SARS-CoV-2 Detection RT-qPCR Kit for Wastewater
実施例4:下水サンプルからの新型コロナウイルス検出における変異株の検出影響について
【対象製品】
SARS-CoV-2 Detection RT-qPCR Kit for Wastewater(製品コード RC390A)
【概要】
山梨県内の下水処理場において2024年3~7月*に採取した下水10試料を用い、SARS-CoV-2 Detection RT-qPCR Kit for Wastewater(製品コード RC390A、以下「RC390A」と記す)、およびRC390Aが検出するN領域のうちCDC N1のProbeをC3T変異に対応する配列に変更した比較対象品(以下「C3T」と記す)を用いて、新型コロナウイルスの検出を行った。反応はN=2で実施した。
* C3T変異を有するオミクロン株流行期に該当
【結果】
増幅曲線において、RC390AはC3Tと比較し蛍光値の低下は確認されず、また、Ct値の遅れも認められなかった。

図1.リアルタイムRT-qPCR による、RC390AおよびC3Tによる新型コロナウイルス検出結果(Ct値および増幅曲線)。ΔCtはRC390AのCt値からC3TのCt値を引いた値を示す。
【考察】
下水サンプルからのRC390Aによる新型コロナウイルス検出において、N1 Probe領域におけるC3T変異が感度低下を生じるリスクは低いことが示唆された。
【方法】
- ウイルスの濃縮:PEG沈殿法
- 40 mlの下水サンプルにPEG8000を4.0 gおよびNaClを0.94 g添加し、混合する。
- 12,000×g 99分 4℃の条件で遠心する。
- 上清を除去する。
- 12,000×g 5分 4℃の条件で遠心する。
- 上清を除去する。
- 800 μlの滅菌水で沈殿物を懸濁する。
※従来法*の4℃での一晩の振とうおよびその後の遠心の工程を、手順2~5にて代用することにより作業時間を短縮しました。
*公益社団法人日本水環境学会COVID-19タスクフォース発行「下水中の新型コロナウイルス遺伝子検出マニュアル」(2021年3月)
- 核酸精製
上記の方法で得られたウイルス濃縮液から分取した140 μlについて、核酸抽出キットのプロトコールに従って精製を行い、RNA抽出液60 μlを回収した。
- リアルタイムPCR反応組成:取扱説明書記載の通り
- リアルタイムPCR装置:Thermal Cycler Dice Real Time System III (Cy5) with PC(製品コード TP990)
- リアルタイムPCR条件:
25℃
52℃
95℃
95℃
60℃
10 min.
5 min.
10 sec.
5 sec.
30 sec.
45 cycles
【参考資料】
国立感染症研究所「ゲノムサーベイランスによる全国の系統別検出状況」(2024年12月18日時点)
※本手順およびデータは、弊社との共同研究を通じて、国立大学法人山梨大学 国際流域環境研究センター 原本英司教授よりご提供いただきました。
SARS-CoV-2 Detection RT-qPCR Kit for Wastewater