pUC118/119 タイプベクター

pUC118/119タイプ ベクター

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Q1 pUC118ベクターを用いて、ssDNAを回収する際、使用できる宿主は?
A1 E. coli MV1184やJM109が使用することができます。
Q2 E. coli MV1184やJM109を培養する際は必ず0.01%Thiamineを培地中に添加しなければならないか?
A2 E. coli MV1184やJM109はThiamine要求性なので基本的には培地中にThiamineを加える必要があります。ただし2 × YT培地やLB培地で培養を行い、さらに最小培地等で増殖させた場合、培地中にThiamineを含んでいなくても元の培地からの持ち込みにより充分増殖することが多いです。
また宿主菌をグリセロールストックやスターブの状態から初めて起こすときは、F因子の脱落を防ぐために必ず最小寒天培地をお使いください。しかし、菌株の生長が非常に遅いことがあるので、その際は一旦2 × YT培地やLB培地で培養を行い、さらに最小寒天培地で増殖させてください。
Q3 pUC118/119のE. coli JM109株への平均的な形質転換効率は?
A3 pUC118/119を用いた場合、平均してpBR322を用いた場合の1.5倍から2.0倍ほど高い効率が得られます。
Q4 pUC118を使ってssDNAを調製したときの平均収量は?
A4 約2~5μg/3 ml培地です。
Q5 pUC118/119 DNAを用いて、一本鎖DNAが回収できない。
A5 次の原因が考えられます。
  1. プラスミド保持菌(E. coli MV1184、JM109等)のF'が欠落している。→アンピシリン(100μg/ml)を含む最小培地で菌を選択し直す。
  2. 培養時の振とう不足。→できるだけ良好な通気条件(300 rpmくらい)で培養する。
  3. クローン化DNAの性質による。→クローン化DNAの二次構造とIG領域の距離関係等によりヘルパーファージしか回収できないことがある。その場合は、M13系ベクターにクローニングし直して一本鎖DNAを調製してみる。
  4. M13K07ファージの失活。→M13K07ファージを調製し直す。
Q6 これらのベクターからヘルパーファージを使って調製したssDNAには、どのようなプライマーが使えるか?
A6 pUC118/119ではセンス鎖が放出されるので、M13ユニバーサルプライマーのうちforward系のもの(M13 Primer M1~M4,BcaBEST Primer M13-20,同M13- 47)、pTV118N/119Nではアンチセンス鎖が放出されるので、RV系のユニバーサルプライマー(M13 Primer RV-N、BcaBEST Primer RV-M)が使用できます。

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