DNA Ligation Kit

3分間ライゲーションの実験例

以下の3つの場合について、それぞれのプロトコールに従って反応液を調製し、従来条件(16℃、30分間)と25℃、3分間の各条件で反応を行い、ライゲーション効率を比較した。

(1)ファージベクターへの外来DNAの挿入(図1)

λgt11/EcoR I Arms(dephosphorylated)へのControl Insert DNA(EcoR I分解プラスミドベクター、2,999 bp)の挿入(25℃、3分間ライゲーション)。

図1 λgt11/EcoR I ArmsへのControl Insert DNAの挿入(25℃、3分間ライゲーション)
レーン 1: λ-Hind III digest
2: λgt11/EcoR I Arms
3: Control Insert DNA
4: TaKaRa Ligation Kit Ver.1反応液
5: TaKaRa Ligation Kit Ver.2反応液

(2)リンカーのライゲーション(図2)

pUC118 Hinc II/BAP処理済ベクター(製品コード 3322)とpBgl IIリンカーd[pCAGATCTG](製品コード 4621P)を用いたリンカーのライゲーション。

図2 pUC118-Hinc II/BAP処理済ベクターとpBgl IIリンカーとのライゲーション
ライゲーション反応液の一部(10 ng DNA)を用い、E. coli JM109 Competent Cells(1.3×108 transformants/μg DNA)を形質転換し、生じた白色コロニーの数より形質転換効率を算出した。

(3)直鎖状DNAのセルフライゲーション(図3)

pUC118 DNAをHinc II(平滑末端)およびEcoR I(突出末端)で切断した直鎖状DNAのセルフライゲーション。

図3 pUC118制限酵素切断ベクターのセルフライゲーション
ライゲーション反応液の一部(10 ng DNA)を用い、JM109 Competent Cells(1.3×108 transformants/μg DNA)を形質転換し、生じたコロニーの数より形質転換効率を算出した。

これらの結果が示すように、ファージベクターへの外来DNAの挿入、リンカーのライゲーション、突出末端のセルフライゲーションにおいて3分間反応でも従来条件(16℃、30分間)とほぼ同等の結果が得られた。また平滑末端のセルフライゲーションにおいては、今回の条件ではVer. 1を用いた場合に若干の効率の低下は認められるものの、十分な効率が得られることが確認された。
このようにTaKaRa Ligation Kit Ver. 1、Ver. 2ともに25℃、3分間反応でも十分なライゲーション効率が得られ、反応を大幅に簡略化することができる。

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