牛呼吸器病症候群(BRDC)関連薬剤耐性遺伝子検出キット

疑似陽性検体(陰性牛鼻腔スワブ懸濁液への生菌スパイク検体)を用いた反応性確認試験

【対象製品】
【概要】
呼吸器症状陰性の牛から鼻腔スワブを採取して生理食塩水に懸濁し、薬剤耐性遺伝子を保有するパスツレラ科細菌をスパイクした(以下、スパイク検体)。このスパイク検体について、核酸の簡易抽出を行い、各キットのqPCR反応液に供してパスツレラ科細菌遺伝子および薬剤耐性遺伝子検出の反応性を確認した。

<検出対象>
パスツレラ科細菌遺伝子検出キット
  • Mannheimia haemolytica(以下、Mh)
  • Pasteurella multocida(以下、Pm)
  • Histophilus somni(以下、Hs)
RPPH1遺伝子を対象とするインターナルコントロール (IC)を含む。

薬剤耐性遺伝子検出キット
〇検出系(1)
  • aphA1遺伝子(カナマイシン耐性遺伝子:以下、aphA1
  • strA遺伝子(ストレプトマイシン耐性遺伝子:以下、strA
  • blaROB-1遺伝子(アンピシリン・アモキシシリン耐性遺伝子:以下、blaROB-1

〇検出系(2)
  • floR遺伝子(フロルフェニコール耐性遺伝子:以下、floR
  • catA3遺伝子(チアンフェニコール耐性遺伝子:以下、catA3
  • tetH遺伝子(テトラサイクリン・オキシテトラサイクリン耐性遺伝子:以下、tetH
RPPH1遺伝子を対象とするインターナルコントロール(IC)を含む。

【方法】
呼吸器症状陰性の牛から鼻腔スワブを採取して生理食塩水に懸濁し、薬剤耐性遺伝子を保有するパスツレラ科細菌をスパイクした3種類のスパイク検体を調製した。これらスパイク検体からSolution Bを用いて検体サンプルを調製し、4段階の希釈系列を作成した。鋳型として1反応当たりの菌体添加量が約1.5~1,500 CFU相当になるよう添加して、各反応をN=1で行った。

「スパイク検体の調製に使用したパスツレラ科細菌の菌種と保有する薬剤耐性遺伝子」の対応を以下の表に示す。 横にスクロールできます
パスツレラ科細菌
菌種
保有する薬剤耐性遺伝子
検出系(1)検出系(2)
aphA1strAblaROB-1floRcatA3tetH
スパイク検体1Mh
スパイク検体2Pm
スパイク検体3Hs

【結果】
パスツレラ科細菌遺伝子検出キットにおいて、いずれのスパイク検体を用いた場合でも、各スパイク検体に用いたパスツレラ科細菌遺伝子が特異的に検出された。
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パスツレラ科細菌遺伝子が特異的に検出

薬剤耐性遺伝子検出キットの検出系において、いずれのスパイク検体を用いた場合でも、保有するすべての薬剤耐性遺伝子が検出された。ただし、4段階の希釈系列のうち1反応当たりの菌体添加量が最も少ない反応においては、増幅曲線の立ち上がりが見られない場合があった。
<検出系(1)>
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薬剤耐性遺伝子が検出

<検出系(2)>
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薬剤耐性遺伝子が検出

※本データは、弊社との共同研究を通じて、国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 動物衛生研究部門よりご提供いただきました。

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