Acrolein-Lysine Adduct Competitive EIA Kit
油脂サンプルの測定
油脂の加熱や脂質の過酸化とアクロレイン生成について評価を行った。
【 準備 】油脂サンプルからのアクロレインの抽出
サンプル:調理用植物油 各種
|
サンプル |
Lot |
(1) |
賞味期限内の未開封品 |
Lot A |
(2) |
調理使用済み廃油 |
Lot A |
(3) |
別ロットの開封品 |
Lot B |
(4) |
(1)を180℃、2 hr加温 |
Lot A |
(5) |
(1)を180℃、5 hr加温 |
Lot A |
抽出液:0.1% BSA in PBS
【抽出方法】
- 油脂:抽出液の混合比率が1:2の割合になるように、50 mlチューブに油脂サンプルと0.1% BSA in PBSを加える。
本試験では、油脂サンプル5 mlに対して10 mlの0.1% BSA in PBSを加えた。
- 撹拌子(小)をチューブに投入する。
- 200~500 rpmで1時間撹拌する。
注意)強く撹拌するとミセル化して抽出液の分離が困難になるため、撹拌は油の粒が目視で分かる程度に抑える。ミセル化して油脂サンプル層と抽出層が不明瞭になると、抽出したアクロレインがミセル化層に取り込まれてサンプルにバラツキが生じ、相対評価が成立しなくなる可能性がある。
- 室温で一晩静置する。翌日、十分に分離していることを確認したら、油の層が混入しないように注意して、抽出液を回収する。(写真1)
- すぐに測定しない場合は-20℃でサンプルを保存する。
※ 中性から著しく外れているものはELISAの抗体反応に影響を及ぼすため、事前にサンプルのpHを測定しておく。
(写真1)分離後サンプル
【測定方法・結果】
抽出サンプルはミセル化していないことを確認し、一律5 mlを回収した。試薬調製、操作法はキットの説明書に従った。サンプルの希釈は0.1% BSA in PBSで2倍希釈を4段階繰り返した(2、4、8、16倍希釈)。
換算値(2倍希釈データ採用)
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内容 |
nmol/ml |
相対比 |
(1) |
賞味期限内の未開封品 |
1.60 |
- |
(2) |
調理使用済み廃油 |
13.43 |
8.39 |
(3) |
別ロットの開封品 |
2.39 |
1.49 |
(4) |
(1)を180℃、2 hr加温 |
10.81 |
6.75 |
(5) |
(1)を180℃、5 hr加温 |
6.97 |
4.35 |
油脂サンプルからアクロレインが検出された。抽出を一律に行うことにより、調理用植物油の調理、加温による酸化が相対比によって明らかになった。
Acrolein-Lysine Adduct Competitive EIA Kit