製品説明
pET発現システムは、最も広く用いられている大腸菌過剰発現システムの1つである。Clontechの各pET発現キットには、N末端6×HNタグベクターとC末端6×HNタグベクターの両方が含まれている。各ベクターは広く利用されているpETシステムに基づいて、T7 lacプロモーターから目的遺伝子を強力に発現することができる。
また、ポリヒスチジンタグ融合タンパク質精製用のレジンとバッファーが選択でき、HisTALON Resinは純度の高い精製に、His60 Ni Superflow Resinは高収量精製にそれぞれ適している。初めてタンパク質精製を行う場合にも、免疫用の抗原タンパク質の精製、構造解析や質量分析用の試料調製など高度な精製技術が必要とされる場合にも理想的な製品である。
クローニング方法を選択可能
pET Express & Purify Kitは、pETベクター(pET6xHN ベクターシリーズ)を含んでおり、各ベクターは、N末端またはC末端に6xHN融合タグをコードしている。また、pETベクターへのクローニング方法を選択することができ、迅速なディレクショナルクローニングが行えるIn-Fusionクローニング法、もしくは従来法による制限酵素を用いたクローニング法を選択できる(In-Fusion Readyタイプの各キットにはIn-Fusion酵素が含まれている)。
Hisタグ融合タンパク質精製用レジンとバッファーを含んだキット
EP Starter KitおよびpET Express & Purify Kitには、Hisタグ融合タンパク質を精製するためのIMACレジンとバッファーが添付されている。IMACレジンとしては、高収量を実現するHis60 Ni Superflowレジン(ニッケルベース)と、精製度が非常に高いHisTALONレジン(コバルトベース)から選択できる。いずれのキットにも、IMACレジンが充填されたGravity Columnと、タンパク質抽出および精製に必要なバッファー類が含まれている。
表1. HisTALONレジンとHis60 Ni Superflowレジンの特長
HisTALONレジン (コバルトベースレジン) |
His60 Ni Superflowレジン (ニッケルベースレジ) |
- 宿主株由来の非特異的タンパク質が精製物に含まれない
- SlyD(ヒスチジンが豊富に含まれるE. coliタンパク質)のコンタミがない
- 金属イオンのリークが極めて少ない
- 大包装やカートリッジ、Gravity Columnなど様々な製品形態から選択できる
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- 60 mg/mlの結合能力
- 95%以上の純度でタンパク質の精製が可能
- 金属イオンのリークが少ない
- 大包装やカートリッジ、Gravity Columnなど様々な製品形態から選択できる
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図1. pET Express & Purify Kitの実験フロー
図2. pET 6xHNベクターマップ
pET 6xHNベクターは、目的タンパク質のN末端またはC末端に簡単にタグを付加することができる。
図3. pETシステムを用いた組換えタンパク質発現の概要:宿主大腸菌(BL21 DE3)をIPTG誘導した場合
図4. pETシステムを用いた組換えタンパク質発現の概要:宿主大腸菌(BL21 DE3)をIPTG誘導しない場合
内容
各pET Express & Purify Kitには、以下のコンポーネントが含まれている。
・pET6xHN Expression Vector Set(631428, 631429はIn-Fusion Readyタイプ)
・Metal Affinity Resin(His60 Ni ResinまたはHisTALON Resin充填済みGravity Column)
・精製用Buffer Set(His60 Ni Buffer SetまたはHisTALON Buffer Set)
※pEcoli6xHNベクターおよびpET6xHNベクターの発現にはT7 RNAポリメラーゼを発現する大腸菌が別途必要です。大腸菌BL21(DE3)株(Merck社)等がお使いいただけます。
保存
pEcoli Expression System | :-20℃ |
pET6xHN Expression Vector Set | :-20℃ |
上記以外のMetal Affinity ResinとBuffer Set | :4℃ |
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