AAVpro® Purification Kit Maxi/Midi (All Serotypes)
AAVベクター抽出液の調製
本キットでは、AAVベクター産生細胞からのベクター抽出に一般的に行われている凍結融解法や超音波破砕法は行わず、独自に開発したAAV Extraction Solution A plusおよびAAV Extraction Solution Bを使用する。この溶液を使用することで、宿主由来のタンパク質や核酸の混入を抑え、簡便にAAVベクターを抽出することができる。
- AAVベクター産生細胞を含む培養液に、0.5 M EDTA(pH8.0)を1/80容量添加し、よく混合する。
- 室温で10分間反応後、細胞を剥離させ、回収する。
- 1,700~2,000×g、4℃で10分間遠心後、上清を除去する。
- 再度、1,700~2,000×g、4℃で1分間遠心し、完全に上清を除去する。
注 上清が残っていると以降の工程に影響が出ることがあるため、完全に上清を除去できたことを確認する。
- 細胞ペレットをタッピングもしくはボルテックスで十分にほぐす。
注 細胞ペレットが十分にほぐれていない場合、抽出効率が低下する恐れがある。細胞の塊がないことを確認してから次の工程に進む。
- 10 mlのAAV Extraction Solution A plusを添加する。
- ボルテックスで15秒間懸濁する。
注 細胞の塊がないことを確認し、細胞の塊がある場合は、なくなるまで懸濁する。
- 室温で5 分間静置後、さらに15秒間ボルテックスして懸濁する。
- 4,000~9,000×g、4℃で10分間遠心する。
注 上記7.~9.の工程を繰り返すことで効率が向上することがある。
- 上清を新しい滅菌済み遠心チューブに、なるべく不純物の混入がないようピペットなどを用いて回収し、AAV Extraction Solution Bを上清の1/10量添加する。
注1 この時点で-80℃で保存することができる。保存しない場合は速やかにAAVベクターの精製、濃縮の1.へ進む。-80℃で保存した場合は、
37℃の恒温槽で速やかに溶解してから使用する。
-80℃で保存する際は、凍結に耐性があり、その後の遠心操作に耐えうるチューブを使用する。
注2 サンプルによってはAAV Extraction Solution Bを添加した際にピンク色に変わることがあるが、性能には問題ない。
AAVpro® Purification Kit Maxi/Midi (All Serotypes)