IRESベクターは、目的遺伝子と選択マーカー遺伝子(蛍光タンパク質や薬剤選択マーカー)などをIRES配列を挟んで発現することにより、マーカーの発現により目的タンパク質発現細胞を特定する場合などに有用です。
例えば、
pIRES2-AcGFP1 Vector(製品コード 632435)は、IRES配列を介してAcGFP1遺伝子とクローニングサイトに挿入した目的遺伝子が同一のmRNAとして転写され、その後、別々のタンパク質として翻訳されます。したがって、目的遺伝子配列には、開始コドン(ATG)および終始コドンを付加する必要があります。
IRES前のクローニングサイトに挿入する遺伝子の長さは、0.7~1.2 kbが最適です。またIRES配列前のクローニングサイトに翻訳されるORFをクローニングしていない状態では、蛍光タンパク質の発現が低くなり、蛍光顕微鏡による検出が難しい場合があります。