試料について | 動物の糞便試料は生物種や状況により、固さや水分含量、阻害物の含有量など様々です。このため、最適な核酸抽出方法は各試料において異なります。このプロトコールで示された方法は一例です。うまくいかない場合は個々に検討してください。 固まった糞便などは機械的にほぐす必要があります。また糞便の水分含量により、添加するPBSの量を加減する必要があります。阻害物の含有量の多い糞便には、使用する試料量を減らすなど、個々の糞便に対応した変更を行ってください。 | |
試薬の調製 | Buffer SVW2*1が添付の英文説明書に従って調製、希釈されていることを確認します。 また、Carrier RNA*2がRNase-free H2Oで溶解されていることを確認します。 RNase-free H2Oを70℃に予温しておきます。 PBSを用意しておきます。 | |
1. | サンプルの溶解、破砕 |
糞便試料に10倍量のPBSを加えて、混合します。 2,000×gで1分間遠心します(回転数や時間を延ばさないでください)。 浮遊物をなるべく取らないように上清250 μlを別のチューブに移します。 Buffer SVL 250 μlを加えて、vortexで30秒間混合します。 スピンダウンを行ってLiquid Proteinase K 10 μlを添加します。 振盪機を用いて1,400 rpmで室温10分間混合します。 (オプション)スピンダウンを行い、2.5 μlのCarrier RNA溶液を加えます。Vortexなどで混合した後、3分間室温で静置します。 約15,000×gで3分間遠心し、沈殿物を取らないようにして400 μlの上清をCollection Tube(1.5 ml)に移します。 |
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2. | エタノールの添加 |
1.の溶液をスピンダウンした後、200 μlのエタノール(96~100%)を加えて素早く混合します。 室温で5分間静置します。 スピンダウンして溶液を落とします。 |
3. | カラムへの吸着 |
NucleoSpin VET Columnを2 ml Collection Tubeにセットします。
2.の溶液610 μlをカラムに添加し、4,000×g、3分間遠心します*3。 ろ液を捨てた後、新しい2 ml Collection Tubeにカラムをセットします。 |
4. | メンブレンの洗浄と乾燥 |
1回目の洗浄
Buffer SVW1 400 μlをカラムに添加し、11,000×gで30秒間遠心します。 ろ液を捨てた後、新しい2 ml Collection Tubeにカラムをセットします。
2回目の洗浄
Buffer SVW2 400 μl をカラムに添加し、11,000×gで30秒間遠心します。 ろ液を捨てた後、新しいCollection Tubeにカラムをセットします。 3回目の洗浄
Buffer SVW2 200 μl をカラムに添加し、20,000×gで5分間遠心します。 ろ液を捨てた後、新しい1.5 ml Collection Tubeにカラムをセットします。 蓋を開けて56℃で5分間乾燥させます。 |
5. | 核酸の溶出 |
70℃に予温したRNase-free H2O 100 μlを添加し、3分間室温で静置します。
20,000×gで3分間遠心し、核酸を溶出します。 |