プライマー濃度と反応特異性および増幅効率の間には、以下のような関係がある。反応特異性を上げるにはプライマー濃度を下げ、
増幅効率を上げるにはプライマー濃度を上げる。
アニーリング温度を上げると反応特異性が改善することがある。増幅効率とのバランスを確認しながら、検討を行う。
伸長時間を延ばすか、3 step PCRに変更することにより、増幅効率が改善することがある。以下の手順で検討を行う。
初期変性は通常95℃、30秒で充分である。環状プラスミドやゲノムDNAなど変性しにくい鋳型でも、ほとんどの場合、この条件で良好に反応できる。鋳型の状態によっては、95℃、1~2分程度に延長することが可能であるが、時間が長すぎると酵素の失活を招く恐れがあるので、2分以上の条件は推奨しない。
タカラバイオではインターカレーター法のリアルタイムPCR試薬として3種類の製品を販売しており、それらの試薬と反応特異性および増幅効率の間には、以下のような関係がある。
TB Green Premix Ex Taq II (Tli RNaseH Plus)(製品コード RR820S/A/B)は反応特異性と増幅効率のバランスが取れた汎用性の高い試薬であるが、さらに反応特異性を上げるには、TB Green Premix DimerEraser (Perfect Real Time)(製品コード RR091A/B)の使用が有効である。また、やや増幅しにくい配列ではTB Green Premix Ex Taq (Tli RNaseH Plus)(製品コード RR420S/A/B)を使用することにより増幅効率が向上する場合がある。