Clontech 蛍光タンパク質概説

  • 鮮やかで安定な蛍光を導入後短時間で検出可能
  • 多重蛍光染色、多重蛍光解析での利用にも理想的
  • 補因子や基質の添加は不要で、生きたままの状態でリアルタイムな解析が可能
蛍光タンパク質選択ガイド(Clontech USサイト)
Clontechでは多彩な蛍光タンパク質製品、Living Colors蛍光タンパク質シリーズとフルーツ蛍光タンパク質シリーズを販売している。これらの蛍光タンパク質は、生きた細胞中で目的タンパク質を追跡するための融合タグ、プロモーター活性をモニターするためのレポーター、細胞全体や細胞内器官など特定の組織を可視化するためのマーカーなどとして利用可能である。in vivoであるいはin situでリアルタイムに利用でき、同じ細胞中や細胞群で2種類以上の蛍光タンパク質を同時に検出することも可能である。Clontechではプラスミド、レトロウイルス、レンチウイルスタイプの製品を用意している。細胞内局在化を観察するために設計されたベクター、プロモーター活性を解析するためのベクター、プロテアソーム活性をモニターするためのベクター、不安定化蛍光タンパク質を搭載したベクターなど特定の用途にご使用いただける製品も販売している。

Clontech社の蛍光タンパク質は可視光領域を広範にカバー

アプリケーション別のおすすめ蛍光タンパク質リスト

アプリケーション 推奨蛍光タンパク質 備考 ベクター
フォーマット
融合タンパク質として発現 AcGFP1
DsRed-Monomer
mCherry
単量体蛍光タンパク質を用いることで、融合したターゲット遺伝子への影響が軽減される。 A
プロモーター活性の
レポーター
DsRed2
ZsGreen1
ZsYellow1
プロモーターの活性化研究に有用なプロモーターレスベクターには、レポーター分子として理想的な強い蛍光強度を示す蛍光タンパク質を使用 B
細胞標識、イメージング DsRed-Express2
ZsGreen1
mCherry
mOrange2
AmCyan1
可視光領域全体をカバー。波長特性の異なる蛍光タンパク質の組み合わせで多重染色が可能
※フィルターや解析機器の特性に合わせて選択してください。
C
プロテアソーム活性測定 ZsProSensorProteasomeセンサーベクターはプロテアソームの活性を可視化。活性に影響を与える化合物の検出に便利 E
細胞内小器官の標識 AcGFP1
DsRed-Monomer
DsRed2
mCherry
HcRed1
局在化タグをもつ蛍光タンパク質で細胞内小器官を標識し可視化
ゴルジ体小胞体
アクチンフィラメントミトコンドリア
形質膜ペルオキシソーム
エンドソーム
微小管
C
動植物個体内での発現、
in vivoイメージング
tdTomato
mPlum
HcRed1
mCherry
橙赤~深赤色の蛍光タンパク質は動植物の持つ自家蛍光の影響を受けにくく、in vivoイメージングに最適。GFP緑色タイプも多種の生物個体で使用例があるが自家蛍光などに注意が必要 A, B, D
遺伝子発現細胞の選別 DsRed-Express2
ZsGreen1
バイシストロニック(IRES)ベクターでは、導入したターゲット遺伝子と蛍光タンパク質が同一のmRNAから同時に翻訳されるため、常にレポーター発現とターゲット遺伝子発現が同調している。発現クローンの選択や形質転換効率のモニターに有用F
細菌内発現 GFPuv GFPuv(Aequorea victoria 発光クラゲ由来GFPのバリアント)は長波長UV(360~400 nm)照射下で強い蛍光を示す。 D
発現カイネティクスアッセイ HcRed1-DR
DsRed-Express-DR
ZsGreen1-DR
不安定化蛍光タンパク質は速やかに分解し、残存する蛍光の影響を受けずに新たな遺伝子発現の変動を検出可能 B
遺伝子発現の経時的追跡 pTimer Vectors時間経過と共に蛍光の色彩が変化し転写活性の変動を検出可能 B, D
タンパク質間相互作用の
検出(FRET)
AcGFP1 and DsRed-Monomer
AcGFP1 and mCherry
mOrange and mStrawberry
mOrange and mCherry
最適なFRET解析の組み合わせはドナーに高い量子収率をもち、アクセプターには高いFörster radius(R0)を持つ蛍光タンパク質分子が理想的 A, D
ベクターフォーマット
A:N末端融合発現ベクターC末端融合発現ベクター(pFP-N1、pFP-C1;pAcGFP1-N1、pAcGFP1-C1など)
B:プロモーターレスベクター(pFP-1;pDsRed2-1など)
C:細胞内小器官標識ベクター(pFP-Structure;pAcGFP1-Actinなど)
D:細菌発現ベクターまたは遺伝子ソースとして使用(pFP;pZsGreenなど)
E:Proteasome Sensorベクター(pZsProSensor-1)
F:IRESベクター(pIRES2-FP;pIRES2-AcGFP1など)

Living Colors蛍光タンパク質 & フルーツ蛍光タンパク質

ClontechのLiving Colorsシリーズは、生物学的研究に最も広く使用されている蛍光タンパク質である。本シリーズにはオワンクラゲAequorea coerulescens由来の緑色蛍光タンパク質AcGFP1、ならびに青色から深赤色まで幅広い色調の9種類の造礁サンゴ由来RCFPs(Reef Coral Fluorescent Proteins)が含まれている。AcGFP1とRCFPsは由来する生物種が異なるが、相互に高い配列相同性を示している。HcRed1とDsRed-Monomer以外のRCFPsは、野生型のDsRedと同様に4量体構造を有していると考えられている。

フルーツ蛍光タンパク質は、mRFP1(単量体型のDsRedバリアント)に直接変異を導入して得られた色彩の異なる8種類のバリアントである。mCherryなど7種類の単量体蛍光タンパク質と非常に明るいタンデム2量体のtdTomatoが含まれ、長波長域の蛍光波長(553~649 nm)、安定な発現、融合タンパク質としての有用性が特長である。
Living Colors蛍光タンパク質およびtdTomatoの特性
タンパク質
(構造)
励起極大波長
(nm)
蛍光極大波長
(nm)
検出までの時間
(hr)
相対的な蛍光強度
(輝度a
レポーター
としての利用
融合タンパク質
としての利用
推奨フィルター
セット
備考
mPlum
(単量体)
深赤 590 649 -
(4,100)
+++ C.T. 41043 長波長域に蛍光波長を有し、融合タンパク質として有用
E2-Crimson
(四量体)
深赤 611 646 - +++
(28,980)
++++ ++ C.T. 41019 in vivoアプリケーションに最適
mRaspberry
(単量体)
深赤 598 625 - ++
(12,900)
++ +++ C.T. 41043 長波長域に蛍光波長を有し、融合タンパク質として有用
HcRed1
(二量体)
深赤 588 618 16
(600)
++ C.T. 41043;
Omega
XF102-2
4色多重解析が可能な長波長赤色蛍光
mCherry
(単量体)
587 610 - ++
(15,840)
++ ++++ C.T. 41008;
Omega
XF102-2
長波長域に蛍光波長を有し、融合タンパク質として有用
mStrawberry
(単量体)
574 596 - ++
(26,100)
++ +++ C.T. 42004
& 42005
長波長域に蛍光波長を有し、融合タンパク質として有用
AsRed2
(四量体)
576 592 8~12 ++
(12,800)
+++ C.T. 42004
& 42005
多重染色可能
DsRed-Monomer
(単量体)
557 592 12 ++
(3,820)
++ ++++ C.T. 41002c
& 42005
非常に高い可溶性、多重染色や融合タンパク質作製に最適
DsRed2
(四量体)
563 582 24 +++
(24,090)
+++ ++ C.T. 41002c
& 42005
低い凝集傾向、さまざまな細胞内局在化ベクターに利用
tdTomato
(タンデム二量体)
554 581 12 ++++
(95,000)
++++ C.T. 41002c
& 42005
非常に強い蛍光を示すDsRedバリアント
DsRed-Express2
(四量体)
554 591 8~12 +++
(15,000)
++++ +++ C.T. 41002c
& 42005
緑色蛍光が少なく成熟が早い。高い可溶性。レポーターに最適、FACSや融合タンパク質にも有用
DsRed-Express
(四量体)
554 586 8~12 +++
(14,870)
++++ +++ C.T. 41002c
& 42005
緑色蛍光が少なく成熟が早い。レポーターに最適
mOrange2
(単量体)
549 565 - ++++
(34,800)
++ ++++ C.T. 49010 融合タンパク質作製に最適
mBanana
(単量体)
540 553 - ++
(4,200)
++ ++++ C.T. 42003
& 41028
融合タンパク質作製に最適
ZsYellow1
(四量体)
529 539 8~12 ++
(13,000)
+++ C.T. 42003
& 41028
多色標識に理想的な真の黄色蛍光
ZsGreen1
(四量体)
493 505 8~12 ++++
(39,130)
++++ C.T. 42002
& 41017
明るい緑色、レポーターとして最適
AcGFP1
(単量体)
475 505 8~12 ++
(26,650)
+++ ++++ C.T. 42002
& 41017
高い可溶性、多重染色や融合タンパク質作製に最適
AmCyan1
(四量体)
458 489 8~12 +++
(29,250)
+++ C.T. 42001
& 41014
多重染色可能
a:輝度(brightness)=(Quantum Yield)×(Extinction Coefficient)
Note: HcRed1 is derived from Heteractis crispa reef coral. AmCyan, ZsGreen, ZsYellow and AsRed are derived from Anthozoa reef coral. DsRed-Monomer, DsRed2, DsRed-Express and DsRed-Express2 derive from Discoma sp. reef coral. AcGFP1 derives from Aequorea coerulescens jellyfish.

蛍光タンパク質抗体

ClontechではLiving Colors蛍光タンパク質およびフルーツ蛍光タンパク質を一般的な方法で検出するための各種モノクローナル抗体ならびにポリクローナル抗体を販売している。N末あるいはC末融合タンパク質としてin vivoで発現した場合の確認に特に有用である。さらに、各RCFPは異なる遺伝子にコードされたユニークなタンパク質であるため、個々のRCFPを特異的に検出する抗体も利用できる。
各抗体はいずれも特異性を確認し、ロット間で一定の性能を保証するため、入念に試験されている。

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注意事項
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