試料について | ホスト組織由来のDNA, RNAが同時に大量に精製されることで、目的のウイルスや細菌を検出する反応の阻害要因となる可能性があります。このため、核酸が多く含まれる組織(例えば脾臓など)は試料量を減らすことを検討してください。 ホスト組織由来の核酸が存在するため、Carrier RNAの添加は基本的に不要です。 動物組織試料からの核酸抽出については、生物種や対象組織、試料の性状や状況により大きな影響を受けます。このプロトコールで示された方法は一例です。うまくいかない場合は個々に検討してください。 | |
試薬の調製 | Buffer SVW2*1が添付の英文説明書に従って調製、希釈されていることを確認します。 RNase-free H2Oを70℃に予温しておきます。 MN Bead Tube Type D(製品コード 740814.50)およびPBSを用意しておきます。 | |
1. | サンプルの破砕、溶解 |
動物の組織試料5~10 mgをMN Bead Tube Type Dに入れ、PBS 400 μlを加えて蓋を閉めます。 適当な条件で破砕を行います。例えばRetsch社の破砕装置の場合、30 Hzで30秒間破砕します。その他の装置の場合は個別に条件設定を行います。 磁石を用いて、Beadを取り出します。 2,000×gで1分間遠心して、組織残渣を除去します(回転数や時間を延ばさないでください)。 上清200 μlをCollection Tube(1.5 ml)に移します。 Liquid Proteinase K 10 μlを加えて緩やかに混合します。 Buffer SVL 200 μlを加え、振盪機を用いて1,400 rpmで室温10分間混合します。 |
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2. | エタノールの添加 |
1.の溶液をスピンダウンした後、200 μlのエタノール(96~100%)を加えて素早く混合します。 室温で5分間静置します。 スピンダウンして溶液を落とします。 |
3. | カラムへの吸着 |
NucleoSpin VET Columnを2 ml Collection Tubeにセットします。
2.の溶液610 μlをカラムに添加し、4,000×g、3分間遠心します*3。 ろ液を捨てた後、新しい2 ml Collection Tubeにカラムをセットします。 |
4. | メンブレンの洗浄と乾燥 |
1回目の洗浄
Buffer SVW1 400 μlをカラムに添加し、11,000×gで30秒間遠心します。 ろ液を捨てた後、新しい2 ml Collection Tubeにカラムをセットする。
2回目の洗浄
Buffer SVW2 400 μlをカラムに添加し、11,000×gで30秒間遠心します。 ろ液を捨てた後、新しいCollection Tubeにカラムをセットします。 3回目の洗浄
Buffer SVW2 200 μlをカラムに添加し、20,000×gで5分間遠心します。 ろ液を捨てた後、新しい1.5 ml Collection Tubeにカラムをセットします。 蓋を開けて56℃で5分間乾燥させます。 |
5. | 核酸の溶出 |
70℃に予温したRNase-free H2O 100 μlを添加し、3分間室温で静置します。
20,000×gで3分間遠心し、核酸を溶出します。 |