PCRの成否は固定、包埋された組織の状態に直接影響される。一般的な組織固定、包埋時の注意事項を以下に述べる。
- 固定法
固定液は10%ホルマリン液が浸透性がよく、推奨されている。浸透率は1時間に約1 mmとされ、小さな生検材料はそのまま浸漬する。大きい摘出材料では割を入れ固定液の浸透を高め、固定時間は3日以内にすることをお勧めする。また、佐藤ら2)はAMeX固定を推奨しているので参考にする。
- 包埋
通常の方法でエタノール脱水、クロロホルム置換後、融点56~58℃のパラフィンに包埋する。ウイルス等の外来性遺伝子をターゲットとするときは新鮮な試薬を使用する。