PrimeScript™ II High Fidelity RT-PCR Kit

2ステップRT-PCRの操作
PrimeScript™ II High Fidelity RT-PCR Kit(製品コード R023A)

A.鋳型RNAの変性および逆転写反応

  1. 下記に示す反応液を調製する。
    試薬   使用量
    dNTP Mixture(10 mM each)   1 μl
    Oligo dT Primer(50 μM)
     
    1 μl
    or Random 6 mers(20 μM)
    or Specific Primer(2 μM)*1
    Template RNA   *2
    (or Positive Control RNA 2 μl[ 4×105 copies ])
    RNase Free dH2O   up to 10 μl

    *1 反応に用いるプライマーは Oligo dT Primer、Random 6 mers、特異的下流プライマー(Control RNAの場合は R-1 Primer)のいずれかを選択。(選択基準については前項を参照してください。)
    *2 Template RNAは、8 μlまで持ち込むことができます。total RNAの場合、6 μgまで使用可能です(推奨使用量:100 ng~2 μg)。
  2. 調製済みのチューブをサーマルサイクラーにセットし、次のプログラムで変性・アニーリングを行う。
    65℃、5 min.
    4℃
    < 重要 > この操作により、鋳型RNAが変性し逆転写効率が向上します。

  3. 変性・アニーリング済み反応液に以下のように試薬を添加する。
    試薬   使用量
    2. の変性済み反応液   10 μl
    5×PrimeScript II Buffer   4 μl
    PrimeScript II RT Enzyme Mix 1 μl
    RNase Free dH2O 5 μl
      20 μl
  4. チューブをサーマルサイクラーにセットし、次のプログラムで逆転写反応を行う。
    (30℃ 10 min.)*3
    42℃(~50℃) 15~30 min.
    95℃ 5 min. *4
    4℃   
    < 重要 > PrimeScript II RTaseは、高次構造にも強い伸長性を示すので、通常の反応は42℃で行ってください。特異的下流プライマーを逆転写プライマーとして使用した場合、ミスプライミングによる非特異的な増幅産物が生じることがあります。そのような場合は、反応温度を45~50℃にすることで改善が期待できます。

    *3 逆転写反応にRandom 6 mersを用いる場合に行ってください。この操作によりRandom 6 mersが鋳型RNAと42℃(~50℃)で充分アニーリングできる長さになるまで伸長し、逆転写効率が向上します。
    *4 長鎖を増幅する場合は、1stストランドcDNAにニックなどのダメージを与えないように、70℃、15 minの失活操作を行ってください。

B.PCR反応

  1. 下記に示す反応液を調製する。
    試薬 使用量 最終濃度
    5×PrimeSTAR GXL Buffer 10 μl
    dNTP Mixture(10 mM each) 1 μl 200 μM
    PrimeSTAR GXL for RT-PCR 2 μl  
    上流 Primer(20 μM)*5(センス) 0.5 μl 0.2 μ M
    下流 Primer(20 μ M)*6(アンチセンス) 0.5 μl 0.2 μ M
    A-4 の逆転写反応液 ≦5 μl  
    滅菌水up to 50 μl  

    *5 Positive Control RNAの場合、F-1 Primer
    *6 Positive Control RNAの場合、R-1 Primer
  2. 調製したチューブをサーマルサイクラーにセットし、至適プログラムでPCRを行う。

    一般的な反応条件
    98℃ 10 sec.
     
    30 cycles
    55 or 60℃*7 15 sec.
    68℃ 1 min./kb
    または
    98℃ 10 sec.
     
    30 cycles
    68℃ 1 min./kb
    Positive Control RNAの場合*8
    98℃ 10 sec.
     
    30 cycles
    60℃ 15 sec.
    68℃ 1 min.


    *7 アニーリング温度
     プライマーの Tm 値(下記の式で計算)が 55℃ をこえる場合
       → 60℃ に設定
     プライマーの Tm 値(下記の式で計算)が 55℃ 以下の場合
       → 55℃ に設定
     ※ Tm 値計算方法
       Tm 値(℃)= [(A、Tの数)×2]+[(G、Cの数)×4]-5
    *8 逆転写反応にOligo dT Primer、Random 6 mers、R-1 Primerのいずれを用いた場合も、Control Primer F-1とR-1を用いたPCRで、462 bpの増幅産物が得られます。

    PCR条件の選択
    ・ 増幅鎖長が8 kb未満の場合は、まず3ステップPCRをお試しください。
    GCリッチな鋳型や8 kb以上の長鎖の増幅には、2ステップPCRを推奨します。

    上記の設定で良好な結果が得られない場合は、以下の方法で検討してください。

    < スメア、エキストラバンドが生じる場合 >
     (1)アニーリング温度を63℃まで2℃ずつ上げてみる。
     (2)2ステップPCRにする。
     (3)プライマーのTm値が 50℃以下の場合、アニーリング温度を50~ 55℃で試す。

    < 目的産物が増幅しない(少ない)場合 >
     (1)アニーリング温度を2℃ずつ下げてみる。
     (2)プライマー濃度を0.3~0.5 μM(final conc.)で検討する。

    ● PrimeSTAR GXL for RT-PCRでは、dTTPの代わりにdUTPを使用することはできません(著しく反応性が低下します)。また、イノシンを含むプライマーの使用は避けてください。

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