転写因子STAT3およびNFATc1とDNAの結合活性を研究するためTransFactor Kitsである。この2つの転写因子は、シグナル伝達経路で機能する主要な創薬ターゲットである。複数のサンプルを1回の実験で分析できるので、この経路における阻害または活性化を研究する際の手軽なツールとして利用できる。各キットには迅速かつ高感度なELISAに基づいたアッセイで特定の転写因子を検出するために必要な試薬が用意されており、化学発光法で検出を行う(1)。
複数のサンプルを1回の実験で解析
転写因子STAT3およびNFATc1は重要な生理的および病理的過程を制御するシグナル伝達経路において主要な役割を果たす。STAT3はサイトカインによって活性化されたJAK-STAT経路においてシグナル伝達を行い、細胞の増殖および分化に関して重要な役割を果たす(2)。STAT3が異常に高レベルの場合は、多くの場合、悪性疾患と関連性がある。NFATc1はCa
2+/カルシニュリン経路で作用するが、心筋および骨格筋の発達にだけでなく、炎症反応および免疫反応において中心的役割を果たす(3)。TransFactor STAT3およびNFATc1Kitは、複数のサンプルを同時に解析できることから、この経路の阻害および活性化に関する研究の促進を目的に設計された。異なる細胞株または異なる刺激に対する応答の違いを、核、全細胞または細胞質抽出液を用いて解析できる。
図1. 高感度な酵素免疫測定法により転写因子活性を測定するTransFactor Kit