DMB法を利用したシアル酸定量法のプロトコールをフロー(1)に示す。まず、シアル酸含有糖鎖より部分酸水解または酵素消化によってシアル酸を遊離させる。その後、DMB標識を行い、そのサンプルをHPLC分析することによってシアル酸の定量を行う。この分析法では、DMB標識までを1本の反応チューブの中で行うことができる。
フロー(2)には、糖鎖の還元末端定量法のプロトコールを示す。PA化糖鎖サンプルを酸水解し、還元末端のPA化糖の分析をHPLCによって行う6)。先に求めたシアル酸量を還元末端量と比較することによって、糖鎖1モルあたりの結合シアル酸のモル数を求めることができる。
フロー(1)  DMB法によるシアル酸定量法
シアル酸含有糖鎖
 ↓部分酸水解またはシアリダーゼ消化
遊離したシアル酸
 ↓DMB標識
DMB-シアル酸
 ↓HPLC分析(※1)
 (※1)カラム:PALPAK Type R(4.6 mmφ×250 mm)
     溶出液:アセトニトリル/MeOH/水 = 9/7/84(v/v/v)
     流速:0.9 ml/min
     検出:蛍光(励起波長:373 nm、測定波長:448 nm)
フロー(2)  PA化法による糖鎖の還元末端定量法
PA化糖鎖
 ↓酸水解
PA化糖(還元末端)
 ↓HPLC分析(※2)
 (※2)カラム:PALPAK Type A(4.6 mmφ×150 mm)
     溶出液:アセトニトリル/0.7 M H3BO3-KOH(pH9.0)= 1/9(v/v)
     流速:0.3 ml/min
     カラム温度:65℃
     検出:蛍光(励起波長:310 nm、測定波長:380 nm)