
溶出液量 |
30~120 μl |
精製時間 |
20分 |
結合容量 |
200 μg |
* RNA integrity number
図1. gDNA Removal Columnによる効率的なゲノムDNA除去
NucleoSpin RNA Plus(青)と他社製品(赤)を使用して5×10
6個のHeLa細胞、20 mgマウス腎臓からtotal RNAを精製した。精製溶液中の残存ゲノムDNA量をqPCR法により測定した結果、NucleoSpin RNA Plusを用いて得られたRNA溶液ではより高いCt値を示し、より効率良くゲノムDNAが除去されることが示された。