CAR-T細胞治療や遺伝子導入造血幹細胞治療といった
ex vivo遺伝子治療では、目的遺伝子を細胞に導入するためにレンチウイルスベクターやレトロウイルスベクターが汎用されています。
Cytiva社のiCELLisバイオリアクターは、小さな短冊状の不織布繊維が多数充填された一定の大きさの空間(Fixed-Bed)内でウイルス産生用細胞を培養することができます。これにより、省スペースを実現しつつ、多段式フラスコを上回る培養面積を確保できるため、大量のウイルスベクターを含んだ培養上清液の回収が可能となります。
図1 iCELLis NanoバイオリアクターおよびiCELLis 500+バイオリアクターの固定床サイズによるスケールアップ/スケールダウンのイメージ(LC:低密度Fixed-Bed、HC:高密度Fixed-Bed)
iCELLisバイオリアクターでは、iCELLis Nanoを使用してプロセス開発(ウイルスベクター産生条件の検討)を実施した後に、iCELLis 500+を使用したウイルスベクター製造に移行することができます。
表1 iCELLis NanoバイオリアクターおよびiCELLis 500+バイオリアクターの構成
お客様が求めるウイルスベクター収量に応じて様々な培養面積のFixed-bedを選択可能です。
開発例1 iCELLis Nanoでのレンチウイルスベクター製造
- ホストセル:HEK293T
- ベクター:弊社臨床試験用ベクター
- GOI:ZsGreen
- トランスフェクション試薬:PEIpro®(Polyplus社)
- 培養面積:0.53 m2(Low compaction Fixed-bed, Height: 2 cm)
|
Nano |
500+予測値 |
Surface area (cm2) |
5,300 |
3,330,000 |
ウイルスコピー数(copies/ml) |
2.52×109 |
- |
ウイルスコピー数(copies/cm2) |
8.09×108 |
- |
ウイルスコピー数(total copies) |
4.29×1012 |
2.69×1015 |
ウイルス力価(IFU/ml) |
1.68×107 |
- |
ウイルス力価(IFU/cm2) |
5.39×106 |
- |
ウイルス力価(total IFU) |
2.86×1010 |
1.79×1013 |
データは、n=2の平均値
iCELLis Nanoでの検討結果から、培養面積比を指標にして、iCELLis 500+を用いて製造した際のウイルスコピー数(total copies)とウイルス力価(total IFU)を予測することが可能です。
開発例2 iCELLis Nanoでのレトロウイルスベクター製造
- レトロウイルス産生細胞:PG13
- ベクター:弊社臨床研究用ベクター
- GOI:ZsGreen
- 培養面積:0.53 m2(Low compaction Fixed-bed, Height: 2 cm)
|
Nano |
500+予測値 |
Surface area (cm2) |
5,300 |
3,330,000 |
ウイルスコピー数(copies/ml) |
1.18×1010 |
- |
ウイルスコピー数(copies/cm2) |
3.79×109 |
- |
ウイルスコピー数(total copies) |
2.01×1013 |
1.26×1016 |
ウイルス力価(IFU/ml) |
3.48×106 |
- |
ウイルス力価(IFU/cm2) |
1.10×106 |
- |
ウイルス力価(total IFU) |
5.85×109 |
3.67×1012 |
データは、n=2の平均値
タカラバイオでは、iCELLis NanoおよびiCELLis 500+の両機器を備えており、ウイルスベクター大量製造プロセス開発および製造をサポートいたします。
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