PA化糖鎖スタンダード021、023、024、025各5 μl(約50 pmol相当)をガラスチューブに入れ濃縮乾固し、5.7 N定沸点塩酸50 μlを加えて減圧封管した。それを100℃で16時間加熱することにより酸水解を行った。開管後濃縮乾固させ、水を少量加えて共沸し、塩酸を完全に留去した。残渣に新しく調製した飽和NaHCO
3水溶液を48 μl加えて溶かし、反応液が弱塩基性になっていることを確かめた後、無水酢酸2 μlを加えよく撹拌した。15分間室温に放置した後、さらに48 μlの飽和NaHCO
3水溶液と2 μlの無水酢酸を加え、よく撹拌後30分間室温に放置し、
N-アセチル化を行った。反応液のうち20 μlを図3に示したHPLC条件で分析を行った(一例として、PA化糖鎖スタンダード021のHPLC分析パターンを図6に示した)。サンプルのHPLCのピークの高さと、サンプルと同時に実験を行ったPA-GlcNAcスタンダードのピークの高さを比べることによって、還元末端のPA-GlcNAcの定量を行った。結果を表1に示した。(3)で求めたシアル酸量をPA-GlcNAc量で割り算することによって、糖鎖1モル当たりの結合シアル酸のモル数を求めることができる(表1)。
表1 PA化糖鎖スタンダードの糖鎖あたりの結合シアル酸数
PA化糖鎖 スタンダード |
Neu5Ac(pmol/μl) |
PA-GlcNAc (pmol/μl) |
糖鎖あたりの結合シアル酸数(個) |
酸水解 |
酵素消化 |
酸水解 |
酵素消化 |
021 |
13.0 |
12.9 |
11.6 |
1.1 |
1.1 |
023 |
25.0 |
26.1 |
11.2 |
2.2 |
2.3 |
024 |
59.7 |
60.8 |
18.6 |
3.2 |
3.3 |
025 |
58.9 |
65.0 |
14.7 |
4.0 |
4.4 |
図6 PA化糖鎖スタンダード021の還元末端のHPLC分析