SARS-CoV-2 Detection RT-qPCR Kit for Wastewater

実験例2:下水検体からの新型コロナウイルス検出結果 -従来法との比較-

SARS-CoV-2 Detection RT-qPCR Kit for Wastewater(製品コード RC390A)および従来法を用いて、下水検体(8検体)から新型コロナウイルス遺伝子の検出を行い、検出結果を比較した。
下水検体をPEG沈殿法によって濃縮後、精製したRNAを鋳型として、N=2で反応を実施した結果を以下に示す。

公益社団法人日本水環境学会 COVID-19タスクフォース発行「下水中の新型コロナウイルス遺伝子検出マニュアル」(2021年3月)
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下水
流入水
SARS-CoV-2 Detection RT-qPCR Kit
for Wastewater
従来法
CDC N1 CDC N2
ウェル1 ウェル2 平均 ウェル1 ウェル2 平均 ウェル1 ウェル2 平均
A 36.2 37.9 37.0 ND ND ND ND ND ND
B 35.4 36.3 35.8 36.8 ND 36.8 37.0 ND 37.0
C 35.3 35.7 35.5 37.6 ND 37.6 ND ND ND
D 34.0 35.9 35.0 36.1 ND 36.1 ND ND ND
E 33.3 33.7 33.5 34.3 36.0 35.2 35.5 36.3 35.9
F 35.8 37.9 36.8 ND ND ND ND ND ND
G 32.1 31.8 31.9 33.7 33.9 33.8 35.4 35.7 35.5
H 33.7 33.8 33.8 36.5 36.5 36.5 35.5 ND 35.5
陽性率 100%(8/8) 75%(6/8) 50%(4/8)
表中の数値はCt値を示す。 ND:検出されず(Not detected)
2ウェル陽性
1ウェル陽性
2ウェル陰性

従来法では、下水サンプル8検体のうち4検体(CDC N1:2検体、CDC N2:4検体)において非検出となったが、本製品を用いた場合、全ての下水検体において新型コロナウイルス遺伝子が陽性と判定された。


参考情報:PEG沈殿法
上記の実験例において使用したPEG沈殿法を一例として以下に示す。従来法の4℃での一晩の振とうおよびその後の遠心の工程を、手順2~5にて代用することにより作業時間を短縮した。

  1. 40 mlの下水検体にPEG8000およびNaClをそれぞれ終濃度10%、0.4 mol/Lとなるように添加し、混合する。
  2. 12,000×g, 100分, 4℃の条件で遠心する。
  3. 上清を除去する。
  4. 12,000×g, 5分, 4℃の条件で遠心する。
  5. 上清を除去する。
  6. 800 μlの滅菌水で沈殿物を懸濁する。

※本手順およびデータは、弊社との共同研究を通じて、国立大学法人山梨大学国際流域環境研究センター 原本英司教授よりご提供いただきました。

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