核酸抽出・精製

NucleoSpin® Gel and PCR Clean-up

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Q1 アガロースの溶解が十分にできない。
A1  アガロースの量が多すぎる。
  • 高濃度のアガロースの場合は、Buffer NTの量を2倍にして使用してください。
温度と時間が適切でない。
  • アガロースゲルが完全に溶解されるまで、50℃で温め、2分ごとにボルテックスしてください(所要時間5~10分間)。非常に大きなゲル切片の場合は、Buffer NTIを加える前にゲルを細かくしておいてください。
Q2 DNAの収量が低い
A2  Wash Buffer NT3の調製が正しくない。
  • 指定された量の96~100%エタノールをBuffer NT3 Concentrateに加え、使用前に十分に混合してください。
ゲル切片が十分に溶解していない。
  • Q1を参照してください。
Buffer NTI添加後の溶液のpHが高すぎる
  • DNAがカラムへ結合する際の至適pHは5~6であり、この場合pH Indicatorにより溶液の色は黄色となります。溶液の色が緑色または青色の場合はpHが高いので、調整する必要があります。Buffer NTIの追加添加や、4M 酢酸ナトリウム(pH 5.0)もしくは少量の塩酸を添加して、溶液の色を黄色にしてください。
シリカメンブレンの乾燥が不十分
  • Buffer NT3(エタノールを含む)を完全に除去するために、スピンカラムの洗浄後、11,000×gで5分間遠心するか、あるいは溶出前にカラムを70℃で2~5分間インキュベートしてください。Collection Tubeを遠心機から取り出し、ろ液を捨てるステップでは、スピンカラム先端をろ液に接触させないように注意してください。
カラムからの溶出が不十分
  • DNA断片が大きい(>1000 bp)、DNA量が多い(>5 μg)、もしくはアガロースゲルからの精製の場合、溶出時の回収率が低下する場合があります。DNAの回収率を高めるためには、以下のオプションをお試しください(英文取扱説明書2.6 DNA recovery depends on fragment size and elution volume参照)。
    〇あらかじめ溶出バッファーを70℃で予温し、カラムに添加後、5分間70℃でインキュベートした後遠心する。
    〇溶出液をカラムに添加後、30~50×gで1分間遠心したのち、11,000×gで1分間遠心する。
    〇溶出後、その溶出液をカラムに添加し、再度溶出ステップを行う。
PCR Bufferの影響
  • MightyAmp DNA Polymerase Ver.3(製品コード R076A/B)などのMightyAmpシリーズやTaKaRa Ex Premier DNA Polymerase(製品コード RR370S/A/B、RR371S/A/B)を用いて増幅したPCR産物の場合は、PCR反応液を滅菌水で、1.5~2倍に希釈し、希釈した溶液の2倍量のBuffer NTIを加えてください。
Q3 回収したDNAをアガロースで電気泳動すると、本来のサイズ以外のバンドがでる。
A3  精製過程においてDNAが変性している
  • 溶出バッファーとして滅菌水を使用したり、アガロースゲル電気泳動でイオン含量の低いアガロースを用いると、変性(一本鎖)DNAが形成される場合があります。その場合、DNAの再アニーリングを行ってください。
    目的の酵素反応を行う際に、酵素以外のコンポーネントを加え、95℃で2分間インキュベートした後、反応液を室温までゆっくり冷ましてください。(このステップでDNAが再アニーリングします。)そのあと、酵素を加えて目的の実験を行います。
Q4 抽出したDNAを用いてシーケンス、制限酵素切断、ライゲーション反応がうまくいかない。
A4  エタノールや、Buffer NT3(エタノールを含む)の持ち込みがある。
  • Buffer NT3(エタノールを含む)を完全に除去するために、溶出バッファーを添加する前に11,000×gで5分間遠心するか、あるいはカラムを70℃で2~5分間インキュベートしてください。Collection Tubeを遠心機から取り出し、ろ液を捨てるステップでは、スピンカラム先端をろ液に接触させないように注意してください。
試薬由来のカオトロピック塩の持ち込みがある。
  • カオトロピック塩を含むBuffer NTIを完全に除去するために、洗浄ステップを2回行うことを推奨します。
Buffer NT以外のバッファー、例えばTE Bufferを用いてDNAを溶出した。
  • EDTAは酵素反応を阻害する場合があるので、溶出はBuffer NEまたは滅菌水で行ってください。
シーケンス反応に用いたDNA量が不十分だった。
  • シーケンスを行う前に、アガロース電気泳動などでDNAの確認を行ってください。
UVライトでDNAが損傷した。
  • アガロースゲルからDNAを切り出す際、UVライトの照射はできるだけ短い時間で行ってください。
Q5 NanoDrop分光光度計またはAgilent社のバイオアナライザーでDNAの定量ができない。
A5  微量のシリカ粒子の持ち込みがある。
  • NanoDrop分光光度計などは、サンプル中の粒子の影響を強く受けます。シリカ粒子を沈殿させるために、溶出したDNA溶液を11,000×gで2分間以上遠心し、その上清を使用してください。
Q6 OD260/OD230の比が低い。
A6  試薬由来のカオトロピック塩の持ち込みがある。
  • Q4.を参照してください。