pBR322、pUC19の完全分解に必要な反応時間

制限酵素は用いる基質DNAによって、その相対活性が異なる。TaKaRa販売制限酵素の中で、pBR322、pUC19を1ヵ所切断する酵素について、同DNA(反応液量10 μl、50 μl)の完全分解に必要な反応時間を求めた。また、Triton X-100(終濃度 0.01%)の添加により、切断性が上昇する酵素については、脚注に記載した。

pBR322

制限酵素 反応液 使用酵素量
(U)
活性測定用
DNA
1 μg DNA/10 μl
(hour)
1 μg DNA/50 μl
(hour)
Aat II T+BSA 5 λ 0.25 0.25
Acc III Basal 10 λ -*1 -*1
Aor13H I K+BSA 10 λ 0.25 0.25
Bal I Basal 5 λ >20*1 >20*1
BamH I K 10 λ 0.25 0.25
BmeT110 I K 10 λ 0.25 0.25
Bst1107 I K 5 λ 0.5 0.5
Cla I M 10 λ 2 2
Dde I K 10 λ 0.25 0.25
Eam1105I Basal 5 λ 0.25 0.25
EcoR I H 10 λ 0.25 0.25
EcoR V H 10 λ 0.25 0.25
EcoT14 I H 10 λ 1 1
Eco52 I Basal 5 λ 3*1 3
Hind III M 10 λ 0.5 0.5
Nde I H 10 λ 0.25 0.25
Nhe I M 10 λ 2*1 2*1
Nru I Basal 10 λ 0.5 0.5
Nsb I T+BSA 5 λ 0.5 0.5
PshA I K 10 λ 0.5 >2*1
PshB I Basal 10 λ 0.25 0.25
Pst I H 10 λ 0.25 0.25
Pvu I K+BSA 10 λ 0.25 0.25
Pvu II M 10 λ 0.25 0.25
Sal I H 10 λ 5 20*1
Sca I H 10 λ 0.25 >2*1
Sph I H 10 λ 0.25 0.25
Ssp I Basal 10 λ 0.25 0.25
Taq I Basal+BSA 10 λ >16 >16
Tth111 I K 10 λ 1 2*1
*1 Acc III 通常のpBR322 DNA中のAcc III 認識配列は、dam methylaseによりメチル化を受けており(TCCGG6mA)、ほとんど切断できない。
Bal I 通常のpBR322 DNA中のBal I認識配列は、dcm methylaseによりメチル化を受けており(TGGC5mCA)、ほとんど切断できない。
Eco52 I Triton X-100(final 0.01%)を添加すると、2時間で完全分解できる。
Nhe I Triton X-100(final 0.01%)を添加すると、両濃度とも1時間で完全分解できる。
PshA I 高DNA濃度の方が、切断性がよい。2時間反応後でも、ごく微量のcc-DNAが残存している。
Sal I 高DNA濃度の方が、切断性がよい。また、Triton X-100(final 0.01%)を添加すると、5時間で完全分解できる。
Sca I 高DNA濃度の方が、切断性がよい。2時間反応後でも、ごく微量のcc-DNAが残存している。
Tth111 I 高DNA濃度の方が、切断性がよい。

pUC19

制限酵素 反応液 使用酵素量
(U)
活性測定用
DNA
1 μg DNA/10ul
(hour)
1 μg DNA/50ul
(hour)
Aat II T+BSA 5 λ 0.25 0.25
Acc I M 10 λ 0.25 0.25
BamH I K 10 λ 0.25 0.25
Ban II H 10 λ 1*2 >2*2
BmeT110 I K 10 λ 0.25 0.25
Cfr10 I Basal 5 λ 0.5 >2*2
Dde I K 10 λ 0.25 0.25
Eam1105I Basal 5 λ 0.25 0.25
EcoO109 I L 10 λ 2*2 2*2
EcoR I H 10 λ 0.25 0.25
Hinc II M 10 λ 0.25 0.25
Hind III M 10 λ 0.5 0.25
Kpn I L 10 λ >5*2 >5*2
Nde I H 10 λ 0.25 0.25
Nsb I T+BSA 5 λ 0.25 0.25
Pst I H 10 λ 0.25 0.25
Sac I L 10 λ 3 3
Sal I H 10 λ 3 >1*2
Sca I H 10 λ 0.25 >2*2
Sma I T+BSA 10 λ 0.25 0.25
Sph I H 10 λ 0.25 0.25
Sse8387 I M+BSA 10 λ 0.5 0.5
Ssp I Basal 10 λ 0.5 0.5
Taq I Basal+BSA 10 λ 0.5 0.25
Xba I M+BSA 10 λ*3 0.25 0.25
*2 Ban II 高DNA濃度の方が、切断性がよい。2時間反応後でも、ごく微量のcc-DNAが残存している。また、Triton X-100(final 0.01%)を添加すると、両濃度共0.25時間で完全分解できる。
Cfr10 I 高DNA濃度の方が、切断性がよい。2時間反応後でも、ごく微量のcc-DNAが残存している。
EcoO109 I Triton X-100(final 0.01%)を添加すると、両濃度共1時間で完全分解できる。
Kpn I Triton X-100(final 0.01%)を添加すると、両濃度共1時間で完全分解できる。
Sal I 高DNA濃度の方が、切断性がよい。20時間反応後でも、ごく微量のcc-DNAが残存している。Triton X-100(final 0.01%)を添加すると、20時間で完全分解できる。
Sca I 高DNA濃度の方が、切断性がよい。2時間反応後でも、ごく微量のcc-DNAが残存している。
*3 N6-methyladenine free λDNA
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