α-1,3/4-L-Fucosidase

Application2:α-1,3/4-L-Fucosidaseによる糖タンパク質の酵素消化

α1-酸性糖タンパク質(α1-AGP)は、分子量44,000の血清糖タンパク質で約45%の糖を含んでいる。糖鎖は分子内の5個のAsn残基にN-グリコシド結合しており、その構造はN-Acetyl-lactosamine typeのバイアンテナ、トリアンテナ、テトラアンテナ型糖鎖である。
トリアンテナ、テトラアンテナユニットの非還元末端側のGlcNAcの3位にはFucがα結合しており、このFuc残基を遊離させるためにα-1,3/4-L-Fucosidaseを用いた。

操作手順

α1-AGP 50 pmolとα-1,3/4-L-Fucosidase 25 μUと硫酸アンモニウム2 Mを含む100 mMリン酸カリウム緩衝液(pH6.0)10 μlを37℃、20時間保持後、1%トリフルオロ酢酸溶液20 μlを加えて反応を停止する。このうち20 μlを乾固し、PALSTATIONを用いてPA化反応を行い、酵素反応によって遊離したL-FucoseをPA化する。PA-FucoseはPALPAK TypeAを用いたHPLC分析3)により定量する。

結果

本酵素の糖タンパク質に対する活性は硫酸アンモニウムの添加により著しく上昇した。
サンプル 遊離したL-Fucose量(%)
Acid Hydrolysis* 100
(NH4)2SO4, 0 M 11
(NH4)2SO4, 2 M 101
*4 Mトリフルオロ酢酸 100℃、3 hr

  α-1,3/4-L-Fucosidase