ヒト軟骨細胞(Human Chondrocytes:HCH)

PromoCell社 軟骨細胞 Q&A

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Q1 ヒト軟骨細胞Human Chondrocytes(HCH)(製品コード C-12710)はどの部位の軟骨組織から単離しているか?
A1 PromoCell社の軟骨細胞は膝関節、または大腿骨頭部から単離しています。部位の選択をご希望の場合はご購入前にお問い合わせください。
Q2 ヒト軟骨細胞の単離に使用されている軟骨組織の入手方法は?
A2 PromoCell社のヒト軟骨細胞は、腰または膝関節の人工関節器官の手術により得られた軟骨組織(~55-80歳)から調製しています。ほとんどが関節症の手術です。目視で異常が認められる組織は細胞の単離には使用されていません。
Q3 軟骨細胞はどのように継代すればよいか?培養容器の推奨メーカーはあるか?
A3 軟骨細胞の推奨播種密度は10,000~20,000 cells/cm2です。細胞数が約900,000 cells/T25フラスコ(36,000 cells/cm2)のサブコンフルエント状態の細胞を、T25フラスコ3個かT75フラスコ1個、または100 mmディッシュ1枚に継代することになります。培養フラスコ類の推奨メーカーの指定はありません。
Q4 軟骨細胞を播種してからサブコンフルエント状態になるまで何日間必要か?継代までに何回分裂するか?
A4 PromoCell社の軟骨細胞は、通常、5~8日でサブコンフルエントになります。細胞の分裂回数は播種した細胞数とサブコンフルエントの細胞密度から計算できます。10,000 cells/cm2で播いた場合、継代までに1.5~2回分裂します。
Q5 Chondrocyte SupplementMix(製品コード C-39635)にはGrowth factorが含まれているか?
A5 Chondrocyte SupplementMixには軟骨細胞用に特別にテストしたFCS(終濃度10% v/v)が含まれています。FCSには様々なgrowth factorが含まれていますが、詳しく分析することはできません。SupplementMixには他のgrowth factorは含まれていません。
Q6 軟骨細胞の脱分化を防ぐための3-Dシステムや軟骨細胞の表現型を維持するための特別な培養条件があるか?
A6  PromoCell社の軟骨細胞はChondorocyte Growth Mediumを用いた通常の単層培養で増殖します。軟骨細胞の脱分化はin vitroで約2週間以上培養すると起こることが知られていますが、in vitroの培養は細胞増殖のために必要です。一旦、適当な細胞数が得られたら、アルギニンビーズ、ゲル、または分解性ポリマーの足場で培養するか3次元スフェロイド培養を行うなどの方法で、単層培養から、より複雑な3-D培養に切り替えます。適切な条件を用いれば細胞の再分化が引き起こされ、軟骨特有のECM(細胞外マトリクス)を産生します。PromoCell社では特別な軟骨分化システムは提供していませんが、3-Dスフェロイド培養でのAlcian Blue染色による品質検定で軟骨細胞の性質を確認しています。プロトコールは間葉系幹細胞の軟骨分化プロトコールとほとんど同じです。
Q7 軟骨細胞を単層培養すると、細胞はどの様に脱分化するか?
A7 関節軟骨組織に存在する成熟軟骨細胞は、コラーゲンType II、IX、XIやプロテオグリカンなどの細胞外マトリクスを産生します。軟骨細胞を組織から単離して単層培養すると、細胞は細胞周期に入って増殖します。およそ1~3週間で細胞は脱分化し始め、線維芽細胞様の表現型を示します。脱分化は、コラーゲンType IIの減少やコラーゲンType Iの増加、並びに線維芽細胞マーカーThy-1/CD90の出現によって検出できます。単層培養から3-D培養に切り替えると再分化が始まります。
Q8 Alcian Blueは軟骨細胞のどんな構造を染めるのですか?単層培養の軟骨細胞を染めることはできるか?
A8 Alcian Blueは、軟骨組織特異的アグリカンや他のグリコサミノグリカンなど、軟骨細胞の細胞外マトリクスを染色します。軟骨細胞は3-D培養でのみアグリカンを発現し、単層培養では発現しません。単層培養での軟骨組織のマーカーを検出するには、コラーゲンType IIの免疫蛍光検出をお勧めします。

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