Live/Dead Cell Staining Kit IIは2種類の色素を利用して生細胞と死細胞を染色するキットである。生細胞を染色するカルセイン-AMは、生細胞の細胞膜を透過し、生細胞が持つ細胞内エステラーゼによって加水分解され、細胞膜不透過性の緑色蛍光物質カルセイン(最大蛍光波長:515 nm)を生じる。死細胞を染色するエチジウムホモダイマーIII (EthD-III)は、死細胞の膜損傷部分から透過し、核内のDNAに入り込んで赤色蛍光(620 nm)を発する。
プロピジウムイオダイド(PI)などに比べ、EthD-IIIは安定で明るい蛍光シグナルを発する。カルセインとEthD-IIIはどちらも490 nmで励起されるため、生細胞と死細胞を蛍光顕微鏡で同時に観察することができる。一方、545 nmの励起波長を用いることにより、死細胞のみが観察できる。
本キットには蛍光顕微鏡や蛍光マイクロプレートリーダーで1,000回分、フローサイトメーターで300回分使用できる試薬が含まれている。

図1.Live/Dead Cell Staining Kit IIを用いた生細胞(緑色)と死細胞(赤色)の二重染色

図2.Live/Dead Cell Staining Kit IIのメカニズム
内容
・Calcein AM:4 mM Calcein AM in DMSO
・EthD-III :2 mM EthD-III in DMSO/H
2O 1:4(v/v)
保存
-20℃(密閉、乾燥、遮光保存)
Bacteria Live/Dead Staining Kitは、2種類の核酸染色色素 DMAOとEthD-IIIを用いて細菌の生菌(緑色)と死菌(赤色)を2色に染め分けることができるキットである。DMAOは膜損傷のない生菌と膜損傷のある死菌の両方を染色する緑色蛍光色素であり、EthD-IIIは膜損傷のある死菌のみを染色する赤色蛍光色素である。生菌を緑色に、死菌を赤色に染色できるよう、これら色素は適切に混合されている。本キットはほとんどの種類の細菌の生存率や毒性試験に適しており、また、蛍光顕微鏡でもフローサイトメーターでも使用可能である。
本キットには蛍光顕微鏡で1,000回分、フローサイトメーターで100回分の試薬が含まれている。
内容
・Component A:5 mM DMAO in DMSO
・Component B:2 mM EthD-III in DMSO
保存
-20℃(密閉、乾燥状態)(6ヵ月安定)
(注意)
・DMAOやEthD-IIIは変異原性や毒性に対するデータがないが、核酸に結合する色素であるため、使用の際には注意する。