本キットに添付されているPositive Control RNAは、SP6 Promoter領域下流にpBR322由来のテトラサイクリン耐性遺伝子を含む約1.4 kbpの断片を挿入したプラスミドpSPTet3を鋳型として、SP6 RNA Polymeraseを用いて
in vitro transcriptionにより合成を行ったものである。
■RNAサンプルの調製について
cDNA合成を成功させるためには純度の高いRNAサンプルを得ることが大切です。そのため、細胞内に含まれるRNaseの作用を抑えること、また使用する器具や溶液など外部からのRNaseの混入を避けることが大切です。RNA調製にあたっては、実験者の汗や唾液に含まれるRNaseの混入を防ぐため作業中は不必要に話さず、清潔なディスポーザブルグローブを着用し、RNA調製専用の実験台を設けるなどの細心の注意を払ってください。
[器具]
実験器具に関しては、可能な限りディスポーザブルのプラスチック製品を使用してください。一般のガラス器具は以下の処理を行ってから使用してください。
(1)ガラス器具を0.1%ジエチルピロカーボネート(DEPC)溶液で、37℃、12時間処理する。
(2)残っているDEPCを除去するために、オートクレーブにかける。(120℃、30分)
RNA実験に用いる器具(プラスチックおよびガラス)は、他の器具と区別してRNA専用として用いることをお勧めします。
[溶液]
実験に用いる試薬溶液は、乾熱滅菌(180℃、60分)したガラス器具で調製し、用いる蒸留水は、0.1%DEPC処理を行いオートクレーブしてください。用いる溶液、蒸留水はすべてRNA実験専用としてお使いください。
[RNAサンプルの調製法]
RT-PCR法に用いるRNAサンプルは、通常少量のRNAがあればよい場合が多いので簡便な精製法が用いられることもありますが、できればGTC法(グアニジンチオシアネート法)等で高純度に精製したRNAを用いることをお勧めします。
組織、細胞からの抽出にはNucleoSpin RNA(製品コード 740955.50)やRNAiso Plus(製品コード 9108/9109)を用いると、短時間で高純度のtotal RNAを調製することができます。